おうちでの食事や、外出先・旅先での食事など、私たちの生活と切っても切り離せない「食」。旬の食材などで季節も感じますよね。
今回は、そんな身近な「食」をピックアップ。美味しそうに魅せる光やアングル、食卓のシーンを魅力的にする構図、世界観を表現するスタイリング…等々。フードフォトが楽しくなる撮影テクニックをご紹介します。
- フードフォトの基本ポイント
- ライブのように料理のいい表情をとらえる
- 音をとらえる調理写真の撮り方
- 料理を引き立てるスタイリングとアングル
- 至福のコーヒータイムを写真で伝える方法
- 手軽なおうち喫茶のはじめ方
- 2人の食事時間を写真として残していく
フードフォトの基本ポイント
まずは基本の撮り方から。ごはんやお菓子、ドリンクなど、フードフォトといっても被写体はさまざまですが、美味しそうに見せる撮り方には共通点があります。
機材と設定
- カメラは片手でシャッターが切れる、軽量なミラーレスがオススメ。1人で調理風景を撮影したり、箸上げしたりするときに便利
- レンズはズームレンズが料理との距離感を調整しやすい。さらに、小さなF値のレンズなら、背景ボケで見せたい部分を強調できる
- ソースや飲み物を注ぐシーンなど動感をとらえたいときは、連続撮影していい瞬間を後で選ぶ
Z 6、(左)NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、(右)NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
光とアングル
- 素材の色味がきれいに出る「自然光」を生かす
- 「斜めからの光」が、料理に陰影をつけて立体感を生む
- アングルは食べる人目線の「斜め上から」が基本
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
ライブのように料理のいい表情をとらえる
毎日の食卓に並ぶ料理は、少しの工夫でもっと美味しそうに撮ることができます。Instagramの『つちめい飯』で日々の食事を発信している、フォトグラファー・土田凌さん(@Ryotsuchida)が教えてくれたのは、ライブのように料理を臨場感たっぷりに撮るテクニック。さらに調理過程から撮影すると、出来上がりへの期待もどんどん高まります!
出来立てをスピーディーに撮るために、画角を想像しておく
一番の盛り上がりは何と言っても「出来立て」。このときにしか撮れない瞬間をスピーディーにとらえるには、あらかじめ画角を想像しておくのがポイントです。


高さのない料理は真横ではなく、右のように斜め上から全体を写すと質感も伝わって美味しそうです。どんな料理か理解して、魅力が伝わる画角を想像してみましょう!
+αのポイントで、シズル感や動きを出す


料理全体を写したら、もう一歩近づいて「寄りすぎ」くらいに撮るとシズル感が出てきます。また、カトラリーで持ち上げることで動きを出すことも。一つの料理でもいろんな表情を引き出すことができるんです。
調理中もライブ感を大事に
Z 6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
「何ができるんだろう?」とワクワクする調理シーンのライブ感を表現するには、アングルと構図を意識します。
- 切る様子は少しあおり気味で撮ることで、臨場感や力強さが伝わる
- まな板の手前側で斜めのラインを入れることで、画面に動きが出る
記事では、調理中・食べるとき・撮り終わった後…と“3度楽しめる”料理写真の魅力も語っていただきました。
音をとらえる調理写真の撮り方
こちらの記事では、調理中の“音”を土田さんが写真でどうとらえるかに着目。調理の過程を知ることで料理もますます美味しく感じられます。
効果音をイメージする
調理写真を撮るときは、食材そのものが持つ素材感、調理中の食材が変わっていく様子など、美味しいポイントを表現する効果音を自分なりにイメージしながら撮影します。


- 「ザクザク」:あえてシャッタースピードを落として躍動感を出す
- 「グツグツ」:全体にアンダーでしっとりとしたイメージに
効果音に合わせて設定を変えることで、見た人にも伝わる写真に仕上がります。
さらに臨場感を出すTIPS
調理風景には“見せ場”があり、より臨場感たっぷりに写すためにはちょっとしたコツがあります。


