第74回ニッコールフォトコンテスト
Web部門「自由」
| 金賞 | |
|---|---|
| 銀賞 | |
| 銅賞 | |
| 入選 |
| 応募点数 | 6,289点 |
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| 講評 | 熊切 大輔 |
講評 写真家・ニッコールクラブ アドバイザー 熊切 大輔
「静と動」の魅力的な表現を存分に感じられた作品の数々
コンテスト全体として、例年以上にハイレベルな作品が集まりました。そうした中、Web部門 自由ではバラエティに富んだ被写体・表現の作品を拝見できました。モニター越しに見る作品は、プリントとはまた少し違った表情を見せてくれるもの。そんな見せ方との相性も、審査では少なからずポイントになったと感じます。
すべての応募作品を見て感じたことは、一言で表すと「静と動」です。荒々しくも魅力的な表情を魅せる躍動感と、静寂による空気感が伝わる張り詰めた表現。この対照的な被写体・表現が、作品の個性と魅力を引き出していると強く感じました。
金賞に選ばれた篠原徹さんの「ソーダ水の中を」は、自然が生み出す瞬間と人が生み出す瞬間が出会った、躍動感にあふれる作品です。そこに日の出の美しい光線が景色を彩り、なんとも美しい世界が生まれています。エメラルドグリーンの波の色も神秘的で、海の魅力が満載の一枚となりました。加えて、ピントがサーファーではなく波に合っているのも、ほかの作品とはひと味違う魅力を生み出した要因でしょう。
銀賞は、佐藤竜弥さんの作品「Golden hour」。金賞と同様、こちらも水辺の作品です。広角レンズのパースが味わいのある表現になっており、広大な風景の中、子どもと犬が楽しそうに遊ぶ姿を気持ちよく切り撮っています。水だけでなく空の表情も魅力的で、この空間を独り占めならぬ「二人占め」している、楽しい時間がそこにあるような気がします。
銅賞は3作品。まず井口絵理香さんの「虫取り網の中の夏」は、誰もが持つ夏休みの記憶が蘇る一枚となっています。虫取り網に捕まった一匹のトンボが、網に引っかかって中々取れないもどかしさを思い出させます。美しい夕日が被写体を照らし、傾く日差しが一日の終わりだけではなく、過ぎゆく夏の物悲しさも伝えてくれました。
同じく銅賞の、加藤順子さんの作品「夜明けをみていた」は、雄大な風景をストーリーとともに写し出しています。トルコのカッパドキアにある奇岩群は、数百万年前の火山の大噴火で積もった地層が、長い年月をかけて雨風に削られてできた世界的な絶景です。それを気球から眺めるわけですが、その気球が良いアクセントとなり、魅力的な風景を生み出しています。また、審査の際には「ワンちゃんが大きな役割をしているな〜」と、審査員全員で意見が一致しました。この景色を楽しんでいるのは人だけではなく、犬も見惚れる絶景なのです。
もう1点の銅賞は、藤下光政さんの「冬の海辺」です。カモメの大群をスローシャッターで撮ることで、鳥を写すというより、その不穏な雰囲気を表現しているように思いました。それはパーカーを被った人物や、モノクロームの表現からも伝わり、冬の寒々しさや鳥のざわめきを感じられます。動きはあるのに静けさを感じる、まさに静と動の表現が一枚に混在する作品となりました。
Web部門もプリント部門も、作品の魅力はそれぞれにあり、その良さを楽しめばよいのだと、今回の審査を通じて実感しました。また、Web部門はプリント部門より気楽に応募でき、だからこそ思い切った挑戦が可能なのではないでしょうか。もっと刺激的で大胆な表現も、きっとできるはず。Web部門ならではの皆さんの作品を、今後も楽しみにしております。



