第74回ニッコールフォトコンテスト
プリント部門「中学生・高校生」
| 金賞 | |
|---|---|
| 銀賞 | |
| 銅賞 | |
| 入選 |
| 応募点数 | 824点 |
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| 講評 | 佐藤 倫子 |
講評 写真家・ニッコールクラブ アドバイザー 佐藤 倫子
「見て、感じたこと」を大切に自分だけの写真を追求してほしい
第74回ニッコールフォトコンテストの審査を終えて感じたのは、身近な日常の中にある一瞬をそれぞれの視点で見つめ、写真として表現しようとする力です。学校生活や家族、友人、遊び、街の風景など、特別な場所や出来事だけではなく、普段の生活の中にある何気ない瞬間を丁寧にとらえた作品が多く見られました。中学生・高校生ならではの感性と、自分が感じたことを写真で表現したいという思いが、作品の一枚一枚から伝わってきました。
金賞に選ばれた小串明璃さんの「うちのタケノコ名人」は、タケノコの収穫から食卓へとつながる場面を通して、一つのストーリーとして丁寧に描いています。単に人物を撮るだけではなく、その土地に根ざした暮らしまで伝わってきました。被写体との距離の取り方や場面の選び方にも安定感があり、構成力と完成度の高さが感じられました。
銀賞は、川島結衣さんの「ユニバーステレパシー」。学校の屋上という身近な場所で生まれた、偶然性と構図の面白さを生かした一枚です。雲の表情、光、背景の街並み、そして彼女の笑顔が絶妙なバランスで画面に収まり、強い印象を残しています。その瞬間を逃さず、自分の感性を一枚の写真に仕上げた川島さんの表現力が際立っています。
銅賞について、まず磯村虹太さんの「言えなかった」は、4枚それぞれに学校生活にある小さな出来事や感情を感じさせます。直接的に説明するのではなく、手元や靴、光、人物の後ろ姿などを通して「言えなかった」というタイトルにつながる想像の広がりを残している点が印象的でした。
田中詩浬さんの「あの娘の笑顔でありたい」は、背景のあざやかな色彩がテントウムシの存在を引き立て、飛び立つ動きとその構図を組み合わせ、作品に独特な魅力を与えています。自ら背景をつくって撮影する発想と工夫、その創作意欲が見事に生かされた作品です。
中野葵さんの「かくれんぼタイム」は、遊びに夢中になる兄妹の姿をとらえ、楽しさや躍動感を上手に引き出しています。ただ目の前にあるものを記録するのではなく、「どう見せるか」「どの瞬間を選ぶか」という撮影者自身の意識が感じられる作品でした。
そのほか入選作品にも、それぞれ題材や表現方法は異なりますが、共通しているのは、目の前の光景をそのまま写すのではなく、自分なりの感じ方や視点を写真に込めようとしていることです。作品から、写真には「特別なものを探しに行く」だけではなく、「いつもの風景を、自分の視点でとらえる」ことで生まれる表現があるのだと改めて感じました。日常の中でふと心が動いた瞬間、面白いと思った光景、誰かの表情、光や影の変化……。その一瞬に気づき、シャッターを切ることが写真の出発点なのです。
これから撮影を続ける中で、技術や知識を身につけることはもちろん重要ですが、それ以上に「自分は何を見て、何を感じたのか」を大切にしてほしいと思います。同じ場所、同じ被写体を撮っても、撮る人によって写真はまったく違うものになります。今回の入賞作品には、すでにそれぞれの作者にしか見つけられない視点がありました。その感性を大切にしながら、日常の中にある一瞬を見つけ続けて、自分にしか撮れない写真を大いに追求していってください。



