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2026年3月の星空

3日の夜に見られる皆既月食は今年最も注目の天文現象!時間帯も月の高さも好条件で、とても見やすい月食です。ひな祭りの日の夜空に浮かぶ、赤い満月を見上げましょう。星座の世界は冬から春へとバトンタッチの時季です。

星空写真

埼玉県熊谷市にて
2022年11月8日に見られた皆既月食の連続写真です。合計9枚を合成し、地球の影に対する月のおおよその動きを表現しました。

2022年11月8日 18時00分
ニコン Z9+AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR+TELECONVERTER TC-14E III(560mm、ISO200、露出(部分食)1/2000秒/(皆既食)各1秒、f/4.0)
撮影者:高岡 誠一

3月の星空

南の空

南の空

2026年3月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(26日)、満月(3日、月食中)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2026年3月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

2日(月) 夕方~翌3日明け方、月とレグルスが超大接近(20時~21時30分ごろ、レグルスが月に隠されます)
3日(火) 満月。次の満月は4月2日です
19時ごろから22時ごろにかけて、皆既月食(「今月の星さがし」で解説)
6日(金) 宵~翌7日未明、月とスピカが接近
8日(日) このころ、夕方に金星と土星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
11日(水) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
未明~明け方、月とアンタレスが接近
19日(木) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
20日(金) 春分
夕方、細い月と金星が接近(「今月の星さがし」で解説)
23日(月) 夕方~宵、細い月とプレアデス星団が大接近
26日(木) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~翌27日未明、月と木星が接近(「今月の星さがし」で解説)
27日(金) 夕方~深夜、月とポルックスが並ぶ
29日(日) 夕方~翌30日未明、月とレグルスが大接近

3月の惑星

水星

下旬に、明け方の東南東の低空に見えますが、日の出45分前(25日の場合、東京で4時50分ごろ)の高度は約3度しかないため、観察は難しいでしょう。

金星

「宵の明星」として、夕方の西の低空に見えます。日の入り30分後(15日の場合、東京で18時20分ごろ)の高度は約10度と低いのですが、金星は明るいので、山や建物などに遮られていなければ肉眼で見えます。西の空が開けたところで探してみましょう。

8日前後に土星と大接近します。また、20日にはとても細い月(月齢1)と共演します。「今月の星さがし」も参考にしてください。

火星

太陽に近く、見えません。5月中旬ごろから、明け方の東の低空に見えるようになります。

木星

「ふたご座」にあります。19時ごろ頭の真上近く、23時ごろ西の空に見え、2時ごろに沈みます。明るさは約マイナス2.3等級です。

宵から深夜の時間帯に高い位置にあり、引き続き観察の好期です。天体望遠鏡で4つのガリレオ衛星や木星本体の縞模様を観察しましょう。ガリレオ衛星は双眼鏡でも見えるかもしれません。

26日の夕方から翌27日の未明にかけて、上弦を過ぎたばかりの半月(月齢7~8)と接近します。明るい2天体が並ぶ光景が目を引くでしょう。

土星

10日ごろまで夕方の西の空に見えますが、日の入り30分後(5日の場合、東京で18時10分ごろ)の高度は約10度しかなく、観察は困難です。天体望遠鏡での観察には適していません。

8日前後に金星と大接近します。双眼鏡で眺めましょう。

今月の星さがし

3日の夜に皆既月食が起こります。時間帯や見える方角、高さなどを事前に確認し、しっかり準備を整えて楽しみましょう。夕方の西の低空には、1年ぶりに金星が戻ってきます。

ひな祭りの夜に皆既月食

3月3日はひな祭り。この夜の19時前から22時過ぎにかけて皆既月食が起こります。昨年9月8日以来、約半年ぶりの月食です。

月が欠け始める(部分食の始まり)のは18時50分ごろで、東の低空に見える満月の左下から暗くなっていきます。その後、月は高く昇っていきながらどんどんと欠けていき、20時5分ごろに月全体が地球の影に入ってしまう「皆既食」の状態になります。

3月3日 18時35分から22時35分までの東から南東の空の様子(場所の設定は東京)。囲み内は月のクローズアップ

皆既食になると月が見えなくなるように思うかもしれませんが、実際には地球の影にも太陽の光が届くので、皆既食の間も月が見えます。このとき、赤い光のほうが(青や緑よりも)届きやすい性質があるので、皆既食の満月は赤や茶色っぽく見えます。どんな色に感じられるか、ぜひ実際に観察して確かめましょう。また、皆既食中の月の明るさは月食ごとに様々で、昨年9月の際には「かなり暗い」と感じた方が多かったようです。今回はどうなるでしょうか。

