普段見慣れている世界からぐっと近づき、ミクロな視点で「小さな世界」を覗けるのが、マイクロレンズを使った接写撮影の魅力。マイクロレンズでしか出会えない、繊細で美しい世界に心がときめくこと間違いなし。
接写では、被写体選びも楽しいポイント。被写体が持つ色彩や、色の組み合わせの相性にも注目してみて。また、ピント位置を変えるだけでまったく違った印象になるのも、接写ならではの楽しさです。
細かな細工が施されたアクセサリーは、接写によって繊細な魅力がより引き立つ被写体のひとつ。光との相性がよく、自然光はもちろん、暗所での人工の光を使った撮影でもその煌めきにうっとりします。今回は、ビーズアクセサリーをマイクロレンズで接写し、その造形の美しさを表現しました。透明なビーズは光を透過すると輝きを放ち、周囲の色を映して、さまざまな色に染まるのも魅力です。
カラーセロファンをくしゃっとさせてアクセサリーの下に敷き、部屋の照明を落としたうえで、LEDライトをアクセサリーに当てています。セロファンが玉ボケになるよう、被写体との距離はミリ単位で調整。ピント位置は事前に決めず、カメラを構えたあとに、美しいポイントを探りながら合わせました。おすすめの方法は、まず大胆に被写体に近づき、少しずつ距離を取りながらオートフォーカスでピントが最初に合う距離を探すこと。フォーカスモードを「AF-S」に設定しておくと、ピントが合った時点でフォーカスポイントが赤色から緑色に変化。そのタイミングでシャッターを切れば、簡単にきれいな接写が撮れます。
暗所に強いカメラであれば、ノイズが少なく透明感のある描写が可能。三脚なしでも、手持ちでの接写撮影が十分に楽しめます。
上位機種譲りの高性能を実現し、一瞬の動きを捉える撮影性能と暗いシーンへの対応力が向上した、フルサイズミラーレスカメラ。自分らしさを色で表現できる「イメージングレシピ」に対応。
マクロ撮影からポートレートまで、ひと際美しいボケと高い解像力とのコントラストが目を惹きつける、最高峰の中望遠等倍マイクロレンズ※。
※ マクロレンズは本来、原寸大以上の倍率が得られる顕微鏡のような拡大光学系のレンズを指します。このためニコンは定義の厳密性をより重要視し、各社が「マクロレンズ」と呼ぶ縮小光学系で等倍撮影ができるレンズを「マイクロレンズ」と呼んでいます。
炭酸水が弾ける勢いや泡の動きを活かして、夏の爽やかさやワクワク感、そして「ずっとは続かない今」を表現しました。透明なトレーの中に、くしゃくしゃにしたカラーセロファンを敷き、その上から炭酸水を注いで撮影。炭酸水を入れた直後、最もシュワシュワと泡立つ瞬間を狙ってシャッターを切ります。
炭酸水を注ぐ前に被写体との距離やピント位置をあらかじめ決めておくと安心。タイミングを逃さず、泡が弾ける一瞬をしっかり捉えることができます。
花や植物は、接写と相性がよく、定番ともいえる被写体です。この作例では、ピンク色のアンスリウムの美しい色彩や、葉のツルッとした質感、細かな葉脈の様子を丁寧に切り取りました。花瓶にアンスリウムとデルフィニウムを生けて、薄紫色のデルフィニウムを前ボケで入れることで、全体の色のバランスを調整しています。
三脚を使用し、レンズがピントを合わせられるギリギリまで被写体に近づける「最短撮影距離」(このレンズの場合は0.29m)まで寄って撮影しました。F値は6.3に設定し、葉脈全体にピントが合うようにしています。