気になるあの人の、撮影へ出かけるときに欠かせないアイテムを紹介する連載企画「フォトグラファーの鞄の中身」。今回はフィルムカメラユーザーで、モデルとしても活躍するKanai megさん(@kanaimeg)に、フォトグラファーのとき/モデルのときのそれぞれの持ち物をご紹介いただきます。
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こんにちは、Kanai megです。私は8年前にフィルムカメラを購入して以来その魅力にはまり、フィルム写真を撮り続けています。そして、ここ数年はモデルにもチャレンジしています。
Kanai megさん
- メイン機材:フィルムカメラ
- 作風:淡く曖昧な、心象風景のような写真
- モデル写真
photo by @ume44
photo by @nanono1282
フォトグラファースタイルの持ち物
私は、夢の中のように曖昧な心象風景のような写真だったり、自分が見ていて好きだと思える写真を撮りたいと思っていて、風景やスナップ撮影をよくします。


これは、車に乗って流れる景色を撮った写真。こんなふうに曖昧さのある写真が好きですね。
それに、人が多い都会的な場所は避けがちで、静かな場所や慣れ親しんだ場所に出かけることのほうが多いです。よく通る場所は「この時間ならあの辺りの光がよさそう」と予想がついたり、逆に見慣れた場所をドラマチックに撮るおもしろみもあります。
街歩き撮影の鞄の中身
この日は、私にとってなじみ深い蒲田駅まわりを、久しぶりに撮り歩いてきました! 蒲田は、商店街や飲み屋さんが立ち並んでいたり、「タイヤ公園」と呼ばれるタイヤだらけの公園があったり、いい意味で混沌としている愛おしい街です。
- リュック
- カメラ+レンズ
- フィルム
- 前ボケに使えそうなアイテム
- お手入れ道具(レンズペン)
- その他(日記や化粧ポーチなど)
Point
以前は、大きな鞄に機材を詰めこむほどいい写真が撮れると思っていましたが、実際は重たくて行動が制限され、いいことがありませんでした。最近はできるだけ荷物を軽くして、撮ることに専念できるようにしています。
鞄は、取り出しやすさと持ち運びやすさが大事!
撮影に出かけるときに愛用しているのが、NAUGHTIAM(ノーティアム)のリュック。
ハンドル付きなので、電車移動のときなどにも便利です。
撮影のときはリュック派で、これは3年前から使っているもの。前面/真ん中/背面とスペースが3つにわかれていて、収納力が抜群です。
特に、真ん中のジッパーが下まできているのがポイント! カメラなど重いものは極力下に入れたいんですが、下の部分を開け閉めできるので取り出しが楽なんです。
8年前からこれ一筋のフィルムカメラとストラップ
8年前に購入したFM。
カメラはメインの一眼レフと、気分に合わせて+α
フィルムカメラは、一眼レフのFMを8年前に買ってから使い続けています。他には、ハーフサイズカメラやレンズ付きフィルムなど、気分に応じて使いわけていますね。
- 一眼レフ:「撮るぞ!」と気分が盛り上がったり、旅行先でしっかり写真を撮りたいとき
- ハーフサイズカメラやレンズ付きフィルム:気軽にシャッターを切りたいとき、散歩などで荷物をあまり持ち歩きたくないとき
壊れている露出計もカメラの個性
一眼レフの露出計は、実は途中で壊れてしまって…。最初は焦りましたが、徐々に光を読めるようになり、今はカメラの個性として楽しんでいます。どうしても不安なときは、一緒に撮影に行った人にF値とシャッタースピードを聞いたりすることもありますが(笑)
私にとっての標準レンズは35mm
レンズは、これまで50mmやズームレンズなどいろいろ試してきて、35mmに行き着きました。少し引いた距離感が心地よくて使いやすいんです。
35mmのレンズで撮った写真。
今も使い続ける思い出のカメラストラップ


