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2026年7月の星空

毎年この時季は星空観察が難しくなりますが、だからこそ月や星々が見えたときの喜びもひとしおです。久しぶりに空を見上げると星座が大きく動いていて、少し驚くこともありそうです。七夕の星や宵の明星など、身近な空を気軽に楽しみましょう。

星空写真

群馬県 渋峠にて
マジックアワーのグラデーションの中で輝く真夏のオリオン座を、星の軌跡表現でとらえました。3か月ぶりに見るオリオン座は饒舌に語りかけてくるように感じられ、心揺さぶられるひと時でした。

2025年7月26日 3時27分
ニコン Z6II+NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S(55mm、ISO400、露出30秒×20枚を合成、f/4.0)
撮影者:高岡 誠一

7月の星空

南の空

南の空

2026年7月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(21日)、満月(29日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2026年7月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

4日(土) このころ、未明~明け方に火星と天王星が大接近
7日(火) 七夕( 「今月の星さがし」 で解説)
深夜~翌8日明け方、月と土星が並ぶ
8日(水) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
9日(木) このころ、夕方~宵に金星とレグルスが大接近( 「今月の星さがし」 で解説)
11日(土) 未明~明け方、細い月とプレアデス星団が大接近
12日(日) 未明~明け方、細い月と火星が並ぶ
13日(月) このころ、未明~明け方に火星とアルデバランが並ぶ
14日(火) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
17日(金) 夕方~宵、細い月と金星が接近( 「今月の星さがし」 で解説)
夕方~宵、細い月とレグルスが並ぶ
21日(火) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~深夜、月とスピカが並ぶ
24日(金) 夕方~深夜、月とアンタレスが接近
25日(土) 夕方~宵、月とアンタレスが並ぶ
29日(水) 満月。次の満月は8月28日です

7月の惑星

水星

月末に、明け方の東北東の空に見えます。日の出45分前後(30日の場合、東京で4時ごろ)の高度は6度ほどとかなり低く、目印になる天体もないので、観察の難度はやや高めです。スマートフォンの星図アプリなどで位置をよく確かめて、見晴らしの良い場所で探しましょう。肉眼でも見えますが、双眼鏡を使うと見つけやすくなります。

金星

「宵の明星」として、夕方から宵の西の空に見えます。日の入り30分後(15日の場合、東京で19時30分ごろ)の高度は約20度で、やや低めですが見やすい高さです。時間が進むとさらに低くなりますが、空が暗くなるので金星の輝きが強く感じられるようになり、まさしく「明星」だと思えるでしょう。

9日ごろに「しし座」の1等星レグルスと大接近します。また、17日の夕方から宵に月齢3の細い月と接近して見えます。「今月の星さがし」を参考に、観察や撮影をお楽しみください。

火星

「おうし座」にあり、未明から明け方に東北東の空に見えます。日の出1時間前(15日の場合、東京で3時35分ごろ)の高さは約20度でやや低めですが、およそ1.3等級と明るく、肉眼ではっきり見えます。見かけサイズが小さいので、天体望遠鏡での観察にはあまり向きません。

月の初めに天王星と大接近します。双眼鏡を使うと見えますが、難度は高めです。星図ソフトなどで位置をよく確かめて探しましょう。また、上旬には「おうし座」のプレアデス星団(すばる)の近くを通り、中旬には「おうし座」の1等星アルデバランと並んで見えます。とくに火星とアルデバランの「赤い星の共演」は面白い眺めになるでしょう。肉眼や双眼鏡でお楽しみください。12日には月齢27の細い月も近づいてきます。

