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2026年5月の星空

19日と20日に、細い月が金星、木星に寄り添います。薫風を感じながら美しい夕景を楽しみましょう。月はアルテミスIIミッションでも話題です。空がすっかり暗くなると南の空に春の大三角が広がり、おとめ座やうしかい座などが見ごろです。

星空写真

群馬県 嬬恋牧場にて
浅間山を前景に、「ケンタウルス座」のオメガ星団が南中したところを200mmで切り取りました。浅間山と組み合わせることで星団が際立ち、心が揺さぶられる作品に仕上がりました。

2023年3月20日 1時11分
ニコン Z9+NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S(200mm、ISO12800、露出5秒×2枚を合成、f/2.8)
撮影者:高岡 誠一

5月の星空

南の空

南の空

2026年5月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(23日)、満月(2日(てんびん座)/31日(さそり座))の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2026年5月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

1日(金) (前日夕方~)未明、月とスピカが接近
2日(土) 満月。次の満月は5月31日です
このころ、夕方~宵に金星とアルデバランが並ぶ
3日(日) 宵~翌4日明け方、月とアンタレスが接近
4日(月) 宵~翌5日未明、月とアンタレスが並ぶ
5日(火) 立夏(こよみの上で夏の始まり)
6日(水) みずがめ座η座流星群の活動がピーク( 「今月の星さがし」 で解説)
10日(日) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
14日(木) 未明~明け方、細い月と土星が接近( 「今月の星さがし」 で解説)
15日(金) 明け方、細い月と火星が接近
17日(日) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
18日(月) 宵、細い月と金星がやや離れて並ぶ
19日(火) 夕方~宵、細い月と金星が接近( 「今月の星さがし」 で解説)
20日(水) 夕方~深夜、細い月と木星が接近( 「今月の星さがし」 で解説)
宵~深夜、細い月とポルックスが接近
21日(木) 夕方~深夜、月とプレセペ星団が接近
23日(土) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~深夜、月とレグルスが大接近
27日(水) 夕方~翌28日未明、月とスピカが接近
29日(金) このころ、夕方~宵に木星とポルックスが並ぶ
31日(日) 満月。次の満月は6月30日です
宵~翌6月1日明け方、月とアンタレスが大接近

5月の惑星

水星

下旬に夕方の西北西の空に見えます。日の入り45分後(30日の場合、東京で19時35分ごろ)の高度は約7度と低いため、見晴らしの良い場所で探してみてください。水星の左上に見える金星が目印になります。肉眼でも見えますが、双眼鏡を使うと見つけやすいでしょう。

金星

「宵の明星」として、夕方から宵の西の低空に見えます。日の入り30分後(15日の場合、東京で19時10分ごろ)の高度は約20度でやや低めですが、金星は明るいので、建物などに隠されていなければ簡単に見つかります。空が暗くなっていくと金星の輝きが増し、まさに明星という存在感を楽しめます。

19日の夕方から宵に、月齢3の三日月と接近します。

火星

中旬ごろから、明け方の東の空に見えますが、日の出1時間前(25日の場合、東京で3時30分ごろ)の高さが約5度ととても低く、目を引くほど明るいわけでもないので、観察は困難です。スマートフォンの星図アプリなどで位置をよく確かめて、見晴らしの良い場所で探しましょう。低くて暗い(小さい)ため、天体望遠鏡での観察には向きません。

15日の明け方に月齢27の細い月と接近します。意欲のある方は早起きして観察にチャレンジしてみてください。

木星

「ふたご座」にあります。20時ごろ西の空に見え、23時ごろに沈みます。明るさは約マイナス2.0等級です。

観察シーズンの終盤です。望遠鏡で、縞模様やガリレオ衛星の見納めをしておきましょう。肉眼で「明るい星」として観察するだけなら、まだしばらくは楽しめます。金星と近づいていく様子(最接近は6月上旬)を確かめてみてください。

20日の夕方から深夜に、月齢4の細い月と接近します。肉眼や双眼鏡で眺めましょう。

土星

明け方の東の空に見えます。日の出1時間前(15日の場合、東京で3時35分ごろ)の高さは約10度とかなり低く、やや見づらいです。東の視界がよく開けたところで探しましょう。低いため、望遠鏡での観察には向いていません。

14日の明け方に月齢26の細い月と接近します。

今月の星さがし

細い月が金星、木星、土星と共演します。金星、木星との共演は宵空で見やすく、土星は明け方でやや難度高めですが、3回とも眺めたいものです。

6日と7日の未明~明け方、みずがめ座η流星群

みずがめ座η(エータ、イータ)流星群は、毎年ゴールデンウィークの終盤に活動がピークとなる流星群です。「みずがめ座」のη星付近を中心として、四方八方に流れ星が飛ぶように見えることから、このような名前が付いています。

