みなさん、はじめまして! rojiman(@rojiman)です。
普段は会社員をしながら、家では一緒に住んでいる3匹の愛猫専属フォトグラファーをしています。
私と妻umatan(@umatan)と3匹の猫で、2016年からライフワークとしていることがあります。それは…「抜け毛帽子」フォトです。「抜け毛帽子」とは、猫たちの抜け毛でできた帽子のこと。今回は、その抜け毛帽子をかぶる猫たちの撮影の裏側を紹介したいと思います!
我が家の愛猫たち
- 人懐っこい長男ニャア(サバトラ)
- 食いしん坊の次男マル(白)
- ヤンチャで変顔担当の末っ子ムギ(茶トラ)
全員、丸い顔が特徴のスコティッシュフォールドの雄猫です。
抜け毛帽子フォトって?
100%天然素材の帽子でおめかしをする姿が何ともシュールですよね。
もともとは、ブラッシングしたときに取れる抜け毛を何かに使えないかなと思って「抜け毛貯金」をしていたんですが、ある日抜け毛を集めたものを猫の頭にふわっと乗せてみたら…自分たちの毛だからか全然いやがらなくて。澄まし顔で自毛を乗せている瞬間をカメラに収めたのが抜け毛帽子フォトのはじまりです。
※抜け毛帽子は、きれいに洗ってよく乾かし、ほぐしてふわふわになった抜け毛を材料に作っています。
抜け毛帽子フォトの裏側お見せします!
抜け毛帽子は造りがとても繊細で、頭から落ちれば変形してしまいます。そのため、「撮影担当」と「帽子かぶせ+目線の誘導担当」の2人体制で撮影します。
STEP1:猫がリラックスしているタイミングで、帽子をそっとのせる
撮影担当は、いつでもシャッターが切れるように画角を決めておきます。
もし猫のご機嫌がナナメだと帽子を落としてしまうので、そんなときは無理せず時間をあらためてリラックス時を狙います。
STEP2:猫の様子をうかがいながら、慎重に帽子の位置決め
急に動いたりしたときも帽子を受け止められるように、常に様子をうかがいます。
STEP3:おもちゃで気を引き目線をもらう
カメラとおもちゃの位置を変えながら、より魅力的なアングルを探して撮影します。
帽子を上手にかぶれたときは、たくさん褒めてあげましょう!
Point!
抜け毛帽子フォトは、猫との信頼関係があってこそなせる業です。帽子をかぶってもらう前には頭をなでたりスキンシップを忘れずに! かぶせる前に帽子をかがせると、自分の匂いがするためか安心してくれることも。ご自宅の猫ちゃんが、かぶりものが苦手な場合にはぜひ試してみてください。
匂いを確かめるムギ
猫たちの魅力を引き出すために大事なコト
撮りたいイメージを意識して猫との距離感をつかむ!
撮影では、“猫との心の距離”すなわち信頼関係と、“猫とカメラの距離”が大切です。
我が家では猫たちが小さい頃からカメラを使っていたので、カメラを近づけてもいやがることはありません。逆にレンズをのぞきこんできたりして、シャッターが下りないときも(笑)
これから撮影をはじめる方は、いきなりカメラを近づけたりせず、徐々にカメラを慣らすところからはじめてみるのがいいと思います。シャッター音をオフにしておくと、音に敏感な猫たちも安心してカメラに慣れてくれます。
その上で私は、まず猫の全身が収まるカットを押さえておきます。また、Instagramでは投稿時に横位置と縦位置の写真を混在できないため、トリミング前提で引きのカットがあると重宝します。
“猫とカメラの距離”で重要なのが、レンズ選びです。
猫をなでられるくらいの近距離から全身を収めるには、焦点距離35mm前後の単焦点レンズが使いやすいと思います。部屋の中でも大きなボケ感や速いシャッタースピードを得られるのでオススメです。また、猫に近づいたり離れたりすることでもピントの合う面積や写真の雰囲気が大きく変わるので、自分なりの最適な距離感をつかんでおくと、狙ったイメージに近い写真が撮れると思います。
差しこむ光とまどろむニャアがいい雰囲気だったのですかさず
おやつが欲しくて、2足歩行になった瞬間。「もう猫背とは言わせない」
Point!
一緒に住んでいると猫たちの行動パターンが見えてきます。距離感だけでなく、そのシーンに合わせた設定を把握しておくと、とっさのシャッターチャンスも逃しません。
私は部屋の中で撮ることがほとんどなのですが、大きくわけると「くつろぎタイム」と「お遊びタイム」の2種類で、あらかじめユーザーセッティングモードに登録しておくと便利です!
・くつろぎタイム
溶けたアイスのようにとろけるマル
マニュアルでは、F1.8、1/125秒、「シングルAFサーボ(AF-S)」に設定しておいて、調整しながら「くつろぎタイム」を撮影しています。背景のボケ具合が、気持ちよく寝ている空気感を演出できます。
※シングルAFサーボ(AF-S):シャッターボタンを半押しして一度ピントを合わせると、半押ししている間、ピントを固定しておくモード
・お遊びタイム
まだまだ遊びたい盛りの末っ子ムギ
動きのあるシーンでは被写体ブレを抑えるため「シャッター優先オート」にして、被写体を追いかける「コンティニュアスAFサーボ(AF-C)」で、明るさも確保できるように1/320~1/500秒あたりを選んでいます。
※コンティニュアスAFサーボ(AF-C):シャッターボタンを半押ししている間、ピント合わせを続けるモード
室内で撮影する際に参考にしてみてください!
