第74回ニッコールフォトコンテスト
Web部門「アンダー35」
| 金賞 | |
|---|---|
| 銀賞 | |
| 銅賞 | |
| 入選 |
| 応募点数 | 3,331点 |
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| 講評 | 上田 晃司 |
講評 写真家・ニッコールクラブ アドバイザー 上田 晃司
テクノロジーの進化とともに自分の表現を磨いてほしい
Web部門 アンダー35に入賞された皆様、おめでとうございます。今回からWeb部門は3カテゴリとなり、より多くの方からご応募いただきました。プリント部門と審査基準に差はありませんが、Web部門は応募点数も多く、たくさんの力作が集まるので、上位に入る難易度も高くなっていると感じます。
35歳以下の方が対象のこの部門は、応募者の多くがデジタルネイティブ世代。SNSなどを通して日ごろから写真を見て、そして自身の作品を発表する機会も多いのではないでしょうか。数多くの写真に触れている世代だからこそ、その中で自分自身の世界観を見事に表現している作品が多かったのが印象的でした。写真の良し悪しが年齢によって変わるわけではありませんが、生まれた時代や歩んできた人生の長さによって、世界の見え方や考え方、行動力、そして被写体への気づきも変わってくると思います。
金賞を受賞した高野凌さんの「月夜に目覚める氷河」は、20代最後に訪れたという、スイスのグレンツ氷河と月とのコントラストが美しい作品です。地球の美しさとダイナミックさ、さらには地球と宇宙との関係性まで感じさせる素晴らしい一枚でした。肉眼ではとらえにくい暗い夜の世界だからこそ、カメラによって見えてくる表現の面白さも感じます。
銀賞の今井未菜穂さんの「春の訪れ」は、お祖母様との春の思い出を、ご家族だからこそ撮影できる自然で素敵な表情で記録されています。
銅賞は3点。高根久美子さんの「そーっと、そーっと。」は、映画のワンシーンのような微笑ましい作品で、タイミング・構図ともに見事です。丸井豪さんの「鵜匠」は、鵜匠と鵜との関係性が巧みに表現され、モノクロならではの深い黒の魅せ方も記憶に残りました。髙瀬涼さんの「とまれみよ」は、北極星を中心とした星の軌跡をダイナミックに表現しつつ、踏切の標識をポップに取り入れることで、日常の中にも宇宙が存在していることに気づかせてくれる一枚です。
入選作品にも、心に残る作品が数多くありました。内田佳弥さんの「離れずにそばにいて」はドラマを感じる心に響く作品。仙石瑛斗さんの「Yeeeeeeeeah!!!」は、若さあふれる自由でエネルギッシュな表現が魅力的でした。中嶋凌さんの「二人だけの時間」には青春のひと時が美しく描写され、松本兼也さんの「旅の始まり」は、アイスランドで撮影された一枚として、まさに世界を旅する始まりにふさわしいと思いました。すべての入選作品に触れることができず申し訳ありませんが、本当にレベルの高い作品が多く、改めて写真表現の自由さを感じる審査となりました。
素敵な瞬間や小さな気づきを、自分なりの表現で写し撮る。そんな写真の根本にある楽しさに加え、テクノロジーの進化によって、これまで表現することが難しかった暗いシーンなども自由に写せる時代になりました。だからこそ、最後に大切になるのは、自ら動いて被写体と出会う行動力と、それをどう写真にするかという表現力なのだと思います。これからWeb部門がさらに続いていく中で、次回も皆さんならではの視点から生まれた素敵な作品に出会えることを楽しみにしています。
年齢を重ねることで見えてくるものがある一方、今だからこそ見える世界、今だからこそ撮れる瞬間もあります。その時にしか撮れない一枚を大切にしながら、自分自身の感性を信じ、これからも自由に写真表現に挑み続けてください。



