「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」や「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」、「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」など…わかるようでわからない、それがレンズ名。
レンズ名で必ず書かれている情報が、24-50mmなどで表記される「焦点距離」と、f/4-6.3などと書かれた「F値」です。
焦点距離とは、ピントを合わせたときの、レンズからイメージセンサー(撮像素子)までの距離のことで、「どれくらいの範囲を写せるのか」や、「被写体をどれくらい大きく写せるか」が決まる数字です。
F値は、レンズの明るさを示す指標で、レンズを通る光の量を調整する機能のことです。F値が小さいほど明るく、背景がボケやすくなります。
と、ここまではみなさんも何となくはわかるかもしれません。
それ以上に混乱するのが、「Z」や「S」、「VR」などの略されたアルファベット表記部分ではないでしょうか。レンズ名は各会社ごとにさまざまな表記があり、それぞれに意味があります。
さっそく、一つひとつ解剖していきます!
【NIKKOR】:レンズのブランド名
【Z】:ニコンのカメラ、Zシリーズ(=Zマウント)用のレンズであることを示しています。
※マウントとは、カメラ本体とレンズを接続する部分の規格のこと
【24-50mm】:焦点距離。数字が2つある場合は、ズームレンズであることを意味します。
【f/4-6.3】:F値はレンズの明るさを表す数値が、ズームに応じて変わることを示しています。この場合、焦点距離が24mmのときはF値4が一番明るいF値となり、焦点距離が50mmのときはF値6.3が一番明るいF値となります。
【f/2.8】:ズーム全域においてF2.8で撮影できることを示しています。
【S】:Zシリーズのレンズの中でも、光学性能・操作性が特に優れた「S-Line」に属するレンズであることを示しています。
レンズ名の最後には、S以外にも以下のような表記があります。
【VR】:ニコン独自の「Vibration Reduction(手ブレ補正)」機能付きレンズであることを示しています。
【PZ】:「Power Zoom(パワーズーム)」の略で、一定速度で滑らかなズーミングを可能とする、モーター駆動のズーム機能付きレンズであることを示しています。
【DX】:ニコンの「DXフォーマット(APS-C)」のカメラ用に設計されたレンズのことです。
DX以外にも以下のような表記のレンズもあります。
【MC】:マクロ撮影ができるレンズであることを示しています。
【16-50mm】:レンズ名にDXと入っているレンズは「DXフォーマット」のカメラ、もしくは35mmフィルムのサイズに準じた「FXフォーマット(フルサイズ)」のカメラに装着して撮影する場合、レンズに表記されている焦点距離の約1.5倍の焦点距離になります。
そのため実際の見え方は、1.5倍の焦点距離24-75mmレンズの画角に相当します。
カメラ内にある、レンズから入ってきた光を受け取って「写真」に変えるパーツが「イメージセンサー」。ニコンのカメラには、センサーのサイズが「FXフォーマット(フルサイズ)」と「DXフォーマット(APS-C)」の2種類あります。どちらもカメラとレンズの接続部は同じZマウントなので、すべてのZマウントレンズを使うことができます。