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【私と鉄道】銀世界を駆ける電車<後編>助川康史

私と鉄道 銀世界を駆ける電車<後編> 鉄道写真家 助川康史

一つの被写体を追い求め続けるプロの写真家に、忘れられない思い入れの強い撮影を振り返っていただきます。

彼らは何を追い求め、どのような思考でシャッターを切るのか。

鉄道写真家・助川康史氏が冬の東北で出会った、雪景色の鉄道。後編は、周囲の環境や季節を活かす鉄道風景です。

前編もチェック!
「こだわりを詰め込んだ編成写真・
流し撮り」とは?
助川康史

鉄道写真家 助川 康史

1975年東京生まれ。鉄道写真家・真島満秀氏を師事。鉄道車両の魅力と、鉄道が走る風景の美しさを伝えるべく、日本各地で奮闘中。鉄道趣味誌の鉄道ダイヤ(連載)や各時刻表の表紙写真などを手掛ける。日本鉄道写真作家協会(JRPS)理事。(有)マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ勤務。ニコンカレッジ講師。

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ストーリーを意識した鉄道風景

季節を活かした鉄道風景写真
Z6III、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

車両を写す編成写真はもちろん好きですが、周りの状況や季節を活かしたイメージ写真が好きです。師匠から「鉄道が好きなんだから、車両をうまく撮れるのは当たり前。その周りも良く撮れるように」とよく言われたものです。

向かうのは季節のはっきりしたところ。夏は暑く、冬は寒く…。

ストーリーを意識した鉄道風景写真
Z5II、NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

特に冬の朝は、凛とした空気感や透明感を綺麗に表現できます。

黎明の時間の青い光からだんだん空が赤みを帯びる。その赤い光が車両に当たるのが好きで、日の出前から撮影を行うこともしばしば(そういう時は車中泊です)。

右側に新幹線を流して入れ、日の出に向かう構図に。自由にイメージしたストーリーを実現するために、場所や時間、構図を模索するのが醍醐味です。

鉄道のイメージ表現にブレや逆光も取り入れる

ライトアップされた幻想的な鉄道風景
Z9、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

津軽鉄道の芦野公園駅付近は冬の時期に桜色にライトアップされ、幻想的です。テールランプを点け、遠ざかっていく列車をあえてぶらすことで、「今日も1日お疲れ様」という余韻や情感を表現しました。私はこれを「ぶらしの美学」と呼んでいます。

逆光で撮影した鉄道風景写真
Z9、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

編成写真のように車両が主役の場合は順光が良いですが、風景写真ではあえて逆光で撮ることも。上の写真では、「太陽の光が降り注ぐ、銀世界を駆ける車両」というイメージを表現しました。

ただ、逆光時に風景を優先すると車両が暗くなってしまうなど、風景と鉄道の両方を捉えるのは意外と難しい…。こういう条件では、アクティブD-ライティングを活用します。自然で滑らかなトーンで写し出せることに、写真を確認するたびに感動しています。

私と鉄道 電車が通る数秒だけの「瞬間風景」を追い求めて

新幹線を思い切りアップで切り取ったイメージ写真
Z5II、NIKKOR 180-600mm f/5.6-6.3 VR+Z TELECONVERTER TC-1.4x

数時間に1本しかないような鉄道。天気や光の条件など、その瞬間は二度となく、車両が通る数秒ほどのチャンスをものにできた時の快感は何ものにも代えられません。仮に想定した条件ではなくても、「次こそは」という気持ちが撮影欲につながりますし、予想以上の出会いもあります。偶然を楽しむ「旅人の目」が大事だと、鉄道を追い続けるからこそ実感しています。

自分の撮りたいイメージを実現するため、偶然の出会いを撮影するには、それに対応できる性能を持ったカメラ・レンズ選びも重要です。表現の可能性が広がり、撮る楽しさが増えていきます。

鉄道写真は、スナップのように鉄道が入った光景を撮る、自分のイメージした鉄道風景を追い求める、車両を記録する…と、自由であり、幅の広いジャンルです。皆さんもカメラ・レンズを活用して、あなたの思う鉄道のかっこ良さや美しさを撮影してみてください。

前編「こだわりを詰め込んだ編成写真・
流し撮り」
を見る

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