猫の習性を利用して光のほうへ導き、空気感をつくる
やわらかい雰囲気を表現するには、やさしい光の朝方やくもりの日がオススメです。カーテンの紗幕効果なども生かすと、ふんわりとした質感が出せます。逆光時は顔が暗くなり過ぎないよう露出を変えて明るさを調整しましょう。
※夜の場合にはホワイトバランスを変えるようにしています。我が家の照明が電球色なので、白猫は白く写るように「電球色」設定に。
ただし相手は自由気ままな猫…ベストポジションで撮るのは至難の業です。そんなときに活用するのが、物の上に乗りたがる猫の習性。あらかじめ椅子やラグ、段ボールなどを仕掛けておくと、猫たちが自然とやってきます。
その“乗り物”を光のあたる場所にそっと移動したり、角度を調整して、ちょうどいい構図を作ることができるので便利です!
ソファーの上にマルチカラーのクッションを置いたり、ラグと一緒に小物を添えておけば、差し色効果で一味違った演出をすることができます。
機動力のあるカメラだから撮れる、ふとした仕草がある!
レンズ選びや距離感だけでなく、カメラ自体の“軽さ”も大切だと感じています。
1人のときに片手でおもちゃを持ちながら撮影するときは、やはり軽いほど有利です。
チルト式液晶モニターならローポジション撮影も簡単なので、猫の動きに合わせてこちらもフットワークよく動けます。
猫と同じ目線の高さでも楽な姿勢でとらえられますよ!
猫写真を撮るほど、猫たちの魅力にはまる
猫には信頼のおける飼い主にしか見せないさまざまな表情や仕草があって、その瞬間は飼い主にしか撮れない…ということに、写真を撮るようになってあらためて気づかされました。猫を飼っている人がよく「自分家の猫が一番かわいい!」と言う理由にもうなずけます。
猫には、肉球・ヒゲ・オシリ・シッポやモフモフの毛、遠くからの佇まいや寝姿など、写真に撮ることでより魅力を引き出せる“猫の美しさ”があります。その美しさと出会いたいワクワク感こそが、自身の猫写真を撮り続ける原動力になっている気がします。
愛猫たちの写真ギャラリー
暖かい春を待ちわびる、テントウ虫ならぬテントウ猫
テントウ虫的には、とても居心地のいい場所を見つけたと思っているに違いない
もう少しで届きそうな、おやつの夢でも見ているのだろう
未知の生物感を演出するのはムギの得意技
我が家の風の通り道によく落ちている漂流物
【番外編】プロに聞いた、初見猫ちゃんとの撮影のコツ
今回、私たちを撮影していただいたのはフォトグラファーの浜村菜月さんです。実は以前、浜村さんが出版された猫撮影の本に、我が家の猫も少し出させていただいた…という縁があります!
私は他の猫ちゃんを撮る機会がないので、浜村さんに初見猫ちゃんを撮影するときのコツを教えてもらいました。
距離感をつかむ/性格をつかむポイント
人懐っこい猫、人見知りな猫、猫もみんなそれぞれ性格が違うので、はじめましての猫ちゃんには、少しずつゆっくりと距離をつめてみます。近づいて逃げ出さないようなら、写真を撮らせてくれる猫ちゃん。もし逃げ出しても、無理に追いかけたりせず、気を許してくれるのを待ちます。
(気が向いたら寄ってきてくれるかもしれないので…)
実際に今回も、お宅におじゃましてすぐに撮ろうとはしませんでした。猫ちゃんたちとの距離感をつかんだり、触れ合ったり、性格や動きを観察したりする最初の時間がすごく大切だと考えています。
猫の自然な表情を切り取るポイント
いきなり知らない人が来るとストレスを感じる猫ちゃんもいるので、まずは「ここにいるのが普通」になるよう、最初は飼い主さんと楽しくお話をしたりします。
その上で自然な表情を切り取るには、その場になじんで、シャッターチャンスを逃さないように待ち構えることが大事です。なかなか目線がもらえない場合は、横顔やシッポ、おててなど、パーツに寄って撮るのも一つの手。
余裕があれば、片手でおもちゃを持って気を引きつけて、動きのある写真を狙ってみてもいいと思います。短い時間でも、猫の動きを気にして追いかけてみれば、いろんな表情を撮ることができますよ!
浜村さんが撮影した3匹の猫たち





rojiman
愛猫専属フォトグラファーのrojiman、抜け毛帽子作家のumatan。2011年からInstagramで愛猫写真を公開しはじめ、2016年から抜け毛帽子フォトをはじめる。2017年に『ねこ、かぶり 抜け毛帽子でおめかしコレクション』(宝島社)を出版した他、抜け毛帽子オリジナルグッズの展開や「ねこ休み展」への出展など活躍は多岐にわたる。

浜村菜月
大手出版社でフォトグラファーとして勤務した後2014年独立、LOVABLE所属。現在、女性誌はもちろん広告・写真集などの撮影を手がけている。愛猫マンチカンの「まきゃべり君」をモデルとし、2016年『猫と楽しむニャンスタグラムのすすめ LET'S ENJOY CAT×Instagram』(インプレス)を出版。ハンドメイドの猫グッズ「meowonder」も手がけている。