2026年8月の星空
お盆休みのころに活動が見られるペルセウス座流星群、今年は月明かりゼロの好条件で期待が高まります。どこでどんなふうに観察するか、計画を立てるのも楽しみですね。流れ星を待ちながら、天の川や星座を眺めたり、望遠鏡で美しい天体を探したりもしてみましょう。
星空写真
愛知県田原市 伊良湖岬灯台にて
伊良湖岬から見渡す太平洋に、さそり座からたて座、いて座、わし座、や座、こぎつね座をともなった夏の天の川が昇ってきました。新装された伊良湖岬灯台が鎮座し、良いアクセントです。夜の風も気持ち良い季節になりました。

2025年7月24日 20時51分
ニコン Z5II+NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S(14mm、ISO5000、露出15秒×16枚を合成、f/2.8)
撮影者:石橋 直樹
8月の星空
南の空

2026年8月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(20日)、満月(28日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。
北の空

2026年8月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
天文カレンダー
| 2日(日) | 水星が西方最大離角(未明から明け方、東北東の低空に見えます) |
|---|---|
| 3日(月) | 深夜~翌4日明け方、月と土星が並ぶ |
6日(木)![]() |
下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります) |
| 7日(金) | 立秋(こよみの上で秋の始まり) 未明~明け方、月とプレアデス星団が並ぶ |
| 8日(土) | 未明、月とプレアデス星団が並ぶ |
| 9日(日) | 未明~明け方、細い月と火星が並ぶ |
| 11日(火) | 未明~明け方、細い月とポルックスが接近 |
| 12日(水) | 明け方、細い月と水星、木星が接近 |
13日(木)![]() |
新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります) アイスランド、スペインなどで皆既日食(皆既食となるのは日本時間2時45分~3時30分ごろ) ペルセウス座流星群の活動がピーク( 「今月の星さがし」 で解説) |
| 15日(土) | 金星が東方最大離角(夕方から宵、西南西の低空に見えます) |
| 16日(日) | このころ、明け方に水星と木星が大接近 夕方~宵、細い月と金星が接近( 「今月の星さがし」 で解説) |
| 17日(月) | 夕方~宵、月とスピカが接近 |
| 19日(水) | 伝統的七夕( 「今月の星さがし」 で解説) |
20日(木)![]() |
上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む) |
| 21日(金) | 夕方~深夜、月とアンタレスが接近 |
28日(金)![]() |
満月。次の満月は9月27日です 北アメリカ東部、中央・南アメリカなどで部分月食 |
8月の惑星
中旬まで、明け方の東北東の空に見えます。日の出45分前(5日の場合、東京で4時5分ごろ)の高度は8度ほどとかなり低く、観察の難度はやや高めです。スマートフォンの星図アプリなどで位置をよく確かめて、見晴らしの良い場所で探しましょう。0等級前後と明るいので肉眼でも見えますが、双眼鏡を使うと見つけやすくなります。
12日に新月前の細い月と接近して見えます。また、16日前後に木星と大接近します。
「宵の明星」として、夕方から宵の西南西の空に見えます。日の入り30分後(15日の場合、東京で19時ごろ)の高度は約15度と低めですが、とても明るいおかげで、視界さえ開けていればすぐに見つけられるでしょう。
16日に月齢4の細い月と接近して見えます。
「おうし座」から「ふたご座」へと移動していきます。1時ごろ昇ってきて、日の出1時間前(4時ごろ)に東の空に見えます(15日、東京の場合)。明るさは1.3等級です。
肉眼ではっきり見え、特徴的な赤い色がよくわかります。同じ東天に「おうし座」の1等星アルデバランや「オリオン座」の1等星ベテルギウスといった赤っぽい星があるので、色や明るさを見比べてみましょう。見かけサイズが小さいので、天体望遠鏡での観察にはあまり向きません。
9日の未明から明け方、月齢25の細い月と並んで見えます。
明け方の東北東の低空に見えますが、日の出30分前(15日の場合、東京で4時30分ごろ)の高度は5度ほどととても低く、観察は難しいでしょう。マイナス2等級と明るいので、地平線まで見晴らしが良い場所であれば肉眼で見つけられます。
12日に新月前の細い月と接近して見えます。また、16日前後に水星と大接近します。
「うお座」にあります。21時ごろに昇ってきて、1時ごろに南東の空に見えます(15日、東京の場合)。明るさは約0.5等級です。
この秋の主役になる天体ですが、今月はまだ、深夜になるまでは低めです。夜遅くまで起きている機会があれば、高くなるのを待って天体望遠鏡で環を観察してみましょう。肉眼や双眼鏡では、3日深夜から4日明け方に下弦前の月と並ぶ光景を眺めてみてください。
今月の星さがし
12~13日を中心にペルセウス座流星群、16日の宵に細い月と金星の共演、19日に伝統的七夕と、中旬に天文イベントが目白押しです。とくに流星群は月明かりがない好条件で、多くの流れ星が見られそうです。
12~13日、ペルセウス座流星群の活動がピーク
毎年8月13日ごろに活動がピークとなるペルセウス座流星群は、夏の定番の天文現象です。条件が良ければ1時間あたり数十個の流れ星が見られる、一年のうちでも指折りのおすすめ流星群です。夏休みシーズンであることや、寒くないので見やすいこと、毎年安定して活動が見られることも嬉しいポイントです。速く明るい流星が多いおかげで見応えがあり、流れ星が飛んだあとに煙のような「流星痕」が見えることもあって、印象に残りやすい点も高評価です。
今年ペルセウス座流星群の活動が最も活発になるのは13日のお昼ごろと予想されていますので、実際に見やすいのはその夜明け前、12日深夜から13日明け方にかけての時間帯が一番の見ごろになります。明け方になるほどピーク時刻に近づき、放射点(流れ星が飛ぶ中心点)が高くなって数が増えるという効果も加わって、いっそう見やすくなるでしょう。
普段の星空観察と同様に、流れ星観察でも暗い夜空のほうが見やすくなります。とくに今年は13日が新月なので、月明かりの影響がまったくありません。この好条件のおかげで、多くの流れ星が見られそうです。街明かりもなく、視界がよく開けているところであれば、1時間あたり30~50個くらいは期待できるでしょう。街明かりがあったり視界が一部遮られていたりしても、10~15個は見えそうです。また、ピークよりは流星数が少なくなりますが、前後数日間にもチャンスはありますので、13日は曇りそう、休めない、という場合でも空を見上げてみてください。
流れ星観察の重要なポイントは、空を広く見渡すことです。流れ星は「ペルセウス座」の方向だけでなく、空のあちこちに飛び、方角も高さもバラバラです。したがって、なるべく広い範囲を眺めることが大切です。見える範囲が狭くなる双眼鏡や天体望遠鏡は必要ありません。ゆったりとした気持ちで、肉眼で空を見上げてみてください。もし街灯などがある場合は、背を向けるなどして光を直接目に入れないようにすると、眩しさが軽減されて見やすくなります。また、観察を始めてすぐに飛ぶとは限らないので、少し気長に流れ星を待ちましょう。
虫よけや防寒(高原などでは意外と冷えます)の準備、安全やマナーへの配慮などもお忘れなく。多くの明るい流れ星を目にするという、良い思い出ができますように。
ちなみに、13日3時ごろは、アイスランドやスペインなどで皆既日食が起こっている時間帯です。流れ星観察の合間に、インターネットで日食中継もお楽しみください。
16日の宵、細い月と金星が接近
春先から夕方の西の空に見えている「宵の明星」の金星が、今月も明るい輝きを放っています。15日に金星は「東方最大離角」という状態になり、太陽から(見かけ上)最も離れます。今回の場合は約46度離れます。
一般的に最大離角のころは日の入り(明け方であれば日の出)時の高度が高くなるので、観察しやすいタイミングです。とくに水星の場合は最大離角の前後1週間ほどしか観察のチャンスがないので重要ですが(その代わり、年に6回ほど最大離角があります)、金星の場合は数か月間は見えているので、最大離角を強く意識することはあまりありません。

