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2026年10月の星空

秋は明るい星が少ない季節と言われますが、沈みゆく夏の星々や昇ってくる冬の星座たちを入れれば、実は案外にぎやかな夜空です。今月一番の楽しみは、見ごろを迎える土星。シンボルの環を天体望遠鏡で観察しましょう。

星空写真

岐阜県中津川市にて
そば畑から昇ってくる秋の天の川を撮影しました。ぎょしゃ座のカペラやおうし座のアルデバランが地平線から顔を出し、ペルセウス座からカシオペヤ座に沿って天頂付近のケフェウス座へと天の川が流れていきます。中央やや上に、アンドロメダ座大銀河も小さいながらも輝きを放っています。

そば畑の上に昇る秋の天の川

2025年9月26日 21時47分
ニコン Z5II+NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S(14mm、ISO6400、露出15秒×16枚を合成、f/2.8)
撮影者:石橋 直樹

10月の星空

南の空

南の空

2026年10月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(19日)、満月(26日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2026年10月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

1日(木) (前日宵~)明け方、月とプレアデス星団が大接近
3日(土) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
4日(日) 深夜~翌5日明け方、月とポルックスが並ぶ
5日(月) 未明~明け方、月と火星が並ぶ
土星が衝(一晩中見えるので観察の好機です。 「今月の星さがし」 で解説)
6日(火) 未明、月と火星が並ぶ
未明~明け方、月とプレセペ星団が接近
7日(水) 未明~明け方、細い月と木星が接近
未明~明け方、細い月とレグルスが接近
11日(日) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
12日(月) このころ、未明~明け方に火星とプレセペ星団が大接近( 「今月の星さがし」 で解説)
水星が東方最大離角(夕方、西南西の低空に見えます)
14日(水) 夕方~宵、細い月とアンタレスが並ぶ
15日(木) 夕方~宵、月とアンタレスが並ぶ
19日(月) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
22日(木) オリオン座流星群の活動がピーク( 「今月の星さがし」 で解説)
24日(土) 夕方~翌25日未明、月と土星が並ぶ
26日(月) 満月。次の満月は11月24日です
27日(火) 深夜~翌28日明け方、月とプレアデス星団が接近
28日(水) 宵、月とプレアデス星団が並ぶ
31日(土) 宵~翌11月1日明け方、月とポルックスが接近

10月の惑星

水星

20日ごろまで夕方の西南西の空に見えますが、日の入り30分後(10日の場合、東京で17時45分ごろ)の高度が5度未満と非常に低いので、観察は困難です。

金星

太陽に近く、ほぼ見えません。

11月上旬から、「明けの明星」として明け方の東南東の低空に見えるようになります。

火星

「かに座」を横断していきます。0時ごろに昇ってきて、4時ごろに東の空に見えます(15日、東京の場合)。明るさは約1.0等級です。

特徴である赤っぽい色がよく目立ちます。明るさの点では同じ東の空にある木星には及びませんが、印象面では引けを取りません。また、今月は「かに座」のプレセペ星団を通り過ぎていく様子がとくに見ものです。「今月の星さがし」を参考にして、双眼鏡で眺めて楽しみましょう。

5日の未明から明け方、月齢24の細めの月と並んで見えます。また、翌6日の未明にも月と火星が並びます。

木星

「しし座」にあります。1時ごろに昇ってきて、4時ごろに東の空に見えます(15日、東京の場合)。明るさは約マイナス1.9等級です。

明るいので、建物などに隠されていなければ肉眼でも簡単に見えます。未明から明け方の東天で火星と並んでいて、夜更かし(早起き)の人々の目を楽しませてくれそうです。意欲のある方は天体望遠鏡で縞模様やガリレオ衛星も観察してみましょう。

7日の未明から明け方、月齢26の細い月と接近して見えます。

土星

「うお座」と「くじら座」の境界付近にあります。20時ごろに南東に見え、23時ごろ南の空の高いところに昇り、5時ごろに沈みます(15日、東京の場合)。明るさは約0.4等級です。

ほぼ一晩中見ることができる絶好のシーズン到来です。20時ごろにはもう40度くらいの高さに達しているので、夜更かししなくてもじっくり見ることができます。天体望遠鏡で環を観察しましょう。衛星タイタンも見えるかもしれません。