木星

太陽に近く、観察は困難です。8月下旬ごろから、明け方の東北東の低空に見えるようになります。

土星

「うお座」にあります。23時ごろに昇ってきて、3時ごろに南東の空に見えます。明るさは約0.7等級です。

まだ見やすい時間帯とはいえませんが、天体望遠鏡で環を観察してみましょう。肉眼や双眼鏡では、7日深夜から8日明け方にかけて下弦の半月と並ぶ光景が楽しめます。

今月の星さがし

夕空で沈んでいく「しし座」のレグルスに金星が大接近します。細い月との共演もあり、今月も宵の明星が見ものです。

七夕

7月7日は七夕。秋のお月見とともに、日本で古くから人々に親しまれている天文行事です。七夕伝説では一年に一度この日だけ、「織り姫星(織女星:しょくじょせい)」と「彦星(牽牛星:けんぎゅうせい)」が川を渡って会うことを許されています。伝説に登場する「織り姫星」は「こと座」のベガ、「彦星」は「わし座」のアルタイルという星です。

ベガとアルタイルは「夏の大三角」と呼ばれる星の並びを形作っています。宵のころに東の空に見える3つの明るい星のうち、一番高く一番明るいのがベガ、ベガから右下に離れたところにあるのがアルタイルです。ベガの左下にあるもう一つの星は「はくちょう座」の1等星デネブで、この3つの星で夏の大三角です。3つとも1等星なので、街中からでも見つけられるでしょう。

7月7日 夜21時の東の空の様子(場所の設定は東京)。街中でも織り姫星ベガと彦星アルタイルは見つけられる

多くの地域では7月7日は梅雨の真っ最中なので、当夜は晴れていないかもしれませんが、織り姫星と彦星は七夕以外の日にも見えます。晴れた夜には空を見上げ、2つの星や夏の大三角を探してみてください。日付や時刻が変わると3つの星の高さや位置関係が異なって見えることがありますが、「3つのうち一番明るいのがベガ、ベガから遠く2番目に明るいのがアルタイル、ベガに近く一番暗いのがデネブ」と覚えるとわかりやすいでしょう。

また、空の条件が良ければ、夏の大三角と重なるように流れる天の川も見えるかもしれません。七夕伝説では、織り姫星と彦星は川の反対岸にいることになっていますが、実際の空でもベガとアルタイルの間に天の川、という位置関係です。天の川も、七夕以外の日にももちろん見られます。良い空に恵まれたら眺めてみてください。

旧暦に基づいた「伝統的七夕」(日付は毎年変わり、今年は8月19日)のころには梅雨が明けて晴れることが多いので、織り姫星と彦星がさらに見つけやすくなります。七夕から伝統的七夕までの約1か月半の間、とくに意識してこれらの星たちを見上げてお楽しみください。

金星とレグルスが大接近、17日には細い月も

3月ごろから夕方の西の空で明るく輝いている、「宵の明星」の金星。今月も比較的見やすい高さにあり、目を引く存在です。雲が多い時季ですが、低空まで晴れていれば21時を過ぎてもまだ見ることができ、夕方だけでなく意外と遅い時間帯まで金星が見えることに新鮮さを感じられるかもしれません。

今月の金星は「しし座」の中を動いていきます。その途中、9日から10日にかけて、ライオンの心臓にあたる位置にあるレグルスと大接近します。レグルスも1等星と明るい星ですが、金星のほうはマイナス4等級と圧倒的で、150倍もの明るさの差があります。この時期には「いつも以上に輝くハート」を持つライオンの姿を想像できそうです。

7月5日から17日まで2日ごとの、日の入り1時間後の西の空の様子(場所は東京)。円は双眼鏡で見たイメージ(視野6度)

また、17日には細い月と金星が並ぶ、とても美しい光景も見られます。肉眼で広く眺める、双眼鏡で2天体を切り取る、地上風景を入れて撮影する、天体望遠鏡でそれぞれを拡大するなど、様々な楽しみ方ができます。とくに広く眺めるときには、空の変化にも注意してみてください。色と明るさが刻一刻と変わっていく空のなかで月と金星が並ぶ様子は必見です。月と金星が並ぶ現象は頻繁に起こりそうにも思いますが、実際には月に1回だけ、今シーズン(夕空)では今回を入れてあと3回しかチャンスはありません。雲間に姿を現す可能性もありますので、あきらめずにぜひご覧ください。

