“なんかおしゃれでいい”。そんな抽象的な感覚や憧れを形にしてくれるのが、フィルムライクなポートレートの魅力です。フィルムライクにするには、デジタルっぽさを抑え、フィルムカメラのような温かみを出すことが大切。そんな1枚にするために取り入れやすい手法は、粒子感を加えることです。さらに色味や光を意識すると、表現に奥行きが生まれます。
ニットの赤色と青空のコントラストが印象的なポートレートです。シャッタースピードを1/60秒に設定し、あえてカメラを横にブラして撮影することで、寄りの構図でも顔に視線が集中しすぎず、雰囲気のある1枚に。下から煽って撮影し、背景を空だけにすることで、ミニマルでおしゃれな仕上がりにしています。
また、画像全体に粒子状の質感を加えられる、カメラの「フィルムグレイン」機能を使用しています。仕上がりイメージに合わせて粒子感を調整でき、強度は1〜6、サイズは大中小から選べるので、好みの感じを模索してみてください。今回は、粒子感を出しつつも過剰な表現になりすぎないよう、強度は3、サイズは中を選択しています。
さらに、物語性や深みのある色味にするために、イメージングレシピ「Vintage Portrait by Kazu Fujisawa」を適用。このレシピは、シャドーのグリーン、中間層のオレンジ、ハイライトのブルーが絶妙なバランスで組み合わせられており、Nikon Imaging Cloudにて公開されています。
※フィルムグレインは対応機種のみご利用いただけます。
イメージングレシピ:クリエイターやニコンオリジナルの色設定を公開しておりレシピとして保存できます。
※イメージングレシピはフレキシブルカラーピクチャーコントロール対応の機種のみご利用いただけます。
幅広いシーンで威力を発揮する、大口径広角レンズ。開放F値1.8ならではの美しいボケ味と、ピント部分のシャープな描写で、人物を印象的に際立たせることが可能。
海に反射する光と、逆光で輝く金髪の美しさが目をひく1枚。ボケ効果を狙い、F値をもっとも小さい値(開放F値)に設定し、被写体に大胆に近づいて撮影。フィルムグレインは、強度3、サイズ中に設定し、粒子感を加えつつも、光の輪郭や繊細さを残しています。
ポートレートでは、モデルも撮影者も動きながら撮影すると、映画のワンシーンのような雰囲気を演出できます。カメラの「被写体検出」を「人物」に設定しておくと、自動で顔や瞳にピントを合わせてくれるため、動きながらの撮影でも安心です。
フィルムライクに撮るなかで、よりエモーショナルな雰囲気を出しやすいのが、夜の街での撮影。暗いシーンでの撮影はノイズが出やすいため、粒子感を出しすぎないように調整することがポイントになります。このシーンは街灯の明かりで少しノイズ感もおさえられたので、フィルムグレインは強度3、サイズ中に。顔が暗くならないよう、モデルには街灯の下に立ってもらい、柵に反射する光を生かすため、顔を柵に近づけてもらいます。道の奥まで放射状に写すことで、画面に奥行きをプラスしています。