24日の夕方から25日未明、満月前の明るい月と並んで見えます。

今月の星さがし

宵空で土星が見ごろを迎えます。天体望遠鏡で環を観察しましょう。未明から明け方に、東の空で火星とプレセペ星団が大接近する様子も見ものです。

土星が見ごろ

10月5日に土星が「衝(しょう)」という状態を迎えます。衝のころ、惑星は地球を挟んで太陽と正反対の位置にあるので、一晩中観察することができます。また、衝のころは地球と惑星との距離が最も近くなるので、惑星が明るく大きく見えます。こうした理由から、土星はこれから本格的な観察シーズンになります。

土星は約0.4等級と明るく、街中でも肉眼で簡単に見えます。20~21時ごろに南東の空に輝く、クリーム色の星を見つけましょう。南の空に見える「みなみのうお座」のフォーマルハウトも明るい星ですが、色(フォーマルハウトは白っぽい)や高さ(土星のほうが高い)で区別できます。

10月中旬21時ごろの南東の空に見える土星と、環と衛星タイタンの軌道の拡大図

10月中旬 21時ごろの南東の空。土星は23時ごろには南の空の高いところに昇り、夜明け近くまで一晩中見える。
円は土星の拡大像。赤い線は衛星タイタンの公転軌道で、この線上のどこかに暗い星が見えればタイタンと考えて間違いない(2026年の間は紛らわしい天体はない)

土星といえば環ですね。環は木星よりも遠い4惑星の全てと、ごく一部の小惑星などにも見つかっていますが、私たちが一般的な天体望遠鏡で観察できるのは土星の環だけです。しかも、大型・高倍率の望遠鏡が必須というわけでもなく、レンズの直径が5~10cm、倍率は80~100倍程度でもじゅうぶん見ることができます。望遠鏡をお持ちであればぜひ土星に向けてみましょう。ここ数年は地球と土星との位置関係のため環が細く見えていましたが、今年は比較的見やすくなっています。

また、注意深く観察すると、衛星タイタンも見つけられるかもしれません。タイタンは惑星である水星よりも大きく、衛星としては唯一、濃い大気をまとっている天体です。表面には液体も存在しています。ちなみに、土星にはタイタンを含めて300個近くもの衛星が見つかっています。

環やタイタンの観察は、科学館や公開天文台などのイベントで望遠鏡を覗かせてもらうのもお勧めですが、この機会に購入するのも一案です。月や二重星などもよく見えますし、冬から春には木星も見ごろとなるので長く楽しめます。メーカーや専門ショップ、科学館などで相談してみてください。この秋、土星の魅力をたっぷり味わいましょう。

12日ごろ 火星がプレセペ星団を通過

未明から明け方の東の空に、明るい惑星が2つ見えています。赤っぽい色で輝く火星と、火星より低いところで眩しいほど明るく輝く木星です。このうち火星は「かに座」の領域にあり、1か月かけて西の端から東の端まで横断していきます。そしてその途中で、「かに座」の領域の中央に広がる星の集団「プレセペ星団」を通り過ぎます。

未明の東の空で火星がプレセペ星団に近づいていく様子の星図

10月6日から18日まで2日ごとの、3時の東の空の様子(場所は東京)。円は双眼鏡で見たイメージ(視野6度)

プレセペ星団は、空の条件が良ければ肉眼で見えるくらい明るい星団ですが、観察には双眼鏡を使うと良いでしょう。12日前後に火星に双眼鏡を向ければ、その近くに10個程度の星が集まっている様子がわかります。11~13日は火星がプレセペ星団に入り込み、星団の一部になったように見えます。

ちょうど新月期で月明かりの影響もないので、空の暗いところでは見事な眺めを楽しめそうです。少し街明かりがあっても共演の様子は見えるので、ぜひ双眼鏡で観察してみましょう。また、火星の動きに伴って、火星と木星の間隔が1か月の間にどんどん小さくなっていきます。この変化も追ってみましょう。夜遅く(あるいは朝早く)の現象ですが、ちょっと頑張ってご覧ください。

22日ごろ オリオン座流星群

一年のうちのある決まった期間に、ある点を中心として流れ星が飛んでくる現象を流星群と呼びます。8月中旬のペルセウス座流星群や12月中旬のふたご座流星群は1時間あたり数十個の流れ星が見えることもある、活発な流星群として有名です。

10月下旬にはオリオン座流星群が活動のピークを迎えます。1時間あたりの流星数は10個程度とそれほど多くありませんが、「オリオン座」の知名度が高いため注目されがちな天文現象です。今年は22日ごろに最も活動が活発になると予想されています。

