Nikon Imaging | Japan
ニコンイメージング会員の方は、5,000円(税込)以上のご購入で送料当社負担

2026年4月の星空

新生活が始まり、これまでとは違う場所から星空を見上げるという方もいらっしゃるでしょう。見晴らしの良いところや人工の明かりが少ないところ、お近くの科学館などをチェックしてみましょう。北の空に高く昇った北斗七星が、春の訪れを告げます。

星空写真

長野県阿智村にて
花桃で有名な長野県阿智村「花桃の里」に行ってきました。昼間は大混雑ですが夜も撮影されている方々が大勢いらっしゃいました。山間なので花桃が暗く、なかなか表現しにくいのですが、街灯などを利用してうまく撮影できました。北斗七星とカシオペヤ座、北極星など、北天の空に役者が揃っています。

2025年5月5日 3時02分
ニコン Z6III+NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S(14mm、ISO8000、露出12秒×8枚を合成、f/2.8)
撮影者:石橋 直樹

4月の星空

南の空

南の空

2026年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(24日)、満月(2日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2026年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

2日(木) 満月。次の満月は5月2日です
宵~翌3日明け方、月とスピカが接近
3日(金) 宵、月とスピカが並ぶ
4日(土) 水星が西方最大離角(明け方の東の低空に見えます)
6日(月) 深夜~翌7日明け方、月とアンタレスが大接近
10日(金) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
16日(木) 明け方、細い月と水星、火星が接近
17日(金) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
19日(日) 夕方~宵、細い月と金星、プレアデス星団が接近( 「今月の星さがし」 で解説)
22日(水) 深夜、月と木星が並ぶ
23日(木) 夕方~宵、月と木星が並ぶ
夕方~翌24日未明、月とポルックスが接近
24日(金) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~翌25日未明、月とプレセペ星団が大接近
このころ、夕方~宵に金星と天王星が大接近、金星とプレアデス星団が接近( 「今月の星さがし」 で解説)
25日(土) 深夜~翌26日未明、月とレグルスが並ぶ
26日(日) 夕方~深夜、月とレグルスが接近
30日(木) 夕方~翌5月1日深夜、月とスピカが接近

4月の惑星

水星

10日ごろまで明け方の東の低空に見えますが、日の出45分前(5日の場合、東京で4時35分ごろ)の高度は約3度しかないため、観察は難しいでしょう。スマートフォンの星座アプリなどで位置をよく確かめて、低空まで見晴らしの良い場所で探してみてください。双眼鏡を使うと見つけやすくなります。

金星

「宵の明星」として、夕方から宵の西の低空に見えます。日の入り30分後(15日の場合、東京で18時45分ごろ)の高度は約15度と低めですが、金星は明るいので、山や建物などに遮られていなければ簡単に見つかります。日の入り1時間後には約10度まで低くなりますが、空が暗くなるので、輝きがさらに強く見えるでしょう。

19日の夕方から宵に月齢2の細い三日月と接近します。また、24日ごろには「おうし座」のプレアデス星団や天王星とも接近します。「今月の星さがし」を参考にして、双眼鏡で共演をお楽しみください。

火星

太陽に近く、観察は困難です。5月中旬ごろから、明け方の東の低空に見えるようになります。

木星

「ふたご座」にあります。19時30分ごろ西の空の高いところに見え、0時30分ごろに沈みます。明るさは約マイナス2.1等級です。

冬に比べると地球との距離が広がった分だけ暗くなり、望遠鏡で見たときの大きさは小さくなりましたが、まだまだ見やすい時期です。春の空気感のなかで見る木星の輝きは落ち着いていて、鋭い光に感じられた冬とは印象も違いそうです。

22日の深夜に上弦前のやや細い月(月齢5)と並びます。また、翌23日の夕方から宵にも、少し太くなった月と木星が並びます。機会があれば天体望遠鏡で4つのガリレオ衛星や木星本体の縞模様も観察してみましょう。

