こんにちは、nidones(@nidones)です。
夫婦ふたりでYouTubeを中心に暮らしや旅の様子を発信しています。
活動名は、暮らしの温かみが感じられる言葉がいいなと思って、いくつか候補を出した中から、私たちが好きな「二度寝」を選びました。ふたり組なので複数形の"s"をつけて「nidones」(ニドネス)です。
撮影や編集は夫のyuが、企画や執筆は妻のmioが行っています。ふたりでVlogを撮影したり、映像制作のお仕事をしたりしながら、のんびりと暮らしています。


SNSで日常を発信しようと思ったきっかけは、「小さなしあわせを見過ごさず、大事にしたい」という思いからでした。
私たちにとっての「しあわせ」は、決して特別なものではなく、ありふれた日常の中に潜んでいるものという感覚があります。だからこそ、大切な瞬間が、気付かぬうちに埃を被ってしまわないよう、写真や映像を通して記録したいと思いました。
また、SNSで発信をするようになってから、日々の中で美しさを感じる場面がぐんと増えたように思います。例えば、マグカップから立ちのぼる湯気や、窓際で小さく葉を揺らす植物など。“揺らぎ”のある風景に自然と心が向くようになりました。
ここからは、心地いい暮らしのつくり方から、心地いい暮らしを過ごすのに欠かせないもの選びや空間づくりのポイント、そして日々を写真に残すときに、私たちが大切にしていることをご紹介します。
“心地いい暮らし”のつくり方
まずは、私たちが考える「心地いい暮らし」のつくり方についてご紹介します。
毎日を心地よく過ごすために、ちいさなご褒美を散りばめる
毎日を心地よく過ごすために、小さなご褒美を散りばめるようにしています。
バタバタと慌ただしい日でも、好きな音楽を流して家事をしたり、お風呂にお気に入りのバスソルトを入れたり、寝る前に5分だけキャンドルを灯したり。
ほんの些細なことでも、自分にやさしくしてあげる気持ちは、いつも忘れずにいたいなと思っています。それに、自分を甘やかすための“手札”は、あればあるだけいいと思っています。
それでもなんだかなあ〜という日は、単純だけれど、「早く寝る」! 私たちふたりとも、寝て起きたら大抵のことはケロッと忘れて切り替えられるタイプです。
「自分たちらしさ」がにじむ空間をつくる
暮らしの発信をしている私たちにとって、お部屋は「顔」のようなもの。大好きなヴィンテージの雑貨やプレートなどを飾って、自分たちらしさが垣間見えるような空間を意識しています。
それから、お部屋を完璧に整えるというよりも、程よく雑然とした温かみのある空間を大切にしているように思います。読みかけの本がテーブルに置いてあったり、脱ぎかけのカーディガンが椅子に掛かっていたり。そんなふうに、人の暮らしの影がやわらかく落ちた空間が好きです。
ものを選ぶときの基準は、「いつか誰かに引き継げるものかどうか」。


ものを選ぶときは、「いつか誰かに引き継げるものかどうか」という視点を大切にしています。
古いものが好きな私たち。長く使い続けられるものは、それだけ丁寧に作られていて、これまで誰かに大切にされてきた証拠だと思っています。
だからこそ、自分の元でたっぷりと愛でたあとは、それをまた誰かにつないでいけたら嬉しいなと思うんです。そう思っていると、自然と手つきも丁寧になって、真摯な気持ちでものと向き合える気がします。
カメラと過ごす日々が、そっと教えてくれたこと
「この瞬間を忘れたくない」。だから、日常を記録に残す
最初はただ、「この瞬間を忘れたくない」と思って、記録に残すためにカメラを手に取りました。
何かを作り出そうとするより、「あの感じ、しっかり覚えておきたい」という純粋な気持ちからでした。
気づけば、その“感じ”を探すように、日々の暮らしを改めて見つめ直すようになっていました。
今では、そうした感覚に出会えたとき、自然とカメラに手が伸びます。
例えば、夕日がグラスに当たってテーブルの上にきらきらと光を落とすとき。あるいは、怪我をしてヘンテコな場所に絆創膏を貼って、ちょっと笑ってしまったとき。
そんな、ふと心が動く一瞬は、残しておきたくなるものです。
カメラを通して、暮らしも自分も見つめ直す
カメラを通して暮らしを見つめるようになり、自分のことも少しずつ客観的に見られるようになった気がします。
忙しそうに動く自分、ひと息ついている自分、何かに夢中になる自分。
画面の中にいる誰かを眺めるようにいろんな自分の姿を受け止めることで、理想の自分や暮らしがより明確に見えてきたような気がします。
また、同じ場所でも、朝と夕方では空気の感じが違って、心の状態も変わることも知りました。撮るたびに「今日はこんなふうにも見えるんだ」と、新たな発見があって、新鮮な気持ちになれる。それが、暮らしを撮る魅力だと思います。
その瞬間の光や温度、かすかな気持ちを写しとれたときは、小さな「やった!」と思える喜びがあります。
あと、カメラを持つようになってから、時間の流れに敏感になったと感じています。光の傾き、部屋に伸びる影の形、誰かの動きのリズム。記録をすることで、「今」が少しゆっくりと、豊かなものとして感じられるようになったと思います。
心が動いた、その一瞬をどう残すか
では、心が動いたその瞬間を、どうやって写真に収めているのか。
ここからは、日々の撮影で意識していることや、写真に残すためのちょっとした工夫をお伝えします。
暮らしの自然な空気感を残すために、“撮る人”の気配を映さない
部屋を撮るときは、できるだけ“撮っている人”の存在がにじまないように意識しています。
そのために、撮るときは「主観をできるだけ薄めて、客観的に撮る」ことを大事にしています。
スマホで何気なく撮ったような、生々しい距離感や撮った人の気配が強く出すぎると、見ている側に余白がなくなってしまう気がするんです。
