2026年度 第1回 TopEyeフォトコンテスト
- TopEye
- 単写真部門 新人賞
単写真部門 入賞作品
「アイデアを形にしていく楽しさが伝わってくる演出写真ですね。こうした作品はコンセプトから構図、被写体選びまで考え抜いて作られるものですが、この作品は特にモデルとテーマの相性がとてもよかったように感じます。本のページで作られたトンネルのような空間と、被写体が持つ知的で落ち着いた雰囲気がうまく重なり、作品全体の世界観を自然に成立させています。また、ありがちな中央配置ではなく、あえて位置をずらすことで奥行きやデザイン性がより強調されています。この構図の工夫によって、作品のコンセプチュアルな印象がさらに増しています。背景に図書館の本棚などの空間情報を少し残すと、知的な雰囲気や物語性がより深められる気がしました。主役だけでなく背景も作品を構成する重要な要素として意識できると、さらに完成度が高まりますよ」(熊切)
「鳥は常に同じような表情に見えがちですが、この作品では巣箱の穴からちょこんと顔をのぞかせる瞬間を切り取ることで、愛らしい表情を見事に捉えられています。被写体をただ撮るのではなく、その中にあるおもしろい瞬間を逃さずにシャッターを切れていますね。また、鮮やかなボタンインコの色彩と、落ち着いた背景とのコントラストによって主役が際立ち、色のまとめ方も上手だと感じました。右側のインコと空いた巣箱の配置も印象的で、“次はどこから顔を出すのだろう”という想像をかき立てる楽しさがあります。惜しかったのは全体の色みがややくすんで見えること。彩度を少し上げてみると、インコの美しい色がさらに引き立つかもしれません」(秋山)

「モノクロで色をなくしたことで、深く刻まれたシワやまなざしがより印象的に浮かび上がっています。キャッチライトの入った目には強い存在感があり、まるで本当に見つめられているかのような感覚になりました。また、被写体に興味を持ち、まっすぐ向き合って撮影していることが伝わってくる点も魅力です。動物園という環境の中で、光やタイミングをしっかり見極めてシャッターを切ったことも感じられ、被写体への関心の深さが伝わる一枚でした。ただ、オランウータンは表情や仕草がとても豊かな動物です。なのでこの一枚で終わらせるのではなく、ぜひ組写真にも挑戦してほしいなと思いました。興味を持った被写体を継続して撮り続けることで、より深みのある作品や、自分だけのライフワークにつながっていくはずです」(秋山)