今年は6日の18時ごろに計算上のピークを迎えると予想されていますが、これは日の入り前です。実際には空が暗く、流れ星が飛ぶ中心となる「放射点」が地平線上にある時間帯、つまり6日の未明から明け方(1時30分ごろから4時前ごろまで)と7日の未明から明け方が見やすいということになります。

5月7日3時30分ごろの空の様子(場所は東京)。流れ星は放射点が位置する東の空だけではなく、あちこちに飛びます

放射点や「みずがめ座」は東の低空にありますが、流れ星は空のどの方向、どの高さにも飛ぶ可能性があるので、なるべく広く空を見渡しましょう。とくに今年は月明かりの影響が大きいので、できるだけ月から離れた方向を中心にするのがお勧めです。

連休終わりに夜更かしや早起きをしたら、「他の日よりは流れ星が見られる可能性が少し高い」くらいの気楽さで、いつもよりちょっとだけ長めに空を見上げてみてはいかがでしょうか。

細い月と3惑星:14日 土星/19日 金星/20日 木星

今月から、夜明け前の空に土星が見えるようになってきました。とはいえ、空が明るくなり始めるころに東の空の低いところに光っているという状態なので、時間帯も高度も、天体望遠鏡でしっかり観察するのには適していません。当面は「土星が夜空に戻ってきた」ことを早起きして確かめる、といった楽しみ方になります。

そんななか、14日の未明から明け方に起こる細い月と土星の共演は見ておきたい現象です。高さと空の明るさのバランスを考えると、日の出45分前くらいが一番見やすいでしょう。これより早いと月と土星が建物などに隠されてしまう可能性が高くなり、これより遅いと空が明るくなって土星が見づらくなります。肉眼でも見えますが、双眼鏡を使うとより見やすいでしょう。空の色の変化も楽しめます。

5月14日 日の出45分前ごろの東の空の様子(場所は東京)。大きい円は双眼鏡で見たイメージ(視野6度)、小さい円は月の拡大図(正立像)

月と土星の左下のほうには火星もあり、翌15日の明け方にはさらに細くなった月が火星に近づきます。ただし、いっそう低くなるうえに火星は土星よりも暗いので、見るのかなり難しくなります。観察に挑戦する場合は、見晴らしの良い場所で、位置をよく確かめて、双眼鏡で探してみましょう(火星は月の右下になります)。

さて、月は17日に新月を迎え、その後は夕方の西の空へ回ります。そして新月2日後の19日は宵の明星の金星と三日月が、さらに翌日の20日は木星と細い月が、それぞれ美しい共演を見せます。金星も木星もとても明るく、高さや空の暗さ、時間帯の点でも見やすい現象です。地球の反射光で月の暗いほうがうっすら見える「地球照」もわかるかもしれません。撮影もしてみたいですね。

5月19日と20日の、それぞれ日の入り1時間後の西の空の様子(場所は東京)。木星の近くには「ふたご座」のポルックスとカストルも見える。共演はさらに遅い時間夜まで見えるが、遅くなるほど低くなる。大きい円は双眼鏡で見たイメージ(視野6度)、小さい円はさらに拡大のイメージ(正立像)で、月の拡大像の中にある赤い円の大きさが、木星の拡大像の円と同じ

月や金星、木星を望遠鏡で観察するのもおすすめです。月のクレーターや木星の縞模様、木星の周囲にあるガリレオ衛星などがよくわかります。金星については模様などは見えませんが、真ん丸ではないことがわかります。金星の見え方は地球、太陽との位置関係によって変わり、今後はだんだん細く、直径は大きくなっていきます。

月と惑星の接近現象は珍しいものではありませんが、気温や雲、木々や街の様子なども含めた情景として考えると、毎回異なった美しさや面白さが味わえます。とくに宵空の現象はご家族やお友達にもお勧めしやすいので、ぜひご一緒にご鑑賞ください。

今月の星座

ケンタウルス座、みなみじゅうじ座、おおかみ座

5月中旬の夜21時ごろ、南の空に「春の大三角」が大きく広がっています。そのずっと下のほう、地平線近くに広がるのが「ケンタウルス座」と「おおかみ座」です。聞き慣れない名前かもしれませんが、「ケンタウルス座」は半人半馬のケンタウルスを描いた星座で、「おおかみ座」はケンタウルスの槍に突かれています。

さらに、ケンタウルスの後ろ足あたりには「南十字星」として知られている「みなみじゅうじ座」があります。

「ケンタウルス座」「みなみじゅうじ座」「おおかみ座」(NGC 5128とNGC 5139の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

本州あたりでは地平線に近く、ケンタウルス座の一部や南十字星はまったく見えませんが、沖縄や小笠原では5月の真夜中ごろ、南の地平線ギリギリのところにケンタウルスの足先や南十字星が昇ります。さらに南、シンガポールあたりでは多少見やすくなり、オーストラリアあたりまで南下すればほぼ一年中見ることができます。

