連載企画『写真家と学ぼう!カメラ初心者ガイド』。カメラ初心者のナツキちゃんと一緒に、カメラや撮影の基本を学んでいきましょう!
ついに、はじめてのカメラとレンズを手に入れたナツキちゃん。Step3はちょうどいい明るさで写すための「露出」について、フォトグラファーの嵐田大志さんに教えていただきます。
ナツキちゃん
スマホで写真を撮っていたが、「もっと素敵な写真を撮りたい」とついにカメラを購入。選んだのはAPS-Cサイズのミラーレス「Z fc」と単焦点レンズ「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」。モットーは「とりあえずやってみる」。好奇心旺盛で、少しうっかりやさんな女の子。嵐田大志さん
家族写真や都市風景を中心に撮影するフォトグラファー。3児の父であり、子供の誕生を機に写真にのめりこむ。

はじめまして! 嵐田さんの写真、いつもSNSで見ていてすごく憧れてます!




photo by 嵐田大志

ありがとう、そう言ってもらえてうれしいな~!

実は、嵐田さんに教えてほしいことがあるんです。
はじめてカメラを買ったんですけど、何をどう設定すればいいかわからなくて。「きれいにぼかしたい」という強い希望はあるんですけど…。

ぼかしたい気持ちわかるよ!
その前に、まずは「ちょうどいい明るさ」で撮れるようになるといいかな。そのためには「露出」を覚えよう!

露出って何ですか?

写真の明るさを決める大切な要素だよ。スマホでも「夜に撮った写真が、真っ暗になってしまった」という失敗があると思うんだけど、そういったことも解決できるんだ。
真っ暗に写ってしまった写真

あっ、その失敗よくやってます。
「露出」って何?
「露出」は、カメラのイメージセンサーに取りこまれる光の量のことで、これによって写真の明るさが決まります。

露出はどうやって設定するんですか? 難しそう…。

かまえる必要はないよ。実は、カメラが自動で最適な明るさを計測してくれるんだ。

じゃあ私は、何もせずにシャッターボタンを押せばいいんですね!

基本はそれでOK! ところで「ちょうどいい明るさ」ってどれくらいの明るさだと思う?

え? カメラが計測した明るさじゃないんですか?

それはあくまで“カメラにとっての最適”なんだ。人によっては「少し暗い写真がちょうどいい」と感じる場合もあるよね。ここで覚えておきたいのが“撮る人にとってちょうどいい明るさ”だよ。

撮る人にとって…?
ちょうどいい明るさとは?

カメラが判断した最適な明るさのことを「適正露出」と呼ぶんだけど、撮る人の好みで明るくしたり、暗くしてもいいんだよ!

好みでいいんですね!


左:適正露出、右:嵐田さんにとってのちょうどいい明るさ

左の写真が、カメラが判断した「適正露出」だよ。でも、この光景はもう少し暗めが合うと思ったから、露出を落として右のように撮ったんだ。

明るさで写真の雰囲気が変わりますね!

僕は明るめも暗めも好きで、被写体の雰囲気に合わせるようにしてるよ。


左:明るめが合う写真、右:暗めが合う写真

「明るめ」「暗め」が合うって、どんなときですか?

「爽やか」「軽やか」「かわいい」というイメージの被写体は明るめ、「静か・落ち着いた」「しっとり」「重厚」というイメージの被写体は暗めが合うよ。でも、撮る人の「好み」がいちばん大事だから、ナツキちゃんの好きな明るさを探してみて!

私好みの明るさか~。いろいろ試してみます!
ところで、カメラが判断した「適正露出」から調整するにはどうすればいいんですか?

「露出補正」で明るくしたり、暗くできるよ。
露出補正をプラスにすると明るく、マイナスにすると暗くなります(写真は、Z fcの露出補正ダイヤル)。

じゃあ私は、ここだけ調整すればいいんですね!

そうだね! ちなみに、露出はどう決まってると思う?

え? カメラが、がんばって計測してるんですよね…。

露出を決める3つの要素があるんだけど、これを覚えておくと「ぼかした写真」を「ちょうどいい明るさ」で撮れるようになるから、チェックしてみよう!
露出の3要素を知ろう!
カメラには、「F値(絞り値)」「シャッタースピード」「ISO感度」という露出を決める3つの要素があります。
この3つは、光を取りこむ部品に関する要素で、撮影モードを変えることで調整できるようになります(AUTOモードでは調整できません)。
※撮影モードについては別の回で説明します。
- F値(絞り値):「F○」で表す。小さいほど明るく写り、ボケやすい。大きいほど暗く写り、ボケにくい。


左:F2.8、右:F8で撮影
- シャッタースピード:「1/○秒」で表す。遅くすると明るく写るがブレやすい。速いほど暗く写るがブレにくい。


左:1/15秒、右:1/1000秒で撮影
- ISO感度:「ISO○」で表す。高いほど写真が明るくなり、低いほど写真が暗くなる。


左:ISO2000、右:ISO200で撮影

ぼかさず&ブレさせたくない場合はすごく暗くなりそうですが、ISO感度を高くすればいいんですね。

そうだね。でもISO感度を上げすぎるとノイズが発生してしまうんだ。

ノイズ?
ISO感度の上げすぎで発生するノイズ
夜など暗い場所で、ISO感度を上げすぎると写真がザラつく「ノイズ」が発生してしまいます。
ISO25600で撮影した写真。ザラザラと荒れているのがノイズです。

本当だ、ザラザラしてる! ノイズを出さないためには、どれくらいがいいんですか?

スマホやタブレットで見るくらいなら、ISO3200までを目安にしておくといいよ。基本はISO感度をいちばん低くしておいて、必要に応じて上げるようにね。
露出の3要素と写り方のまとめ

3つをまとめると、こんな関係性があるよ。

「ちょうどいい明るさ」と「どんな写真が撮れるか」の関係がわかってきました。

まずは、自分にとっての「ちょうどいい明るさ」で撮れるようにね!

はい、やってみます!!
NEXT STEP!
露出の大事な要素の「F値」。F値によってピントの合う範囲が変わり、きれいにぼかすこともできます。引き続きフォトグラファーの嵐田大志さんに、F値について、そしてきれいにぼかすための基本ポイントを教えていただきます。
>Step4 F値とボケ
キャラクターイラスト:福士陽香(@f___haru)
Supported by L&MARK

嵐田大志
本業の傍ら、東京をベースにフォトグラファーとして活動。LightroomやVSCOを活用し、フィルム風の空気感を表現。家族や身近なものを中心にしつつ、頻繁に旅する海外でのスナップを撮り続けている。