私と星空
カメラだから写せる暗闇が見せる風景
<後編>
一つの被写体を追い求め続けるプロの写真家に、忘れられない思い入れの強い撮影を振り返っていただきます。
彼らは何を追い求め、どのような思考でシャッターを切るのか。
星空写真家/タイムラプスクリエイター・成澤広幸氏が魅了され続けてきた星空。後編は、「時の流れを凝縮させるタイムラプス動画」です。
前編もチェック!「地上風景を活かす星景写真」とは?
長時間の空の変化を凝縮させるタイムラプス
私は星を撮影している傍ら、複数台のカメラを使ってタイムラプス動画を撮影します。
静止画を一定間隔で撮影し、つなぎ合わせた「長時間の空の変化」は、人間の目では表現できないダイナミックに時間が凝縮された映像。思わず感動します。また、現在私が積極的に取り組んでいるHDR表現はタイムラプスを大きく変えました。上記の動画はHDRに対応したモニター、スマートフォンでその美しさを視聴することができます。
HDR:明るい部分から暗い部分まで、より広い輝度幅を表現できる映像。
特に昼から夜、あるいは夜から昼への、景色の明るさや色彩が大きく変化する「ホーリーグレイル」に魅了され、10年以上挑戦してきました。

事前準備が大切
日没の前後1時間半が最も変化が大きく、星空と合わせて撮るためには最低でも3時間以上は撮影します。時期・場所によって太陽や月が沈む時間・方角が異なるため、事前に調べていくことと、現地での事前のロケハンがとても重要です。
ホーリーグレイルは劇的で美しい映像が撮れますが、露出変化が激しく、カメラに張り付いて長時間のマニュアル制御(2〜3分に1回手動で露出を変える)による撮影と、高度な画像処理を必要とする非常に難易度の高いものでした。
ですが、D850で搭載された強力な露出平滑化とインターバル撮影機能により、ホーリーグレイルに革命が起こりました。最新のZシリーズはさらに露出平滑化の精度が向上し、Pモードによる完全カメラ任せで撮影が可能となり、動画生成もカメラ内で完結できるように。インターバル撮影メニューの中にある「タイムラプス動画オプション」をオンにすると撮影終了後すぐに動画として確認可能です。
私が講師を務める星空撮影会などでホーリーグレイルに挑戦した初心者の方は、カメラ内で生成された完璧なタイムラプス動画を見るなり、あまりの精度の高さに必ず驚いて感動します。
タイムラプス撮影のための事前準備
タイムラプス動画の設定のポイントは下の動画で紹介しています。撮影に臨む際にぜひご覧ください。
なお、4時間以上撮り続けるタイムラプスではバッテリーが持つかの心配があるかと思います。機種によってはUSB-Cにモバイルバッテリーを接続して給電ができるため安心です。

タイムラプス動画の撮影モード
露出変化が激しい中でF値が変わるのを防ぐため、Aモードを基本としていました。ですが、最近はPモード(プログラムオート)が非常に優秀で、F値による周辺光量の変化も気になりません。Pモードでは、明るい時間は絞り風景をパンフォーカスにしてシャープに写し、夜には開放で…という被写界深度のコントロールが可能となります。
掲載作品は、画像処理を行っています。
こちらもチェック!

写真家の思考を辿る撮影紀行
5つの被写体、5人の写真家。「風景」「ポートレート」「鉄道」「飛行機」「星空」…。どのような思考でシャッターを切るのか、彼らの撮影の記録を追います。
「写真家の思考を辿る撮影紀行」TOPページへ







