私と鉄道 銀世界を駆ける電車<後編>
一つの被写体を追い求め続けるプロの写真家に、忘れられない思い入れの強い撮影を振り返っていただきます。
彼らは何を追い求め、どのような思考でシャッターを切るのか。
鉄道写真家・助川康史氏が冬の東北で出会った、雪景色の鉄道。後編は、周囲の環境や季節を活かす鉄道風景です。
前編もチェック!「こだわりを詰め込んだ編成写真・
流し撮り」とは?
ストーリーを意識した鉄道風景
車両を写す編成写真はもちろん好きですが、周りの状況や季節を活かしたイメージ写真が好きです。師匠から「鉄道が好きなんだから、車両をうまく撮れるのは当たり前。その周りも良く撮れるように」とよく言われたものです。
向かうのは季節のはっきりしたところ。夏は暑く、冬は寒く…。
特に冬の朝は、凛とした空気感や透明感を綺麗に表現できます。
黎明の時間の青い光からだんだん空が赤みを帯びる。その赤い光が車両に当たるのが好きで、日の出前から撮影を行うこともしばしば(そういう時は車中泊です)。
右側に新幹線を流して入れ、日の出に向かう構図に。自由にイメージしたストーリーを実現するために、場所や時間、構図を模索するのが醍醐味です。
鉄道のイメージ表現にブレや逆光も取り入れる
津軽鉄道の芦野公園駅付近は冬の時期に桜色にライトアップされ、幻想的です。テールランプを点け、遠ざかっていく列車をあえてぶらすことで、「今日も1日お疲れ様」という余韻や情感を表現しました。私はこれを「ぶらしの美学」と呼んでいます。
編成写真のように車両が主役の場合は順光が良いですが、風景写真ではあえて逆光で撮ることも。上の写真では、「太陽の光が降り注ぐ、銀世界を駆ける車両」というイメージを表現しました。
ただ、逆光時に風景を優先すると車両が暗くなってしまうなど、風景と鉄道の両方を捉えるのは意外と難しい…。こういう条件では、アクティブD-ライティングを活用します。自然で滑らかなトーンで写し出せることに、写真を確認するたびに感動しています。
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写真家の思考を辿る撮影紀行
5つの被写体、5人の写真家。「風景」「ポートレート」「鉄道」「飛行機」「星空」…。どのような思考でシャッターを切るのか、彼らの撮影の記録を追います。
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