
【写真家の推しレンズ】
成澤広幸の「星景写真・タイムラプスの表現の幅を広げる」
レンズ4選
一つの被写体を追い続けるプロの写真家に、撮影に欠かせないレンズを教えていただく連載企画。今回は、星空写真家・成澤広幸氏の「星景・タイムラプス撮影」の推しレンズです。
地上風景を活かす星景写真、時の流れを凝縮するタイムラプス動画撮影の幅を広げ、ドラマチックに表現するレンズとは?

成澤広幸の「星景・タイム
ラプス撮影」推しレンズ4選
星景写真や夜のタイムラプスでは、超広角域で開放F値の小さい「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」が欠かせません。この1本に加え、表現の可能性を模索する中で使用してきたおすすめのレンズをご紹介します。
壮大な星景写真、夜のタイムラプス
に欠かせない
絶対的エースの
超広角ズーム
「NIKKOR Z 14-24mm
f/2.8 S」



NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

星の撮影で全幅の信頼を置いているのが、超広角ズームの「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」です。
私の撮影スタイルである「地上風景を活かす星景」において、星空も風景もたくさん入れようとすると20mm以下の焦点距離が必要で、広角になるほど天の川とその中にある暗黒帯を描写できます。前景を斜めから捉えた時に、超広角レンズならではのパースペクティブを生かした遠近感の演出がしやすくなるというメリットが生まれます。
中心から周辺像までの圧倒的な描写力に加えて、F2.8通しの超広角ズームレンズとしてはズバ抜けて軽量・コンパクトなのも特徴です。
レンズ上部に距離計などを表示する情報パネル(液晶モニター)が備わっており、星景の微妙なピント調整を行う際にも役立ちます。
標準単焦点レンズで
絵本のような幻想的な星景を
切り取る
「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」



NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

広角以外の標準域で、低い位置の天の川や星座と地上風景を撮影する手法を「クローズアップ星景」と呼んでいます。星の撮影では広角レンズで空全体のスケール感を強調することが多いのですが、どうしても似た構図になってくるため、この表現を取り入れることでメリハリを出しています。
広角レンズと比較すると圧縮効果により星を強調でき、画角内で明るい部分を増やせるので露出が稼ぎやすいというメリットもあります。天の川や星座が風景の近くにいる時間帯を狙うため、事前のシミュレーションが必要ですが、タイムラプス動画の1シーンに加えられると非常に目を引く場面を演出できます。
開放F1.8という明るさにより、短い露出時間でも光を多く取り込めるのは夜撮影でメリットが多く、ノイズが発生しにくく、後からの画像処理も楽になります。
多彩な画角でタイムラプスに変化を
つける
ズームレンズ
「NIKKOR Z 24-120mm
f/4 S」



NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

広いズーム域で様々なシーンを切り取る、日中のタイムラプス撮影における主力レンズです。
私は1つのタイムラプス作品で約50シーンで構成することを目標としていますが、すべてが同じような広角の画角だと見ていて飽きてしまいます。そこで、24-120mmのズームを活かして焦点距離を変え、クローズアップを交えたりすることで変化をつけ、視線誘導を促したり、場面をつなぐトランジション的な使い方でストーリー性とメリハリを出しています。
夜間の撮影ではF2.8以下の明るいレンズが必要になりますが、日中のタイムラプス撮影において背景をぼかすような意図がなければF5.6〜8程度に適度に絞って撮影します。そのため開放F4で十分で、このレンズのシャープな描写、コンパクトな筐体、使いやすさが魅力的です。
小さいF値による短い露出時間で
空が緩やかに動く
「ゆったりタイムラプス」を演出!
「NIKKOR Z 20mm f/1.8 S」



NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

インターバル撮影を行うタイムラプスでは、同じような露出時間が多くなると、動画内のスピード感にメリハリが付けられません。小さいF値のレンズを使用することで、より短い露出時間で細かく何枚も撮影できるので、ゆったりとしたタイムラプスの表現が叶います(下の動画の1分58秒頃が、このレンズで撮影したものです)。
開放F2.8のレンズと比べると露出時間が約半分になり、短時間で撮影を終了でき、より多くのシーンを撮影する場合にも適しています。
また、日中のタイムラプス撮影ではNDフィルターが必須になりますが、先ほど紹介したNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sとこのレンズは同じフィルター径77mmのため、1枚のNDフィルターを兼用できます。撮影地は山を登ることも多く、荷物を少しでも減らせるのはとてもありがたいです。
星の撮影は暗闇の中での非日常体験で、撮影自体が思い出になります。
タイムラプス動画もカメラで簡単に撮影・編集までできるので、今回ご紹介したレンズを参考にぜひトライしてみてください!
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