約1時間後の21時3分ごろに皆既食が終わると、月の色と明るさが元に戻り始めます。月食が終わるのは22時17分ごろ、全体では約3時間半の長い現象です。なお、月食の進み方は月が見えるところであればどこで観察しても同じタイミングで同じように見えるので、時刻は全国共通です。ただし、月の高さは場所によって変わります。また、月食が始まるころは西日本ではまだ空が明るいので、欠けている様子がわかりにくいかもしれません。

月食の観察に特別な道具は不要です。月の色や形が変わっていく様子は肉眼でもよくわかるので、気軽に空を見上げて楽しみましょう。双眼鏡や天体望遠鏡があれば微妙な色の違いなどもわかり、さらに面白くなります。天気に恵まれなかった場合には、インターネット中継を見るという方法もあります。撮影して記録にも残したいですね。昨年9月の月食特集ページで撮影方法などを詳しく解説していますので、参考にしてください。

皆既月食の観察・撮影の解説を見る

半年で2回も皆既月食があるので、月食は頻繁に見られると思ってしまいそうですが、次に日本で皆既月食が見られるのは2029年1月1日と、約3年も先になります(部分月食でも2年半後の2028年7月7日です)。時間帯や月の高さという点でも、今回の月食はとても見やすい条件がそろっています。どこで、誰と、どんなふうに観察するか、しっかり計画を立てて、たっぷりとお楽しみください。

夕空で金星と土星が大接近

昨年11月ごろまで夜明け前に見えていた金星が、今月ごろから夕空に「宵の明星」として輝くようになります。今月はまだずいぶん低く、山や建物などに隠されてしまうかもしれないので、見晴らしの良い場所で探してみましょう。

月初めから10日ごろまで、この金星の近くに土星も見えています。空が暗ければ(夕空でなければ)土星も肉眼で簡単に見えますが、日の入りから30分ほどしか経っていない空の中、しかも低いところにあると、すぐには見つかりません。まず金星を見つけてから、その方向に双眼鏡を向けて土星も探してみましょう。

3月4日から10日まで2日ごとの、日の入り45分後の西の空の様子(場所の設定は東京)。円は拡大イメージ(視野6度)

今後、土星は太陽に近づいて見えなくなり、一方で金星は高度を上げて少しずつ見やすくなっていきます。土星には今シーズンのお別れを、金星には今シーズンの歓迎を、それぞれ思いながら2惑星の接近を眺めてみてはいかがでしょうか。

月と惑星の接近:20日夕方 金星/26~27日 木星

20日の夕方、細い月と宵の明星の金星が西の低空で接近して見えます。新月の翌日、月齢1のとても細い月なので、背景の空と同化して見つけられないかもしれません。西の空がよくひらけた場所で、スマートフォンの星図アプリなどを使って方角と高さをよく確かめてから探しましょう。双眼鏡があると見やすくなり、地球照(月の暗い側がほんのりと見える現象)も美しく観察できます。地上の風景と一緒に撮影もしてみたい共演です。

3月20日 日の入り45分後の西の空の様子(場所の設定は東京)。大きい円は拡大イメージ(視野6度)、小さい円はさらに拡大のイメージ(正立像)

3月26日 夜21時の西の空の様子(場所の設定は東京)。並んでいる様子は夕方から27日1時過ぎくらいまで見られるが、時間によって方角と高さは変化する。円は拡大イメージ(正立像)で、小さい円はさらに拡大のイメージ(正立像)で、月の拡大像の中にある赤い円の大きさが、木星の拡大像の円と同じ

また、26日の夕方から27日の未明にかけては、上弦過ぎの半月と木星が接近して見えます。接近の様子を肉眼や双眼鏡で眺めるだけでなく、それぞれを天体望遠鏡で拡大して月のクレーターや木星の縞模様、ガリレオ衛星の配列なども観察してみましょう。

今月の星座

アルゴ座

3月中旬の夜21時ごろ、南西の空に輝く「おおいぬ座」のシリウスの左、真南の空の低いあたりには明るい星が少なく、目立った星の並びもありませんが、ここには大きな船の星座「アルゴ座」が広がっています。モデルとなっているのはギリシャ神話に登場する船で、勇者ヘルクレスや双子のカストルとポルックスを乗せた冒険譚が伝えられています。

