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マイクロレンズで写し出す、おいしい瞬間と身近な食べ物の新しい表情

マイクロレンズで写し出す、おいしい瞬間と身近な食べ物の新しい表情

皆さんは、マイクロレンズをご存知ですか?被写体に近づいてクローズアップできるレンズで、料理などのテーブルフォトや身近な被写体の新たな魅力を発見できます。今回はフォトグラファーの茶々さんに、マイクロレンズの特徴や魅力、テーブルフォトでの活用について教えていただきます。
また、初めてにおすすめのマイクロレンズをご紹介。ぜひレンズ選びの参考にしてみてください。

※マクロレンズは本来、原寸大以上の倍率が得られる顕微鏡のような拡大光学系のレンズを指します。このためニコンは定義の厳密性をより重要視し、各社が「マクロレンズ」と呼ぶ縮小光学系で等倍撮影ができるレンズを「マイクロレンズ」と呼んでいます。

茶々さん(フォトグラファー)

茶々さん(フォトグラファー)

スイーツや料理写真を得意とする。食べ物の写真を中心に、写真教室や商品撮影、執筆活動などを行う。

ショート動画でポイントをチェック!

「マイクロレンズ×テーブルフォトの魅力」をショート動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。

マイクロレンズとは?

マイクロレンズとは?

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

茶々:マイクロレンズは、近距離撮影に最適化されたレンズで、被写体に近づいて大きく写すことができます。

マイクロレンズは被写体に近づいて大きく写せる
  • 被写体に近づいて撮影できる:被写体にピントを合わせることができる最短の撮影距離(最短撮影距離)が非常に短く、接写ができます。
  • 被写体を大きく写し出せる:大胆なクローズアップが可能です。最短の撮影距離で撮影した際、被写体をほぼ実物大でカメラセンサーに写し込むことができます。

テーブルフォトにおける、マイクロレンズの魅力

テーブルフォトにおける、マイクロレンズの魅力

茶々:家やカフェなどで、テーブル上の食べ物や小物などを撮影する際、マイクロレンズがあると表現の幅がぐんと広がります。

テーブルフォト撮影のレンズ選び

テーブルフォト撮影のレンズ選び

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7(35mm判換算52.5mm相当)

茶々:テーブルフォトの撮影でメインに使うのは、標準単焦点レンズです。50mm前後の焦点距離は、食べ物に加えて器やテーブル全体の雰囲気まで写しやすく、F値が小さいほど背景をぼかしやすいため食べ物を印象的に見せられます。

テーブル全体を写した写真

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

そして、マイクロレンズは「食べ物のおいしさや質感を細部まで伝えたい」時に特に活躍します。接写により肉眼では気付きにくい質感まで描写でき、単焦点レンズとしても幅広い撮影が可能です。

マイクロレンズの接写により細部まで精細に伝える

茶々:マイクロレンズでは、その食べ物らしさやおいしそうと感じる部分に注目して撮影するのがポイントです。焼き菓子の表面の焼き色やひび割れ、フルーツのみずみずしさやツヤ、料理のソースの照りや断面など、普段はあまり意識しない細かな質感まで写すことができます。

マイクロレンズにより接写した写真

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

マイクロレンズにより接写した写真

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

また、被写体に近づくほど被写界深度(ピントが合って見える範囲)が浅くなるので、ピント面の質感をしっかり見せながら、その前後を大きくぼかすことができ、主題が印象的に浮かび上がります。見せたい部分に自然と視線を集められることは大きなメリットです。

[Tips]マイクロレンズ撮影の注意点
接写ではF値が小さすぎるとボケすぎる場合も

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
左:F3.5、右:F5.6

被写体に近づくほど、周囲が大きくボケるため、マイクロレンズではピント位置やF値の注意が必要です。「どこにピントを合わせるか」「どこまでぼかすか」を意識しましょう。なお、クローズアップするほどブレの影響を受けやすいため、手ブレしないようにしっかり構える、または三脚やセルフタイマーを活用してみてください。

※マイクロレンズは撮影倍率が高くなると有効F値が変化しますが、露出はカメラが自動補正します。詳しくは こちら

接写ではどの部分を切り取るか意識するのがポイント

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

接写をする際、同じ被写体でも、どこを切り取るかによって写真の印象や伝わる情報が大きく変わります。例えばコーヒー豆を撮る際、左のようにスプーンに入った豆を中心に撮ると「これからコーヒーを淹れる」とイメージできる写真になりますが、右のように一粒一粒の豆にぐっと寄ると表面の凹凸や焙煎された質感が強調されます。「何を主役にするか」「どんな質感を見せるか」まで選べるのがマイクロレンズで撮る面白さです。

寄り・引きを思いのままに撮影

マイクロレンズは寄りも引きも撮れる

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

茶々:マイクロレンズは近づけばクローズアップ、少し引けばテーブル全体の雰囲気を写すことができ、幅広く撮影できます。

マイクロレンズは寄り引きしやすい

通常のレンズでは最短撮影距離によって「これ以上は寄れない」という場面がありますが、マイクロレンズなら撮影距離を気にせずに自分の見せたい範囲に合わせて自由に距離を選べます。一つの被写体から様々な魅力を引き出せるのは大きなポイントです。