自分の気配を映り込ませないことで、写真の中にありのままの時間が、ごく自然に流れているように見える。そんな自立した風景を残せたらいいなと思って、撮影しています。
また、人が写る場合も、被写体がカメラを意識していない瞬間を選ぶことで、客観的な雰囲気を保つようにしています。
日中の撮影は、自然光で。外での撮影は、自分たちらしい視点を切り取る
日中の撮影は、かならず自然光で行うようにしています。
それぞれの部屋が明るい時間帯を狙って、撮影しています。その場の空気ごと写すには、やっぱり自然光がいちばんだと思っています。光に委ねながら撮っていると、「ここにあれを置いた方がきれいかも」と模様替えのアイデアが浮かんでくることもあって、部屋を整える作業と、写真がかたちになっていくプロセスが、自然と重なっていくんです。
「いい部屋ができていくこと」と「いい写真が撮れていくこと」が、一緒に進んでいく感覚がとても好きです。
構図については、スマートフォンで写真や動画を見る方が多いことを意識して、小さい画面でも見やすいよう、少し大きめに寄り気味で撮影するようにしています。
外での撮影では、「私たちらしい視点で切り取ること」を大切にしています。
同じ場所に立っていても、どこに目が留まるかは人それぞれ。だからこそ、自分たちの感じたままを素直に残すことで、その感覚にふと共鳴してくれる人がいるのかもしれないと思って、シャッターを切っています。
“自分たちらしい空気感”を残すための、撮影と編集の工夫
撮影時の設定についても、いくつかご紹介します。
テクニックというよりは、「自分たちらしい空気感を残すためにどうするか」を考えながら設定やレタッチをしています。
【撮影時の設定】
・撮影モード:マニュアル(M)
・F値:f/2.8で撮影することが多いです。被写体によってはボケ過ぎてしまうので適宜調整しています。
・シャッタースピード:シャッタースピードは、ブレを抑えつつ、手持ちでも自然に撮れるギリギリのラインである「1/焦点距離」秒を目安にしています。部屋の中だと屋外ほどシャッタースピードを早くできないので、このくらいの設定になることが多いです。とはいえ、三脚を使って撮影することも多いため、その場合はシャッタースピードをあまり気にしていません。
・ISO感度:できるだけ低くしています。
【レタッチ】
色味は温かみを感じられるように、少し暖色寄りに調整しています。それ以外はそこまで濃く色付けはしません。“盛る”というより、“整える”感覚で仕上げることを心がけています。
記録を残すことで、自分の心の機微に気づけるようになった
写真を通して日常を記録するようになってから、小さな変化や、ふと気づいた心の動きを大切に思えるようになりました。それが、 写真で記録を残すことでの一番の変化だと思います。カメラを通して見えるものだけでなく、自分が感じたことも大切にするようになりました。
「撮らなきゃ」と義務感で動くのではなく、「撮りたいな」と思ったときに自然にカメラに手が伸びる。そんな自分たちでありたいと思っています。
記録は、未来の自分への手紙のようなもの。無理せず、自分のペースで、やさしく日常と向き合っていきたいです。
Photo Gallery
最後に、今回撮影した中でお気に入りの写真をいくつかご紹介します。
ある日のお茶の時間中のひとこまです。ティーバッグのタグに書かれた「しあわせとは希望を持ち続けること」という言葉が素敵で、写真に残しておきたくなりました。
ティーバッグの花の色や、愛嬌あるビスケットが引き立つよう、光が柔らかく回る位置にカップを置きました。明るすぎると白い器が浮いてしまうので、カーテン越しの光で自然な陰影をつくるよう意識しています。
こちらは、棚の一角に重ねた古いお皿が並んでいる一枚です。旅先のアンティークショップ、蚤の市などで出会ったもの。時代と海を超えて我が家にやってきてくれた、大切で愛おしいコレクションです。
アンティークが持つ“時の積み重ね”がにじむよう、お皿の重なりがわかるアングルを意識しました。柄や形がそれぞれ違うため、ひとつの風景としてまとまって見えるよう、少し引きで、斜めの上からシャッターを切りました。
ソファで編みものをしている日常のひとこまです。時間を忘れて没頭する様子を切り取りました。
壁越しの引いた位置から、そこに流れている時間そのものを感じられるように撮影しました。整いすぎない自然な空気が残った写真になったと思います。画面手前の植物の前ボケを入れることで、より遠くから見つめている雰囲気になったと思います。
Photographer's Note
今回の撮影では、Z8で撮影しました。Z8で撮ることで、日々の記録を、ぐっと深く映し出せたように感じました。
Z8を使ってみて
今回はじめてZ8を使いましたが、光のにじみや、風のゆらぎ、小さな表情の変化まで、そっとすくい上げてくれるような写り方が好きだなと感じました。「いいな」と思った瞬間の感動をそのまま共有できるカメラだと感じます。
NIKKOR Z 28-75mm f/2.8を使ってみて
ふだんの暮らしから旅先まで、どこにでも一緒に連れて行ける一本です。この焦点距離があればほとんどのシーンで問題なく撮影できると思います。
軽やかなのに、ほどよく寄れて、背景もやわらかくにじむようにぼけてくれるから、気負わず撮りたいと思ったときに、自然と手が伸びます。
「いつもの景色をやさしく切り取りたい」
そんなときにぴったりのレンズだと思います。
Supported by 東京通信社
nidones
ライフスタイルクリエイター。YouTubeチャンネル「nidones」にて、衣食住や旅を発信。2023年10月より、無印良品のリノベーション藤沢の団地大使を務める。SNS総フォロワー数31万人。