「ケンタウルス座」や南十字星を見つける際に目印になるのは、ケンタウルスの2つの1等星、リギルケンタウルスとハダルです。明るいほうのリギルケンタウルスからハダルへと線を結んで延ばした先に、南十字星があります。実は南十字星のアクルックス(図で十字の下の星)とミモザ(左の星)も1等星なので、この付近には4つも1等星が集まっていて華やかです。ちなみに「みなみじゅうじ座」は、全天88星座の中で一番小さい(領域が狭い)星座です。

緑の線:各星座の領域(境界線)/オレンジの線:この線より上(北)の星が、札幌・東京・那覇のそれぞれで見られる。札幌ではω星団は見えない。東京ではω星団は低空に見えるがリギルケンタウルスや南十字星は見えない。那覇では非常に低空ではあるが南十字星が全部見える

リギルケンタウルス

「ケンタウルス座」の1等星リギルケンタウルスは、様々な点でとても興味深い星です。

まず、リギルケンタウルスを天体望遠鏡で観察すると、2つの1等星(0等級と1.4等級)に分離して見えます。公式には明るい0等級の星がリギルケンタウルスで、暗い1.4等級の星には「トリマン」という別の名前が付いています。つまり実は、「ケンタウルス座」にはハダルを含めて1等星が3つもあることになります。

次に、リギルケンタウルス&トリマンは、太陽系から最も近い恒星系です。最も近いといっても光の速さで4.3年ほどかかります(時速1000kmの飛行機なら約470万年かかります)。この恒星系にはもう1つ暗い星も含まれていて、この「プロキシマケンタウリ」という名前の星が太陽系に最も近い恒星です。距離は約4.2光年です。

さらに、プロキシマケンタウリにはその周りを回る惑星が見つかっています。太陽系の惑星以外で一番近くにある惑星ということになります。

ω星団、ケンタウルス座A電波源

「ω(オメガ)星団」(カタログ番号ではNGC 5139)は、数百万個もの恒星がボール状に集まった球状星団というタイプの天体です。空の条件が良ければ肉眼でも見えるほどの明るさと大きさ(見かけサイズは満月ほど)を誇ります。

また、NGC 5128というカタログ番号の天体は、中央を暗黒部が横切る姿が印象的な銀河です。非常に強力な電波を放っていることから「ケンタウルス座A電波源」という名前で呼ばれることもあります。双眼鏡でもボンヤリとした像が見えますが、天体望遠鏡や天体写真向けの対象です。

日本ではどちらも高く昇らないため見づらい天体ですが、南半球では必見です。インターネットの画像検索などで調べておいて、機会があればぜひ観察や撮影をお楽しみください。

コールサック、宝石箱星団

「みなみじゅうじ座」にもいくつか見どころがあります。まず1つ目は「コールサック(石炭袋)」という愛称が付けられた領域で、天の川の流れの中に、穴が開いたように見える部分です。星図(文字や線がないもの)の、アクルックスとミモザのすぐ左が不自然に暗くなっているのがわかるでしょうか。

コールサックの正体は、ガスや塵が濃く集まった暗黒星雲というタイプの天体です。背景の星の光を遮ってしまうので、まるで何もないように見えるというわけです。天の川が見えるくらい空の条件が良ければ、肉眼で簡単に存在がわかります。

2つ目の見どころは「宝石箱星団」(カタログ番号ではNGC 4755)という星の集団で、ミモザのすぐ隣にあります。観察には天体望遠鏡が必要ですが、星の配列や色、明るさのバランスがよく、まさに宝石箱と呼ぶにふさわしい美しさです。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は5月中旬の深夜1時ごろの星空です。6月中旬の深夜23時ごろ、7月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(惑星が見えることもあります)。

2026年5月中旬 深夜1時ごろの星空

「春の大曲線」や「春の大三角」が南から西の空へと移りました。西を向いて空を見上げる(図を時計回りに90度回転させて見る)と、春の大曲線が北西(右)から南西(左)へと大きな弧を描きます。北斗七星からアルクトゥールス、スピカとアーチをたどってみましょう。アルクトゥールスとスピカの色の対比も美しいものです。

南の空には「さそり座」のアンタレスの赤さが目立ちます。近くに「おおかみ座」の星もいくつか見えるかもしれません。また、東の空の高いところに「夏の大三角」が輝いています。アンタレスの赤い色と、大三角の星々の白い色も好対照です。天の川も見えるかもしれません。

月初めの連休で夜更かしの生活リズムになってしまった方は、深夜の星々を一目眺めてからぐっすりとお休みください。

星空観察と撮影のポイント

星座や惑星、流星群などの天文現象の観察や撮影は、コツを抑えるとただ眺めるよりも広く深く楽しむことができます。
ここでは、天体の探し方からおすすめの撮影機材やテクニックまで、星空を楽しむうえで知っておきたいポイントをご紹介します。
カメラや双眼鏡を持って、美しい夜空に会いにいきましょう!

星空観察と撮影のポイント