土星

太陽に近く、観察は困難です。5月上旬ごろから、明け方の東の低空に見えるようになります。

今月の星さがし

今月は目立って大きな天文現象はありませんが、少しずつ高度を上げている金星が一つの見ものです。細い月やプレアデス星団と共演する光景は、とくに双眼鏡で美しく眺められます。

月と明るい惑星の共演:19日 金星/23日 木星

月は毎日、形を変えながら星々の間を動いていき、約27日で天球を一周します。その一周の間に、明るい1等星や惑星と並んで見えることがあり(「天文カレンダー」でご紹介しています)、目を引く光景になります。今月見やすいのは、19日夕方の「細い月と金星」と、23日夕方~宵の「月と木星」の共演です。

4月19日 日の入り1時間後の西北西の空の様子(場所の設定は東京)。大きい円は拡大イメージ(視野6度)、小さい円はさらに拡大のイメージ(正立像)

4月23日 夜21時の西の空の様子(場所の設定は東京)。並んでいる様子は夕方から深夜まで見られるが、時間によって方角と高さは変化する。大きい円は拡大イメージ(正立像)、小さい円はさらに拡大のイメージ(正立像)で、月の拡大像の中にある赤い円の大きさが、木星の拡大像の円と同じ

どちらの共演も、惑星のほうも明るいので見ごたえがあります。とくに19日は月の近くにプレアデス星団(すばる)もあり、3天体が並んでいる様子が楽しめます。肉眼でも見えますが、双眼鏡を使うと、月の暗いほうがうっすら見える様子やプレアデス星団の星々がさらによくわかり、いっそう美しく感じられるでしょう。月の暗いほうが見えるのは、地球で反射した太陽光が月を照らしていることによるもので「地球照」と呼ばれます。20時ごろにはかなり低くなるので、空が暗くなってきたら早めに観察しましょう。

また、23日の月と木星の共演では、天体望遠鏡でそれぞれを拡大して観察するのもおすすめです。望遠鏡は見える範囲が狭いので月と木星を同時に見ることはできませんが、代わりに天体像をズームアップして観察できるので、月のクレーターや木星の縞模様、木星の周囲にあるガリレオ衛星などがよくわかります。肉眼や双眼鏡では月と木星が並ぶ様子、望遠鏡では拡大像と、それぞれの見え方をお楽しみください。

24日ごろ、金星とプレアデス星団が接近

宵の明星の金星は、4月下旬には日の入り1時間後の高度が10度を越えるようになってきます。見やすい高さとは言えませんが、金星はとても明るいので、建物などの陰になっていなければすぐにわかります。

この金星が24日前後に、「おうし座」のプレアデス星団(すばる)と接近します。上でご案内した「19日:細い月と金星」の星図で月と金星の近くにプレアデス星団も描いていますが、この金星と星団がもっと近づくということです。

4月21日から27日までの、日の入り1時間後の西北西の空の様子(場所の設定は東京)。円は拡大イメージ(視野6度)。円内の矢印は天王星の位置を示す

金星とプレアデス星団が双眼鏡の同一視野に入るのは21日から27日ごろです。天体の高さと背景の空の明るさのバランスを考えると、見やすいのは日の入り1時間後くらいの時間帯です。肉眼では星団の星々は見づらいかもしれませんが、双眼鏡を使うと金星の右のほうに10個ほどの星が集まっている様子がわかります。金星と星団の、明るさのコントラストも面白いでしょう。

実は、金星とプレアデス星団の近くには天王星も並んでいます(図中の矢印の先にあります)。天王星の明るさは約6等級で、薄明中の空で見つけるのはやや難度が高めですが、双眼鏡なら見えるはずです。周りの星の配列と見比べながら、天王星も見つけてみてください。

今月の星座

おおぐま座、こぐま座

4月中旬の夜21時ごろ、北の空の高いところに、北極星を見つける目印として有名な「北斗七星」が昇っています。この北斗七星の星々を含むのが「おおぐま座」です。星図を見ると、北斗七星の水を汲む部分が熊の腰、柄の部分が尻尾にあたるのがわかります。

