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<ニコンサロン>
第26回(2024年度)三木淳賞
齋藤 利奈「The Circle of Life ~海に息づく命の環~」

会期

2025年4月8日(火)~2025年4月21日(月) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

地球の表面積の約70%を占める海。そこには、わずか数ミリの小さな生き物から10mを超える大型海洋生物まで、1,000万種類以上もの生き物たちが暮らしているといわれています。

彼らの命の営みを目の当たりにした時、その力強さや儚さに深く感動したとともに、言いようのない愛情と畏敬の念を抱かずにはいられませんでした。

美しく雄大な海。そこに息づく生き物たちそれぞれが、輝くように命のバトンを繋ぎ、やがて静かに消えゆきます。しかし、生き物たちはそこで役割を終えるわけではありません。その灯火が消えた後も、彼らは海の糧となり、再び命の環に加わります。厳しくも美しい、あるがままの自然の姿は、私の心を強く捉え、魅了し続けています。

母なる海に潜り、その豊かさや力強さ、輝く命の営みに触れるひと時。それは私にとって、何ものにも代え難い大切な時間です。

ファインダーを通して捉えた、環になり巡る命の煌き。
この写真展が、海や自然へと思いを馳せるきっかけとなれば幸いです。

(齋藤 利奈)

◇【トークイベント】齋藤利奈「The Circle of Life ~海に息づく命の環~」
本展の関連イベントとしてトークイベントを開催いたします。
作品の解説や撮影時のお話、生物の生態や海洋環境について、また、水中写真の機材についてもお話しいただきます。
※参加費無料です。当日直接会場にお集まりください。
※ご来場多数の場合、入場を制限することがございます。ご了承ください。

日時:2025年4月12日(土)15:00~16:00 ※14:45~入場受付開始
会場:ニコンサロン(ニコンプラザ東京内)
登壇者:齋藤利奈(写真家)
定員:20名(当日先着順、参加費無料)

授賞理由

齋藤利奈氏は、キラキラした南国の海にも潜るが、鹿児島県の海など、一見地味な海に通い続け、そこで営まれる生命の輝きを写真に収めている。食卓にも上らない、水族館にもいない生物たちにも、命のドラマがあり生命の神秘が潜んでいるということに感動した彼女は、夜の海や人工水路にも果敢に潜り、その生態をより深く撮影するようになる。そんな真っ直ぐな視線から生まれた作品群は、海に縁のない人のみならず、ダイビングをする人間にとっても真新しく、多くのギャラリー訪問者に地球の奥行きの深さを感じさせたに違いない。
暗く、透明度があまり良くない海も多い中で齋藤氏は、複数のストロボなどを駆使してその被写体の存在感を引き立て、被写体の表情や行動がより伝わる作品作りに挑戦している。その撮影法は陰影の効いたドラマチックな作品群として結実し、生物たちに寄り添ったキャプションとともにより多くの人の関心を海に惹きつけたことだろう。地球温暖化の影響で、生き物や海藻などの生態系が変わる中、記録としての作品の価値もますます重要になってくると同時に、一般の人の自然環境への関心を高める効果もあったことも大きく評価したい。

(選評・高砂 淳二)

<三木淳賞 最終選考に残った候補作品は次の通りです>
林 詩硯 写真展「針の落ちる音」(2024年2月6日~2月19日、ニコンサロン)
齋藤 利奈写真展「The Circle of Life ~海に息づく命の環~」(2024年10月1日~10月14日、ニコンサロン)
新田 草子 写真展「Tinnitus」(2024年11月12日~11月25日、ニコンサロン)

<第26回三木淳賞 副賞>
ニコン Z6III+NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

プロフィール

齋藤 利奈(さいとう りな)

1984年大阪府生まれ
同志社大学文学部美学芸術学専攻卒業後、京都市立芸術大学大学院音楽研究科音楽学専攻修了。2012年、沖縄県でダイビングのライセンスを取得。最初は海で見た生き物を記録するために、コンパクトデジカメで写真を撮り始める。その後、水中写真家の作品展を見て感動したことをきっかけに、「作品作り」に関心を持つ。2019年、レンズ交換式カメラでの水中写真撮影をスタート。
青くカラフルな海や大型海洋生物、壮大な魚群に憧れ、インドネシアやモルディブ、タヒチ、フィリピン、ハワイなど海外や沖縄を中心に潜っていたが、コロナ禍をきっかけに日本、とりわけ、西日本の海の魅力を知る。海に暮らす生き物たちが懸命に命を繋ぐ姿に心を動かされ、求愛、産卵、新しい命の誕生のといった生態行動の撮影を開始。輝くような命の瞬間に触れる中、一方で静かに消えゆく命の存在を知る。自然界において「死」は終わりではなく、他の生き物の糧・海の養分となり、環になって繋がっていく。そんな、ありのままの自然の姿を撮りたいと思い、現在は「海に暮らす生き物たちの命の環」や「海洋環境」をテーマに撮影を行なっている。
<受賞歴>
・2020年 地球の海フォトコンテスト 自由部門 グランプリ・舘石昭賞
・2021年 串本海中フォトコンテスト 金賞
・2022年 フジフイルムフォトコンテスト ネイチャー部門 銅賞
・2022年 宮古島フォトコンテスト グランプリ
・2022年 JTAフォトコンテスト 中村征夫賞
・2024年 日本水中フォトコンテスト 準グランプリ(グランプリなし)
・2024年 Sony World Photography Award 2024 Open 自然・野生動物部門 shortlist ほか