- 焼き色がついていく様子:焼き面を裏返す瞬間を狙う
- 湯気が出る様子:火を止めた後に水蒸気が湯気に変わる瞬間を狙う
タイミングを意識して撮影すると、「ジュージュー」「ジュワー」という音まで聞こえてきそうです。
記事では、湯気を出したいときにスポイトで水を入れるなどの裏技も紹介しています。
料理を引き立てるスタイリングとアングル
何気ない日々の食事は、スタイリングによって魅力的に写すことができます。ライフスタイルに溶けこむような料理やお菓子の写真をInstagramで発信しているユータさん(@yutaokashi)に、テーブルフォトの世界観のつくり方と撮り方を紹介してもらいました。
料理から世界観をイメージして、スタイリングを考える
まずは、作る料理に合わせて「アンティーク調にするか」「洗練されたモノトーンにまとめるか」のように、世界観をイメージすることが大切です。
料理が際立つように、器の色や質感を統一する


左はイメージできていないスタイリング、右がしっかりイメージしたスタイリングです。
- 左:テイストがバラバラで、お菓子が際立っていない
- 右:白が基調で茶色のお菓子が際立ち、全体に統一感がある
また、うまくまとめる上で、色数を3色程度にするのがポイントです。(上の写真の場合、お菓子の「茶色」、器やテーブルの「白」、器の縁や布に入っている「黒」)
布やカトラリーで、“暮らし”を感じられるように


さらに、アイテムが与える印象も覚えておきましょう。
- リネン生地の布:温もりを感じられる
- カトラリー:ストーリー性や動きが出る
これらを添えることで“人の暮らし”をイメージできるようになります。
もちろん今お持ちの食器やカトラリーからでOKですし、記事内ではユータさんオススメのショップも紹介しています。
アングルとスタイリングで、食卓を魅力的に写す
料理と世界観が決まったら撮影です。このとき、アングルごとにスタイリングのポイントが変わります。
- 斜めから:テーブルの広がりと奥行きを生かす
- 真上から:料理や食卓の広がりを生かす
- 横から:高さと前後の奥行きを生かす
斜め・真上から撮るときは、対角線配置を意識する


- 対角線の視線の流れをつくり、主役をライン上に置くことで際立てる
- 四隅のどこかをあけることですっきりした印象に
- 見切るようにサブのアイテムを置くと広がりも生まれる
マグを向かい合わせで置くことで、「誰かと食べるんだな」というシチュエーションも想像できますね。
横から撮るときは、壁とテーブルを料理で区切る


- 壁とテーブルを料理で区切ると画づくりがしやすくなる
- 手前があいてくるので、布やカトラリーを配置する
奥行きを生かしたい場合は、前ボケを入れるのがポイントです。
さらに、人を入れたテーブルフォトや、リラックス感のある写真にするコツを記事では紹介しています。
至福のコーヒータイムを写真で伝える方法
心を満たしてくれるコーヒータイムは、漂う香りやゆっくりと時間が流れるような雰囲気を表現することが大切です。コーヒーに関するブログ『CAFICT』を運営するMariko Kubotaさん(@cafict)の写真は、見るだけで思わずコーヒーが飲みたくなるほど臨場感溢れるものばかり。魅力を伝えるポイントは、「光と色味」「主役を決めること」の2つです。
空気感を表現する光のとらえ方


左は光が入っていないフラットな印象。右の写真は右側から自然光が入り、コーヒー粉の膨らみに陰影がついて立体感が出て、香りが漂ってきそうな写真に。光をさえぎらない方向から注ぐのがコツです。
何を伝えたいか、主役は何か明確にする