一方、北極星は「こぐま座」に含まれる星で、熊の尻尾の先で光っています。「こぐま座」の星々もひしゃくのような形に並んでいることから、「小柄杓(こびしゃく)」と呼ばれることもあります。

「おおぐま座」「こぐま座」(銀河の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

北斗七星の星々は2等級(真ん中のメグレズだけ3等級)、小柄杓のほうも北極星(ポラリス)とコカブは2等級です。街中からでも見つけやすいので探してみましょう。これらの星々を手掛かりにすると、熊の顔や足の部分も想像できるかもしれません。

「おおぐま座」は、日本からはほぼ一年中いつでも北の空のどこかに見えますが、宵のころに高く昇るのは今の時期です。一番高く昇ると、北斗七星は伏せたような角度になり、大熊は走り高跳びの背面跳びのような仰向けになります。同じころ、小熊のほうは地面に足をついているような角度で見えます。季節や時間帯によって、この角度は変わってきます。ギリシャ神話では親子とされている熊の姿を思い描いてみましょう。

ミザール&アルコル

北斗七星の柄の端から2番目の星、ミザールのすぐそばには、4等級のアルコルという星が寄り添っています。

古くから知られている二重星で、兵士の視力検査に使われたと言われています。視力が良い人なら肉眼で2つの星に分離して見えますが、アルコルは暗いので空の条件が良いことも大切です。双眼鏡を使えば見やすくなるでしょう。

天体望遠鏡を使うと、さらにもう1つ、アルコルとは別の星があることもわかります。お持ちの方は観察してみてください。

様々な銀河

M81とM82(Mはカタログの符号です)は、北斗七星の水を汲む部分の星、フェクダとドゥベを結んだ線を同じ長さほど延ばしたあたりに並んでいる銀河です。眼視ではぼんやりと見えるだけですが、撮影するとM81の美しい渦巻きとM82の葉巻のような不規則な形が好対照で、面白いペアです。

この2つの銀河は見かけ上たまたま並んでいるのではなく、実際に同じくらいの距離(約1200万光年)のところにあり、互いに重力的な影響を及ぼしあっています。その影響によってM82では激しい勢いで星が誕生し、重要な研究対象となっています。

一方、北斗七星の柄の先あたりにはM101という銀河があります。M81と同様に美しい渦巻きが特徴で、「回転花火銀河」という愛称があります。距離はおよそ1900万光年です。これも眼視では渦巻きの細かい様子までは見えませんが、天体写真では人気のターゲットです。

いずれも銀河としては明るく、空の条件の良いところなら双眼鏡や小型の天体望遠鏡で観察できます。光の速さで1000万年以上もかかるところにある天体の姿を目にできるチャンスですので、機会があればぜひ探しだしてみましょう。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は4月中旬の深夜1時ごろの星空です。5月中旬の深夜23時ごろ、6月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(惑星が見えることもあります)。

2026年4月中旬 深夜1時ごろの星空

北斗七星が真北から少し西に傾き、小柄杓は北天に真っすぐ立っています。北斗七星の柄のカーブを南へと延ばしていくと、頭の真上を通って「うしかい座」のアルクトゥールス、そしてスピカへと続く「春の大曲線」が描けます。足元に注意しながら、大きく伸びをして眺めてみましょう。

東の空には夏の星座たちも見え始めています。南東の空に赤く輝く「さそり座」のアンタレスや、東から北東に見える「夏の大三角」が目立ちます。アンタレスの赤と大三角の白、という色の違いも楽しめます。空が暗ければ、低いところに天の川もうっすらと見えるかもしれません。

だいぶ暖かくなり、深夜の星空観察もしやすくなってきました。春から夏へと移り変わる星空をお楽しみください。

星空観察と撮影のポイント

星座や惑星、流星群などの天文現象の観察や撮影は、コツを抑えるとただ眺めるよりも広く深く楽しむことができます。
ここでは、天体の探し方からおすすめの撮影機材やテクニックまで、星空を楽しむうえで知っておきたいポイントをご紹介します。
カメラや双眼鏡を持って、美しい夜空に会いにいきましょう!

星空観察と撮影のポイント