Q1. 写真を始めたきっかけと、普段撮る写真について教えてください。
もともとはレンズ付きフィルムカメラやコンパクトデジタルカメラで、旅行や特別な日だけ撮っていました。ちゃんと写真を始めたのは、今の妻と付き合い始めたときです。直感で「この人と結婚する」と思い、日々をちゃんと写真に残したいと思ったことがきっかけです。
撮る対象は、写真を始めた頃からあまり変わっていません。街中でも自宅でも、一見なんでもない光景のなかに、自分なりの美しさや心地よさを探しています。カメラは常に持ち歩き、気になったものをどんどん撮っています。というのも、「今日は撮らなそうだな」と自宅にカメラを置いていったときほど、撮りたいものに出会ってしまうからです。
特に撮りたくなるのは晴れの日ですね。写真に慣れた人ほど、雨や曇りの日を好んで撮りに出ていく印象があります。でも僕の場合は、写真以前に「自分自身が気持ちいいかどうか」が大事なんです。雨の写真自体は好きなのですが、濡れるのが嫌で気分があまり乗らなくて。青色が圧倒的に好きなことも晴れの日が好きな理由です。
撮るときに大切にしていることは二つあります。ひとつは、演出しないこと。子どもを撮るときも、ポージングを指示したり、小道具を持たせたりはしません。もうひとつは、平面的に撮ること。写真は二次元で立体感を表現するアートですが、僕はあえてグラフィックのように平面的に撮ることを大切にしています。
Q2. Z5IICの使い心地やよかった点について教えてください。
フラットトップデザインは、とてもスタイリッシュだと感じました。最初はこれまでの癖で、ファインダーがないのについ顔の前でカメラを構えてしまうこともありました。ただ、慣れてくるとスマートフォンのように気軽な感覚で撮れるようになり、撮影枚数が普段よりぐっと増えました。また、コンパクトなボディーにもかかわらず、大型カメラ並みにしっかりしたグリップを備えていて、片手でも安定して構えられて安心感がありました。
機能面では、撮影モードを[オート]にしておけば、逆光でも暗い部分が真っ黒に潰れないよう、自動で暗部を持ち上げてくれるので、カメラ初心者でも露出に失敗することがないと思いました。シーンモードを使えば、明るさだけでなく色合いやコントラストまで自動で整えてくれます。一般的には、感度を上げるほどノイズは出やすくなりますが、ISO 3200でもノイズが少なく、ISO感度AUTOの上限を6400にしても問題ないと思いました。
スマートフォンとの違いとしては、まずボケの美しさが目を引きます。ただ、個人的に実際に差が大きいと感じたのが階調表現です。明暗や色の移り変わりがなだらかにつながり、気持ちのいい絵づくりができます。
なかでも気に入ったのはフィルムグレインです。フィルム特有のざらついた質感(粒状感)を自然に加えてくれる機能で、スナップがよりエモーショナルになります。グレイン[中]・適用量[4]がほどよく、日中でも暗い場所でも常用したい設定です。
使っていて好きなレンズは、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1です。軽いのに解像感が高いですし、望遠側では画面いっぱいになるくらいまで近づけるので、花などの被写体では思った以上に大きなボケが得られます。
Q3. 嵐田さんのイメージングレシピ「Japanesque Film」について教えてください。
僕のレシピをひと言でいえば、「街中の写真屋さんが現像機で仕上げたフィルム調」です。ひと口にフィルム調と言っても、「ラボで端正に仕上げた中判フィルム」や「色鮮やかなポジフィルムで撮った写真」など、さまざまなイメージがありますが、僕のレシピは少し濁らせた、クセのある色調が特徴です。
僕にとって写真の色は、「何を撮るか」と同等に重要です。どれほど被写体や構成がよくても、色が好みでなければ、それ以上は興味が続きません。むしろ写真を見るときは、何が写っているかより先に、全体の印象として色が目に飛び込んでくると思っています。
撮影後に色を編集して自分の世界観を追求するのもいいのですが、撮る段階で自分らしい色を見ながらシャッターをきれるのは、やはり気持ちがいいです。編集作業から解放されるのも魅力ですね。ファインダーがないぶん、撮影時の液晶画面に自分の色がそのまま映っているのも嬉しいポイントです。
Q4. お気に入りの作例について教えてください。
一枚目は、海を見下ろす丘の上で撮った家族の後ろ姿です。山と海の色合いや、強い日差しを受けた日傘など、夏を感じる要素に惹かれて撮りました。日差しと湿度、そしてほんの少しの潮の匂いまで感じられるところが気に入っています。画角がスマートフォンに近い24mmということもあり、普段どおりの気軽さで撮れました。
二枚目は、東京の街中を散歩しながら撮った写真です。象徴的なビルの佇まいと、青空と雲の表情に惹かれてシャッターをきりました。変にひねらず、ストレートに気持ちいいと思ったものを撮れているところが気に入っています。大きな一眼カメラを持って街中で撮影すると、どうしても大げさな感じになってしまいますが、Z5IICはコンパクトなので、人目を気にせずさっと構えられました。
三枚目は、ビーチでSUPに二人乗りしている女性たちを撮った一枚です。楽しそうな、リラックスした雰囲気に惹かれてシャッターをきりました。写真には写っていませんが、フレームの外では雨雲が迫ってきて空が暗くなっており、ただの快晴の海とは異なる趣になったところが気に入っています。
Q5. 最後にこれからZ5IICを手にする人へメッセージをお願いします。
Z5IICは、リビングに置きっぱなしにして、肩肘張らずに日々のたわいのない瞬間を残していくのに合うカメラだと思います。フラットトップデザインでカバンにおさめやすく、ひっかかりなくさっと取り出せるので、撮りたい瞬間を逃しません。それでいて、コンパクトながらスマートフォンよりはるかに大きいフルサイズセンサーを搭載していて、大きなボケのある一眼カメラらしい写真が撮れるのも魅力です。
スマートフォンで撮ることに慣れている人にこそ、その違いを感じてもらいたいですね。コンパクトで画質のいいカメラを求めている人、ファインダーよりも液晶画面を見ながら構図を決めたい人には、最高の1台だと思います。
フルサイズカメラというと、使いこなすのが難しそうなイメージがあるかもしれません。ですが、Z5IICはカメラ任せにできるモードが充実しているため、撮りたいものに向けてシャッターをきるだけで、イメージに近い写真が撮りやすいはずです。ぜひ気軽に手に取ってみてください。