今月の星座

ヘルクレス座

「ヘルクレス座」は7月中旬の夜21時ごろに頭の真上に広がる星座です。全天88星座のうち5番目に広いのですが、3等級より暗い星しかないので、街中で見つけるのは少し難しいかもしれません。

「ヘルクレス座」(星団の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

「ヘルクレス座」を見つける目印となるのは、「うしかい座」のアルクトゥールスと「こと座」のベガという2つの1等星です。この2つの間あたりに広がる、アルファベットのHの字のような星の並びを探しましょう。図にあるラスアルゲティ、コルネフォロス、ティエンジーはどれも同じくらいの明るさの3等星ですので、1つ見つかれば3つとも見えるはずです。

ギリシャ神話に登場する、怪物退治など12の冒険を成し遂げた英雄ヘルクレス(ヘラクレス)がモデルです。彼が戦った相手なども「しし座」「うみへび座」「かに座」「りゅう座」といった星座になっています。大活躍した英雄の功績に比べると目立たない星座ですが、天頂から地上を見下ろす姿は堂々たるものです。ぜひ全身をたどってみてください。

ラスアルゲティ

ヘルクレスの頭の位置にある3等星ラスアルゲティ(「ひざまずく者」という意味の言葉に由来)は、太陽の約800倍もの大きさを持つ巨大な星です。赤っぽい色をしていて、隣に並ぶ「へびつかい座」の白い2等星ラスアルハゲとの対比は美しい眺めです。双眼鏡を使って観察すると色がわかりやすくなるでしょう。

また、ラスアルゲティを天体望遠鏡で観察すると二重星であることもわかります。

球状星団M13

「ヘルクレス座」の右腰あたりには有名な球状星団M13があります(Mはカタログの符号)。

球状星団とは、数万~数十万個の星々が球状に集まった天体です。M13はその中でも大きく明るいもので、空の条件が良ければ肉眼でも存在がわかるほどです。頭の真上に昇ったころであれば、街中からでも双眼鏡でボンヤリとした小さな丸い姿が見つけられるでしょう。天体望遠鏡で観察すれば、さらに壮観です。星図を参考にして、ぜひ見つけ出してみてください。

約50年前、このM13に向けて電波望遠鏡でメッセージが送信されました。もしかすると地球外知的生命体がこのメッセージを受け取って返事をしてくれるかもしれませんが、M13までは約2万5000光年離れている(=電波が届くまでに2万5000年かかる)ので、返事が届くのは早くても5万年先の話になります。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は7月中旬の深夜1時ごろの星空です。8月中旬の深夜23時ごろ、9月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります。

2026年7月中旬 深夜1時ごろの星空

織り姫星ベガと彦星アルタイルが空の高いところに見えます。街明かりや月明かりがなければ、七夕伝説のとおり、二人の間に天の川も見えるはずです。

南東から東の空には秋の星座が昇ってきています。明るい星が少ない領域ですが、「みなみのうお座」の1等星フォーマルハウトと、「うお座」の領域にある土星は目立ちます。土星の本格的な見ごろは秋以降ですが、夏の深夜に一足先に観察するのも良いでしょう。

まだ梅雨が明けていない地方もありそうですが、晴れた夜には5分だけでも星空を見上げてみてはいかがでしょうか。

星空観察と撮影のポイント

星座や惑星、流星群などの天文現象の観察や撮影は、コツを抑えるとただ眺めるよりも広く深く楽しむことができます。
ここでは、天体の探し方からおすすめの撮影機材やテクニックまで、星空を楽しむうえで知っておきたいポイントをご紹介します。
カメラや双眼鏡を持って、美しい夜空に会いにいきましょう!

星空観察と撮影のポイント