8月16日 日の入り45分後の西南西の空の様子(場所は東京)。大きい円は双眼鏡で見たイメージ(視野6度)、小さい円はさらに拡大のイメージ(正立像)で、月の拡大像の中にある赤い円の大きさが、金星の拡大像の円と同じ
この金星の近くに、16日の夕方から宵にかけて月齢4の細い月がやってきます。どちらも明るい天体なので、建物などに隠されなければ街中でも見つけられます。旅行先や帰省先で目にするという方もいらっしゃるかもしれませんね。旅先の風景と一緒に撮影すると良い思い出になるでしょう。
もし天体望遠鏡があれば、月だけでなく金星にも向けてみてください。半月状に欠けていることがわかります。地球と金星、太陽との位置関係によって金星は満ち欠けし、見かけサイズも変わります。最大離角のころは半月状ですが、これから秋に向かってだんだん細くなり、見かけサイズは大きくなっていきます。意欲のある方はぜひ変化を追いかけてみてください。
19日は伝統的七夕
七夕は古くからの行事で、もともとは旧暦の7月7日に行われていました。そこで、この旧暦7月7日(※)を「伝統的七夕」と呼び、天文行事として親しまれています。伝統的七夕の日は毎年日付が変わり、今年の場合は8月19日です。
※旧暦は現在公的には使われていないため、伝統的七夕の日は「太陽太陰暦と同じような方法で求めた7月7日に近い日」として、太陽の位置や月の満ち欠けをもとにして決められます。