10月22日3時ごろの空とオリオン座流星群の放射点

10月22日3時ごろの空の様子(場所の設定は東京)。流れ星は放射点(「オリオン座」の方向)を中心とした空全体に飛ぶように見える

見やすい時間帯は0時~4時ごろです。流れ星は「オリオン座」の方向だけでなく、空のあちこちに飛びます。なるべく広い範囲を眺めましょう。時間帯によっては西の空に月があるので、そこから離れた方向を中心にすると流れ星が見やすくなります。しっかり防寒の備えをして、冬の星座たちや火星、木星を眺めながら、流れ星を待ちましょう。

今月の星座

みなみのうお座、つる座

10月中旬の夜21時ごろ、頭の真上あたりに「秋の四辺形」が見えています。この四辺形の西側の辺(南を正面として右側の辺)を南の地平線に向けて伸ばしていくと、南の空の低いところに1つ、他よりも明るく輝く星が見つかります(ページ上部「10月の星空」の星図参照)。これが「みなみのうお座」を見つける目印となる1等星のフォーマルハウトです。「秋のひとつぼし」「南のひとつぼし」という和名もあります。

「みなみのうお座」と「つる座」の星図

「みなみのうお座」「つる座」

フォーマルハウトは魚の口に当たる位置にあり、そこから右(西)の星々をつなぐと魚の姿が描けます。とはいえ、フォーマルハウト以外の星は暗いので、イメージするのは少し難しいかもしれません。星座の絵を見るとお腹を上にしてひっくり返っていて、「みなみのうお座」の上(北)にある「みずがめ座」から注がれるお酒を飲んで酔ったのだ、という小話が語られることもあります。

さて、このフォーマルハウトが真南の空に見えるころ、さらに低いところに「つる座」も姿を見せています。左右に並ぶアルナイルとティアキは2等星で、空の条件が良ければ肉眼で簡単に見つけられますが、街明かりや大気の影響で見えにくいこともあります。双眼鏡などでこの2つの星を探し、そこから星座の全体像をイメージしてみてください。良い空に恵まれれば、長く伸びた鶴の首の星々まで見えるでしょう。

系外惑星を持つ星々

夜空に輝く星のなかには、太陽と同じようにその周りに惑星が存在するものが多数あります。これらは太陽系以外の惑星ということで「系外惑星」と呼ばれ、現時点では5000個近い恒星に対して約6500個の系外惑星が発見されています。

星図中の緑の矢印のあたりに光る星には、4日~50日周期で公転する4個の系外惑星が見つかっています。太陽系からこの星までの距離は約11光年、つまり光や電波が11年で届くということです。もし文明が存在すれば往復約20年で通信できる可能性があります。また、赤の矢印のあたりに光る16光年彼方の星にも、公転周期が約10年の系外惑星が見つかっています。

以前はフォーマルハウト(25光年)にも惑星が存在するという観測成果があり、その惑星には公募で「ダゴン」という名前が付けられました。しかし現在ダゴンは見失われていて、実在するかどうかははっきりしていません。

こうした系外惑星の探査や太陽系外生命・文明の可能性の研究は、太陽系や地球の生命について深く知ることにもつながります。秋の夜長に星空を眺めながら、学術の世界にも思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は10月中旬の深夜1時ごろの星空です。11月中旬の深夜23時ごろ、12月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります/惑星は少し動きます)。

10月中旬 深夜1時ごろの星空の全天図

2026年10月中旬 深夜1時ごろの星空

真夜中を過ぎても土星は高く輝き、明るい星が少ないエリアのなかでよく目立ちます。

土星の一人舞台といった感のある西の空とは打って変わって、東の空は明るい星が多くにぎやかです。「オリオン座」など冬の星座が姿を見せ、低空ながら火星や木星も見え始めました。星々の色や明るさの違いにも注目してみましょう。

寒さを感じる夜がだんだんと増えてきます。暖かい服装で星空観察をお楽しみください。

星空観察と撮影のポイント

星座や惑星、流星群などの天文現象の観察や撮影は、コツを押さえるとただ眺めるよりも広く深く楽しむことができます。
ここでは、天体の探し方からおすすめの撮影機材やテクニックまで、星空を楽しむうえで知っておきたいポイントをご紹介します。
カメラや双眼鏡を持って、美しい夜空に会いにいきましょう!

星空観察と撮影のポイント