
今回から新たに始まったWEB写真集。フォトグラファーたちが自らテーマを考え、心の赴くままにシャッターを切った、ここでしか見られない写真集をお届けします。第1回は、フジモリメグミさん(@fujimorimegumi)がライフワークとしている「日常」をテーマにした写真集です。
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Prologue
何気なく過ぎていく日常。
カメラというフィルターを通したとき、「小さな幸せの連続」であることに気づかされます。
そのことに気づき「誰かにとっての日常」を撮ることをライフワークにしてきましたが、長年住んだ街を離れることをきっかけに「自分の身のまわり、自分の日常を撮ること」の大切さにも目を向けるようになりました。
“半径50cm”という自分の手が届くところにあるヒト・モノ・コトをずっと覚えていたい…。愛おしいような、切ないような、そんな感情を抱きながらシャッターを切りました。
#50cm
日常の中にある私だけの特別

いつも目にする道や街並みに、ふと心奪われる。
それは季節のせいなのか、
自分の気持ちのせいなのか。

目に映るのは、
今も昔も大好きな植物たち。



時間を重ねるにつれ、
“好き”という気持ちが強まっているのを感じます。

#30cm
はじめての光景の中にある、いつかの記憶

心が動くとき。
それは、もしかしたら記憶と
つながっているのかもしれません。




はじめて見る光景なのに、
なぜか自分の思い出とリンクする。



子どもたちの声や誰かの忘れ物に、
いつかの自分を重ねたり。

光や天気が記憶を
フラッシュバックさせることだって。

#15cm
思い出たちが形づくる日常

子どもの頃、よく行った思い出の場所たち。


懐かしい記憶がよみがえると同時に、
“今”という新しい記憶が加わる…。


日々の積み重ねが
日常なんだと改めて気づかされます。

#10cm
変わらない日常、変わっていく日常

住み慣れた場所には、
自分だけのランドマークがあって。
目にするたび、
街と自分の記憶がよみがえってきます。

時間は過ぎていくのに、
それに抵抗する自分がどこかにいて。


今も変わらない景色に安心したり。


変わっていく街並みに少しさびしさを感じたり…。

#0cm
日々が折り重なる場所

家族や暮らしのある場所。
そこでは、私と家族の日々や記憶が重なって。



また新しい日常が生まれていく。
Photographer’s Note
“半径50cm”はものさしで測った長さではなくて、心の距離感。
親しい人や、子どもの頃から好きな生き物や植物、昔から知っている場所など、目にするとふと自分の記憶や思い出がよみがえってくるような光景。幼少時代を投影するような子どもたちの姿や、光と影の雰囲気がその記憶につながることもあります。
そういった心が動いた瞬間にシャッターを切った写真には“過去と今の自分”が写り込んでいて、新しい発見があることも…。そしてその写真は、見た人の心をも動かす力があると思っています。
Supported by L&MARK
※撮影協力:野毛山動物園

FE

Nikkor S Auto 5cm F2
フジモリメグミ
清澄白河TAP Gallery に所属し、展示会やZINEを主体に作品を発表。「日常というものは奇跡なのかもしれない」という思いが2011年から強くなり、日常を撮ることをライフワークとしている。日本写真芸術専門学校講師。2017年、写真集『apollon』出版。