伝統的七夕の8月19日と新暦七夕の7月7日、旧暦の7月1日にあたる8月13日の、夜21時の空(場所の設定は東京)。7月7日には地平線(図の円周)に近いベガとアルタイルが、8月19日には天頂(図の中心)付近まで高く昇ることがわかる。
また、8月13日は新月で月明かりがないので、この前後の日は天の川が見やすい
例年7月7日は多くの地域で梅雨の真っ最中のため、織り姫星(「こと座」のベガ)と彦星(「わし座」のアルタイル)が見えないことも少なくありません。一方、伝統的七夕のころには梅雨も明けているので、晴れた夜空が見られる確率が高くなります。また、旧暦では1日が新月なので、その6日後となる旧暦7日は必ず上弦のころになります。南西の空に見える半月が沈むと、空が暗いところではベガとアルタイルの間に天の川も見えるでしょう。
7月7日の七夕にはイベント的な楽しみや宇宙に親しむきっかけとしての意味合いがあり、伝統的七夕には古くからの人と宇宙のつながりを感じたり暗い星空に思いを馳せたりという良さがあります。伝統的七夕の夜にもぜひ、織り姫星と彦星を見上げてみてください。
今月の星座
こぎつね座、や座
「こぎつね座」「や座」は8月中旬の夜21時ごろに南の空の高いところに見える星座です。小さく暗く、マイナーな存在ですが、それだけに探しがいもあり、見つけられると嬉しい星座です。
「や座」の広さは全天88星座のうち86位と非常に小さく、「こぎつね座」も55位なのでかなり小さめです。さらに、どちらの星座も3.5等級より暗い星しかないので、街明かりがある場所ではほとんど見えません。
一方、「夏の大三角」が目印になるので、位置の見当をつけるのは簡単です。夏の大三角の内側、「わし座」の1等星アルタイルの辺りを眺めれば、星が見えなくても星座があることは想像できるでしょう。
双眼鏡で観察すると「や座」は視野内にちょうど収まり、バランスの良い矢の形を確かめられます。「こぎつね座」のほうは、星の並びから狐の姿を想像するのは難しいかもしれません。星座の形をたどるというよりは「闇にまぎれて獲物を狙う狐」をイメージしてみましょう。
コートハンガー
「こぎつね座」と「や座」との境界付近には、双眼鏡や天体望遠鏡で観察すると面白い天体がいくつかあります。その一つが「コートハンガー」と呼ばれる星の並びで、まさしくハンガーのような形に見えます。アルタイルとベガの間、ややアルタイル寄りのところに双眼鏡を向けると見つけられますので、「や座」と一緒に探してみてください。
あれい星雲
「あれい星雲」は、鉄亜鈴のように見えることからその名が付けられた天体です。蝶やリボンなど、いろいろなものを想像させる形ですね。メシエカタログという天体カタログの27番目に収録されていることからM27という番号でも呼ばれます。その正体は「惑星状星雲」と呼ばれるタイプの天体で、星から放出された物質が紫外線に照らされて光って見えているものです。
星図中の画像は天体写真を元にしたもので、望遠鏡を使っても眼視ではこのとおりには見えませんが、空の条件の良いところで観察すると白っぽく淡い広がりがわかります。撮影対象としても大人気で、インターネットに多数の画像が掲載されています。検索して美しい姿をお楽しみください。
真夜中の星空
夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。
図は8月中旬の深夜1時ごろの星空です。9月中旬の深夜23時ごろ、10月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(惑星は少し動きます)。
「夏の大三角」が西の空へと移りました。今月ご紹介した「や座」は、図では左向きに見えますが、夏の大三角がある西を正面にして空を眺める(図を時計回りに90度回転させる)と矢が上向きに見えます。天頂めがけて飛んでいくようで、勢いが感じられます。
その矢が飛んでいく頭の真上近くには、秋を代表する星の並び「秋の四辺形」が広がっています。そこから視線を南から南東へ下げていくと、土星や「みなみのうお座」の1等星フォーマルハウトが見つかります。明るい星が少ないエリアでこの2星は目立つでしょう。
明るく目立つ星から、小さい星座や天の川まで、夜空に広がる様々な名所をお楽しみください。暑さや疲れなど、体調管理にはお気をつけて。











