第74回ニッコールフォトコンテスト
受賞作品
グランプリ 「水面下の生存競争」
竹内 眞弓(神奈川)
総評 写真家・ニッコールクラブ アドバイザー 三好 和義
審査員それぞれが持つ「良い写真」の視点で選ばれた作品たち
ニッコールフォトコンテストは、1953年から続く歴史あるフォトコンテストです。昨年からはプリント部門に加えてWeb部門が新設され、審査する私たちにとっては、何を基準に選ぶのか悩ましいところです。
今回の審査は、写真家の大門美奈さんと、『デジタルカメラマガジン』編集長の福島晃さんをお迎えし、ニッコールクラブ アドバイザーの秋山華子、上田晃司、熊切大輔、小林紀晴、佐藤倫子、三好和義の計8名により、3日間にわたって行いました。プリント部門 自由/ネイチャー/中学生・高校生、Web部門 自由/ネイチャー/アンダー35の2部門6カテゴリで各賞を選定。そして、全部門の作品の中から最も優れた作品としてグランプリを決定しました。8名の審査員それぞれが「良い写真」の基準を持っているので、簡単に全員が一致して賞が決まることはありません。
今回のグランプリは、Web部門 ネイチャーに応募された、竹内眞弓さんの「水面下の生存競争」に決定しました。シロカツオドリを水中でとらえた迫力満点の力強い作品です。竹内さんは立ち泳ぎをしながら、大きなハウジングにストロボを付けて撮影したそうです。レンズから数十センチのところまで近づいており、入念な準備によって生まれた一枚ですが、この一瞬はまさに奇跡といえます。
プリント部門 自由の金賞は、小野早苗さんの「秘密基地」。映画のワンシーンのようなストーリーを感じさせる作品です。シャンデリアのある部屋に、従姉妹4人が窓辺で飛び跳ねています。振り向いた女の子の目線が何かを語りかけているようで、この後の展開が気になります。暗めにプリントされたことで、作品全体に余韻も感じられました。
プリント部門 ネイチャーの金賞は、南雲るいさんの「厳冬」です。部門の総評でもお話ししたとおり、可愛らしいアルビノのエゾリスの姿から、南雲さんの優しい気持ちが伝わってきました。「厳冬」というタイトルとは対照的に、じんわりと心温まる作品です。
プリント部門 中学生・高校生の金賞は、小串明璃さんの「うちのタケノコ名人」です。4枚の組み方が上手で、瑞々しい感性で撮られています。この名人としっかり向き合って取材したことが伝わり、一杯やりながら食事をしている場面を入れたのもユニークです。この受賞を自信にして、これからも作品づくりに励んでください。
Web部門 自由の金賞は、篠原徹さんの「ソーダ水の中を」。朝のオレンジ色の光の中でサーファーをとらえた、透明感のある一枚です。逆光の中で打ち寄せる、人の背丈よりも大きな波。シルエットになった人物は波の奥にいるのか、それとも水の中にいるのか、不思議な距離感です。
Web部門 ネイチャーの金賞は、池田耕一郎さんの「鏡像の闘争」。二羽のコミミズクが向かい合って戦っているのでしょうか。鋭い目線で睨んでいます。800㎜の超望遠域でこのサイズですから、かなり遠くを飛んでいる様子です。逆光に透けた羽根がシャープに映り、全体を明るく仕上げたことで繊細な描写が生まれています。
Web部門 アンダー35の金賞は、高野凌さんの「月夜に目覚める氷河」。月光に輝くスイス・グレンツ氷河を、山の上から見下ろすアングルでとらえています。星空の下、月の光で風景をとらえており、宇宙を感じさせる雄大なスケール感が伝わりました。地球温暖化により世界中で溶け続ける氷河。この作品は、ある意味で夢のような風景を見せてくれています。みなさま、誠におめでとうございます。
審査員
秋山 華子、上田 晃司、熊切 大輔、小林 紀晴、佐藤 倫子、三好 和義(写真家・ニッコールクラブ アドバイザー)
大門 美奈(写真家)、福島 晃(デジタルカメラマガジン編集長)










