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<ニッコールクラブ会員展>
横山 哲之
紡ぎの里に生きる

会期

2026年9月15日(火)~2026年9月28日(月) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

自給自足の暮らしを営み、数十年にわたり養蚕を続けてこられた一組のご夫婦と出会いました。

斜面に広がる桑畑、山の湧き水を引いた生活。厳しい自然と向き合いながら歩んでこられた歳月には、計り知れない苦労や困難があったことと思います。 それでも九十歳を超えたお二人は、いつも朗らかで、陰りのある表情を見せることがありません。

絹産業が衰退していく中で、富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に登録された際、母ちゃんは広報ポスターのモデルとなり、父ちゃんは語り部として取材を受けました。 日々の営みとして続けてきた養蚕の暮らしが、静かに社会に認められた瞬間だったのだと感じています。

そこには、かつて日本各地にあった、四季とともに生きる確かな暮らしがあります。 信心深いお二人にとって、先祖や自然、鬼門にある岩までもが拠り所となり、日常の中に深く息づいています。

私が強く心を動かされたのは、人と人とのつながりの在り方でした。 親戚との結びつき、何かあれば自然と集まる子や孫たち。失われつつある関係性が、ここでは今もなお息づいています。

かつて当たり前にあったはずの暮らしが、ここには確かに残っている。
私はこれからも、このご夫婦の営みを、静かに、誠実に見つめ続けていきたいと思います。

(横山 哲之)

プロフィール

横山 哲之(よこやま てつゆき)

1955年、神奈川県生まれ。
埼玉県育ち。関東学院大学工学部工業化学科卒業。
父のカメラを手にしたことをきっかけに写真を始める。
1973年冬、一眼レフカメラを携え北海道にてSLを撮影。
大学では写真部に所属し、返還後間もない沖縄をはじめ各地を巡り撮影を重ねる。
暗室作業にも取り組み、コンパネサイズ(900×1800mm)の作品制作を行う。
その後、全日本写真連盟およびニッコールクラブに入会。
2019年よりミラーレス一眼Zシリーズへ移行し、現在はZ8およびZ9を主力機として使用している。
国内外を問わず、スナップを中心に、祭りや人々の暮らしに寄り添いながら撮影を続けている。