マイクロレンズは少し引いた状態から徐々に寄るのがポイント

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

ただし、寄れば寄るほど情報が削ぎ落とされ、何を撮っているのか分からなくなることもあります。少し引いた状態から徐々に寄りながら、どの範囲を残すとその食べ物らしさが伝わるかを探すのがコツです。

初めてにおすすめのマイクロレンズ

初めてにおすすめのマイクロレンズ「NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7」「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」

茶々:イチオシなのが、APS-Cサイズ(DXフォーマット)をお使いの方には「NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7」(35mm判52.5mm相当)、フルサイズ(FXフォーマット)をお使いの方には「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」です。
どちらも等倍相当のクローズアップが可能で、開放F値が小さいため豊かなボケ表現を楽しめ、単焦点レンズとしても幅広いシーンで活躍します。

※等倍:被写体をほぼ実物大でカメラセンサー上に写せる。

APS-Cサイズ「NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7」

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7で接写したコーヒー豆

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

茶々:APS-Cサイズ用のマイクロレンズです。最短撮影距離が0.16mと短く、等倍相当の撮影ができます。接写時のピント面の繊細な描写と、そこからなだらかにボケていく表現が印象的でした。輪郭部分などに気になる色づきがなく、自然ですっきりと写し出すことができます。

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7で接写したリンゴ

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7で引いて撮影したリンゴ

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

また、少し引いて食べ物と周囲のスタイリングまで入れた撮影がしやすいところも魅力です。一つのレンズで全体から細部まで撮れるので、テーブルフォトとの相性の良さを感じました。

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

このレンズは約220gと非常に軽いのも特徴で、手ブレしにくく安心して接写できます。テーブルフォトでは真上から撮ったり、ぐっと近づいたりと、短時間で撮影位置を変えることも多く、機材の軽さは想像以上のメリットです。

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7は軽量コンパクトで片手撮影もスムーズ

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

軽量・コンパクトなので、慣れれば片手でカメラを構え、もう片方の手で食材やカトラリーを動かしながら撮影することもできます。手を入れて撮る場合、先に構図やピント位置をある程度決めておき、シャッタースピードを速めに設定して手ブレを防ぐのがポイントです。

フルサイズ「NIKKOR Z MC 50mm f/2.8」

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8で接写した写真

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

茶々:最短撮影距離が0.16mと短く、等倍撮影ができます。50mmという焦点距離は、自然な距離感で被写体を捉えやすく、食べ物そのものを主役にしたカットから、ぐっと寄ったディテールカットまで、様々な撮影がしやすいと感じました。

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8で接写した写真

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8で引いて撮影したテーブルフォト

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

接写時はピント面がシャープでありながら前後は大きくボケるので、見せたい部分を際立たせながら、立体感や奥行きのある表現ができるところも魅力です。輪郭部分などに気になる色づきもなく、素材の色を素直に表現してくれることは撮影での使いやすさにつながります。

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

約260gの軽量・小型で手持ち撮影がしやすく、手ブレしにくいのも嬉しいポイントです。フルサイズカメラとの組み合わせでも、片手でカメラを構え、もう片方の手でカトラリーや食材を持ちながら撮影することができました。手を入れることで写真に動きやストーリーを加えられるので、一人でこうした撮影がしやすいのは魅力的です。

まとめ

茶々:マイクロレンズを使って一番感じるのは、身近な被写体でも、寄って見ることで新しい表情を発見できる面白さです。フルーツのみずみずしさやコーヒー豆の凹凸、食べ物だけでなく花や小物など、何気なく見ている部分も大きく写すことでそれ自体が主役になります。
皆さんもマイクロレンズで、身近な被写体から普段とは違う新たな魅力を見つけてみてください。

おすすめ機材

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7

APS-Cサイズ用の軽量なマイクロレンズ。最短撮影距離0.16m、等倍相当(35mm判換算)の最大撮影倍率0.67倍を実現。開放F値1.7により、小さな被写体の細部まで鮮明に捉えながら、柔らかく幻想的なボケを活かして撮影できる。

製品の情報はこちら

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

NIKKOR Z MC 50mm f/2.8

最短撮影距離0.16m、等倍撮影を実現し、マクロ撮影からスナップ、テーブルフォトまで幅広いシーンに対応できるマイクロレンズ。小型軽量ボディーに、優れた描写力を凝縮。接写から、50mmの画角を活かしたスナップ、ポートレート、風景まで、写真表現を手軽に楽しめる。

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Photographer

茶々(フォトグラファー)
Photo: 茶々(フォトグラファー)

秋田県出身のフォトグラファー。2018年から趣味で写真を撮り始め、2022年4月に独立。スイーツや料理写真を得意とする。食べ物の写真を中心に、写真教室や商品撮影、執筆活動などを行う。