全体をなんとなく写しただけにならないよう、主役を決めることが大切です。
- 左:「コーヒーのある暮らし」が主役
- 右:「私から見える朝の風景」がテーマで、フードと左側のコーヒーが主役
どこまで写すか、どこまで寄るかなどがおのずと見えてきます。
ゆっくりコーヒーを淹れるという行為そのものにゆとりを感じ、写真を見るだけでも癒やされますね。記事の最後では、オススメのコーヒー器具も紹介しています!
手軽なおうち喫茶のはじめ方
慌ただしい日々を忘れて好きなものとじっくり向き合う…。そんな癒やしの空間は、意外と手軽につくり出すことができるんです。SNS上で空想喫茶「トラノコク」を営むもうそう店長さん(@toranocoku)に、市販のプリンを使って、おうちで喫茶の雰囲気を味わう写真の撮り方を紹介してもらいました!
用意するもの
- 市販の焼きプリン
- プリンの器とシルバーのスプーン
- ホイップクリーム
- サクランボ
- 白いカップ&ソーサー
- コーヒーサーバー
- 角砂糖
主役+引き立て役の配置で、お店感を演出
イメージは、「喫茶店で注文したプリンのドリンクセット」
- 主役のプリンを中央手前に配置
- セットのコーヒーに、角砂糖とスプーンを添えて
- 左上のスペースにおかわり用のコーヒーを配置
要素は3つ程度に。主役が手前の逆三角形の配置にするとバランスよくまとまります。
複数枚で、料理を口に運ぶまでを連想させる




3~4枚(Twitterは4枚、Instagramは3枚)の組み写真で、運ばれてきたときのワクワク感や一口目のドキドキ感を伝えます。
- お客さん目線の斜め上から+俯瞰や真横も織り交ぜ、メリハリを出す
- 主役に寄った写真と、引いて飲み物など全体を入れた写真を撮る
- カトラリーを持って、実際に一口目をすくい取る様子を撮る
窓際の席をイメージして、サイドから自然光が入る位置で撮影します。
記事では、ナポリタンやホットケーキの撮影ポイントも紹介しています。みなさんもぜひ、おうち喫茶を楽しんでみてください!
2人の食事時間を写真として残していく
食事は何を食べるかも大切ですが、誰と食べるかも重要ですよね。『キミと僕のニコ日和』の中には、jyotaさん(@jt.333)とmisuzuさん(@pettit0524)の食卓が、幸せいっぱいに写し出されています。
会話が聞こえてきそうな料理風景


エプロン姿や少しふざけて見せる仕草、真剣な表情…。料理中は、いつもと違った相手の魅力に気づける瞬間でもあります。
一緒に食べる時間は何より幸せなひととき
2人で食べている様子を撮りたいときは、
- カメラを三脚などに固定して、相手だけ座った状態で構図や設定を決定
- リモートシャッターは写らないような位置で持つ
会話しながらシャッターを切ると、ナチュラルなセルフポートレート写真が撮れます。
この他にも、2人の暮らしぶりは大切な人との日々を素敵に残すヒントが満載です!
#NICO STOP企画で選ばれたフォトグラファーを紹介!
いつも#NICOSTOPの投稿をいただきありがとうございます。たくさんの投稿の中から、今回は素敵なコーヒータイムを動画で投稿していただいたsioさん(@_ion884)の作品をご紹介いたします。
コーヒー休憩しましょ。#コーヒー #NICOSTOP #coffee #コーヒータイム pic.twitter.com/smUdGbzusA
— sio (@_ion884) 2020年9月30日
編集部コメント
今回、はじめて#NICOSTOPで動画を紹介しました。SNSで他の方もおっしゃっていましたが、私も実は最初、テーブルフォトの作品かと思っていたんです。それが突然動き出したので動画ということに気づき驚きました。
ドリッパーにお湯が注がれて、膨らんだり沈んだりするコーヒーの様子を眺めていると、とっても癒やされます。光の入り方や色味、小物の置き方も素敵な作品だなと思いました。
そして、こちらを表紙に使用させていただきました。
photo by sioさん
sioさんコメント
ドリップコーヒーを淹れるとき、注がれたお湯で挽いた豆がふつふつと膨れて抽出されていく姿がとてもかわいいなと感じていて、それを動画に収めたいなと思い撮影しました。テーブルフォトのようなイメージで撮りたかったので、小物の色味などをまとめているのがこだわりポイントです。
これからも、#NICOSTOPでのご投稿を楽しみにお待ちしています。
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毎日の「食事」の撮り方や楽しみ方を知るだけで、日々のフォトライフがより豊かになるのではないでしょうか? 美味しい食事を、ぜひ写真でも味わってください!
でも、食べ過ぎにはご注意を…(笑)
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