実は「アルゴ座」は現存していません。もともとは2世紀ごろに定められた歴史の長い星座でしたが、現在このあたりは「とも(船尾)」「ほ(帆)」「らしんばん(羅針盤)」「りゅうこつ(竜骨)」という4つの星座になっています。

「とも座」「ほ座」「らしんばん座」「りゅうこつ座」(星雲の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

日本(本州あたり)から見ると南の水平線(地平線)近くを左から右(東から西)へと進んでいくように見え、いかにも船らしい姿に感じられるのですが、低いためにあまり注目されません。

一方、オーストラリアなどでは空高く昇り、大きな船が天を渡っていくように見えます。この付近には天の川も流れているので、肉眼や双眼鏡で美しい眺めを楽しめます。南半球で星空を眺める機会があれば、ぜひご堪能ください。

カノープス

「りゅうこつ座」のカノープスは、夜空に見える星としてはシリウスに次いで2番目に明るい星です。東京付近では冬の宵のころ、地平線すれすれに見えますが、大気の影響でかなり暗くなってしまうため、全天2位の明るさを実感することはなかなかできません。機会があれば、南の空の見晴らしが良いところで探してみましょう(見やすいのは1~2月ごろです)。

日本には「昇ったと思ったらすぐに沈んでしまう」ことから「横着星」という呼び方があります。また中国では「南極老人星」や「寿星」と呼び、一目見ることができれば寿命が延びる縁起の良い星とされています。

散開星団M46、M47

M46とM47(Mはカタログの符号です)は、「とも座」の北端に並ぶ2つの散開星団(星の集団)です。微光星が多く集まったM46と、星の明るさにメリハリのあるM47が好対照で、双眼鏡や天体望遠鏡で見比べて楽しめます。

ηカリーナ星雲NGC 3372

η(エータ、イータ)カリーナ星雲は宇宙に漂うガスが星の光を受けて光って見える天体で、先月ご紹介した「オリオン座大星雲」と同種の天体です。双眼鏡で観察すると、白く淡い雲のように見えます。南天の名所の一つで、南半球では見逃せません。

にせ十字、ダイヤモンド十字

「にせ十字」は、「ほ座」と「りゅうこつ座」の4つの2等星でできる星の並びです。本物の南十字星より大きいため目立ち、見間違えられることがあります。

また、「にせ十字」と本物の南十字星(「みなみじゅうじ座」)の間には、やはり4つの星が十字に並ぶ「ダイヤモンド十字」があります。他の2つと反対向きで、やや細長く見えます。

ηカリーナ星雲と同様、南半球では見やすく見逃せない星の並びです。南十字星、にせ十字、そしてダイヤモンド十字、ぜひ3つの十字を見つけてみましょう。

緑の線:各星座の領域(境界線)/オレンジの線:この線より上(北)の星が、札幌・東京・那覇のそれぞれで見られる。札幌では「りゅうこつ座」はまったく見えず、東京ではカノープスがかろうじて見え、那覇では「にせ十字」まで見えるが「ダイヤモンド十字」は見えない

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は3月中旬の深夜1時ごろの星空です。4月中旬の深夜23時ごろ、5月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(惑星は少し動きます)。

2026年3月中旬 深夜1時ごろの星空

北の空高く「北斗七星」が昇っています。ひしゃくの柄のカーブを北から南へと延ばすと、「うしかい座」のアルクトゥールス、「おとめ座」のスピカへと連なる「春の大曲線」が描けます。アルクトゥールスの暖かい色合いとスピカの冷たい印象は、寒暖を繰り返す今の季節にピッタリです。この2つの星と「しし座」のデネボラでできる「春の大三角」が、南の空に大きく広がっています。

北東の空には「はくちょう座」のデネブと「こと座」のベガ、南東の空には「さそり座」のアンタレスと、夏の1等星も見え始めました。さらに夜が更けると「わし座」のアルタイルも昇り、東の低空に「夏の大三角」が見えるようになります。宵のうちに「冬の大三角」を見ておけば、一晩で3つの大三角を見ることができますね。

寒さが少しずつ和らぎ、深夜の星空観察も冬の間ほど苦ではありませんが、油断は禁物です。体調に気を付けてお楽しみください。

星空観察と撮影のポイント

星座や惑星、流星群などの天文現象の観察や撮影は、コツを抑えるとただ眺めるよりも広く深く楽しむことができます。
ここでは、天体の探し方からおすすめの撮影機材やテクニックまで、星空を楽しむうえで知っておきたいポイントをご紹介します。
カメラや双眼鏡を持って、美しい夜空に会いにいきましょう!

星空観察と撮影のポイント