カメラストラップは、フィルムカメラを買いに行ったときにお店の人から記念にもらったもので、思い出の品として使い続けています。
普段は首から下げて。手を伸ばして撮りたいときや首が凝ってきたときは、腕に巻いて。どちらにも応用がきくので、ネックタイプは便利です。
フィルムは、入手しやすいものを普段使いに
今よく使っている「FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400」。
持ち歩くフィルムは3本くらいで、少し暗い場所でも撮れるようにISO400のものに。写真店で入手しやすい「FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400」の3本セットを今はよく使っています。
現像&データ化は、行きつけのポパイカメラさんで
自由が丘にあるポパイカメラさんに昔から通っていて、「コントラスト低め&淡く」と仕上がりを頼むのがお決まりのコースです。
「コントラスト低め&淡く」で仕上げていただいた写真。
コントラストが低くて淡い写真に惹かれて、気づけば自分もそういう写真を撮るようになっていました。見ていて安心する写真…、勝手に「胃もたれしない写真」と呼んでいるんですが、そういう写真を自分も撮りたいと思っています。
意外性を楽しむアイテムたち
特殊効果のあるフィルター類は買わないんですが、「前ボケになりそうだな」と思ったものを試してみることがよくあります。
予想がつかないものを使うのが好きで、「どんなふうに撮れたかな?」とワクワクする時間が最高なんです! わざわざ用意するのではなくて、たまたまあったものを使う一期一会感がまたいいんですよね。
この日の朝に見つけて持ってきたアイテム
- 使わなくなったスマホケース
- うっすら緑がかった容器の香水
使わなくなったスマホケース
透かしたときに凹凸でランダムに景色が揺れて、予想がつかなくてとても楽しいです。オレンジ色の模様が前ボケとしてもいいアクセントになりました!
スマホケースをかざして撮った写真。
うっすら緑がかった容器の香水
中が液体なので、光に透かすと反射して新しい光を創り出してくれました。ボトルは直線で、ピントの合ったエリアとぼけたエリアがはっきりわかれるのもおもしろいです。
香水の容器をかざして撮った写真。
モデルスタイルの持ち物&服装
モデルをするときは、フォトグラファーさんの作風に合わせて雰囲気を変えるようにしています。その人の作品を参考にして、明るめ/暗めなどイメージを決めて、それによって服装や持ち物を考えます。
今回、撮影していただいたユウスケさん(@syrup93g)は、オシャレで落ち着きのある作風だったので、そういったイメージの持ち物を意識しました。
モデルをする日の鞄の中身
- バッグ
- 雰囲気の違うアクセサリー
- 色や質感の異なるリップ
- 化粧ポーチやミラーなど
- 撮りたくなるかもしれないので、カメラも
Point
バッグを持ってポージングすることもあるので、かさばらないように持ち物は極力少なくします。
鞄は小さく折りたたむことができる、Longchamp(ロンシャン)のバッグ。
このバッグは折りたためるので、遠出の撮影などではメインの鞄に入れておいたりもします。大きい鞄はロッカーに預けて、このバッグにアクセサリーや化粧道具を入れて出かける…ということもできるんです。
色の印象を考えた服装選び
モデルをするときは服装選びが何より大切で、色は重要な要素だと思います。
今回は、シックからカジュアルまで幅広く撮影できるようにモノトーンの服装にしました。黒のインナー、白シャツ、グレーのアウター。そして、アクセントで赤い靴を。
色ごとの作品バリエーション
- 黒でシックに
シックな作風、特に影や暗さを生かした作品では黒がマッチ。黒は主張を抑えながら、いろんなイメージに合うので重宝します。
- 白で、明るいイメージや光の反射を取り入れる
白は、明るいイメージやポイント的に明るさを出したいときに取り入れます。また、使い方次第でシックな印象にも。光を反射するので、作品のアクセントになります。
- グレーなら、シックにもカジュアルにも
中間色のグレーはいろんなテイストに合うので、とても便利です。
ちなみに服やアクセサリーを買うときは、いつからか「モデルをするときに映えそうだなあ、よさそうだなあ 」が基準になっていました。なので最近の私服は、 “撮影を前提にした私服”です。
私は、色がシンプルでシルエットがきれいな服を選ぶことが多いので、その分アクセサリーは存在感が大きくて色が少し目立つもの、作家さん手作りの一点物のようなレア感があるものを選びがちですね。
イメージに合わせてアクセサリーとリップを変える
作品のイメージに合わせられるように、アクセサリーは印象が違うものを用意していきます。加えて、そのイメージに合うようにリップの色や質感も変えます。


- 左:暖色系のカジュアルなアクセサリー+オレンジ系のツヤ感のあるリップ
- 右:シルバーや寒色系のシンプルなアクセサリー+パープル系のマットなリップ
暖色系のアクセサリー+リップで、明るさを出す
インパクトのあるイヤリングがアクセントで、活発な雰囲気も出すことができました。
シンプルなアクセサリー+マットなリップで、シックな雰囲気に
イヤリングとリップを変えただけで、印象ががらっと変わると思います。このとき、落ち着いたグレーのアウターに変えたのもポイントです。
手元にも表情をつける
リングやバングルなど、手元のアクセサリーは光を反射するので、写真のアクセントとしても生きてきます。
【番外編】自分を振り返ったり、写真欲をアップさせる日々のこと
最近は、常にカメラを持って撮影に出かけるというよりも、写真欲がアップしてきたときに撮りに行く…というほうが多くなってきました。
日記で、自分の心が揺れた瞬間を再確認する
その日あったいいことや素敵だったものを日記に記録するようにしています。日常でもふと心に残る風景は実はかなりあって、それを記録していると“自分の心が揺れる瞬間”を再確認できるんです。そうすると、写真を撮りたい気持ちが増してくるんですよね。
たくさんの人がいるときも、輪の外にいる感覚を覚えることがあって…。それを日記で見返して、イメージした世界を再現した写真です。
雑誌で、“自分の好き”や流行をチェック
撮影に出かけるときもモデルをするときも、雑誌をよく見ています。
特に、写真集のようなファッション誌『Palm maison』は、バックナンバーも集めるくらい好きです! 1冊にいろんな作風の写真が載っていて、心惹かれるものを見つめ直すために読んでいます。
モデルをする上で流行を把握しておくために、『FUDGE』や『CLUÉL』などのファッション誌のチェックも欠かさずしていますよ。
Photographer's Voice
撮影に出かけるとき/モデルのときのそれぞれの持ち物を紹介しましたが、他の人の持ち物ってやっぱり気になりますよね! 私も、nanoさんや酒井さんの記事を実は読んでました。他の人が使っている便利グッズはぜひ試したいので、次回以降もチェックしたいと思います!
ちなみに私は今、見やすいフィルムファイルがほしいです。現像したフィルムは袋のまま箱にしまっているので、見返せるように整理したいと思っています。それと、何か前ボケに使えそうなおもしろいものがないか、身のまわりを漁っています(笑)
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さて、次は誰の鞄の中身を拝見しましょう? 次回もぜひお楽しみに!!
※記事内で紹介している商品はフォトグラファーの私物であり、すでに販売されていない可能性があります。メーカーやブランドへの問い合わせはご遠慮ください。
撮影:ユウスケ(@syrup93g)
Supported by L&MARK

Kanai meg
フォトグラファーとしてだけでなく、モデルとしての表現にも力を入れている。「冷たさや暗さの中に前向きな感情がのっている作品を作っていきたい」