Q1. 普段の暮らしと、家族の日常を写真に残すようになったきっかけを教えてください。
僕にとって理想の暮らしであった「家族との時間を優先する」ために、銀行員から薪窯パン屋になりました。いまは1種類ずつパンとお菓子を焼いて、全国へ届けています。普段は午前中に働いて、午後は子どもたちと過ごす日々です。毎日一緒に遊んで、食卓を囲んで、一緒に寝る。何気ない日常ですが、僕にとっては幸せを感じられる時間です。趣味はカメラと読書ですね。
カメラを始めたきっかけは、僕が妻のことが大好きで、毎食一緒にご飯を食べたいなと思って銀行を辞めたことでした(笑)。家族で食卓を囲むことも含めて、日常のなかに幸せはたくさん詰まっていると考えています。それを感じるだけでなく、残したいと思って写真を撮るようになりました。気づけば写真の楽しさにハマってしまって、撮ることが習慣になっています。
カメラは普段から身近に置いて撮影しています。家族の日常の記憶を残すことがいまの楽しみごとですし、シャッターチャンスは突然やってくるので、逃したくなくてこのスタイルになりました。
Q2. 撮るときに大切にしていることを教えてください。
撮るのは妻や子どもたちの日常がほとんどです。撮影のときに寄りすぎると出来事の状況が掴めないので、できるだけ人物とそのときの状況が思い出として残るように意識しています。
特に「今、撮っておきたい」と思うのは、子どもが好奇心いっぱいに取り組んでいる瞬間です。料理をする、川遊びをする、虫を追いかける。夢中になっている姿は本当に尊くて、常々そう感じています。
僕が普段使っているのは、動く子どもを撮るのには向いていない、手動でピントを合わせるレンズなんです。ただ、ピントが合わない=失敗ではなくて、それ以上にそのときの雰囲気が残ることを大切にしています。目の前にある幸せに気づいて撮ることができれば、僕にとっては十分に良い写真です。思い出を残すという視点では、細かい失敗を気にせず、おおらかな気持ちで撮るほうが、撮影自体も楽しくなるように感じます。たくさん撮っていれば子どもたちも慣れてくるので、よりいい写真が生まれる環境になっていくことも実感しています。
Q3. Z5IICの使い心地やよかった点について教えてください。
ニコンにはとても硬派なイメージがあり、Z5IICもまさにそのままの佇まいで格好いいというのが第一印象です。でも実際に使ってみて驚いたのは、その見た目とは裏腹に、家族の誰もが自然と手に取れるカメラだったことです。9歳の長女は「私はZ5IICが一番使いやすい」と感想をくれました。グリップの握りやすさが抜群なので、小さな手でもしっかり構えられるんです。
妻も持っているカメラのなかで一番軽くて扱いやすいと言っていました。気がつくと、家族の誰かがカメラを持って撮っている。普段なら僕しかカメラを持たないところが、いつのまにか家族全員が撮り手になっていました。
撮影モードの[オート]を使えば、シャッターをきるだけでちゃんと撮れるので、初心者でも気負う必要がありません。また、ファインダーがないぶん、構図をじっくり考えるというより、サクサクと直感で撮れる。この気軽さこそが、家族のあいだをカメラが自然と行き来する理由なのだと思います。
レンズはNIKKOR Z 40mm f/2が僕のベストでした。ピント合わせが本当に速くて、動き回る子どももバッチリ。背景も程よくボケて、フルサイズ機ならではの魅力を堪能できます。キャンプでのふとした表情も、公園を駆け回る姿も、しっかりと思い出として残すことができました。
スマートフォンも気軽に撮れますが、ボケの自然さは歴然の差です。思い出に残す写真にはひと手間を加えたい。そう思うと、やっぱりカメラ一択ですね。そして何より、家族それぞれの視点で撮った一枚が増えていくこと。撮る人が増えれば、残る思い出も増えていく。Z5IICは、そんなカメラでした。
Q4. 菊本さんのイメージングレシピ「Satoyama」について教えてください。
里山の空気感をイメージしたレシピです。木のうつわ、土、緑が持つ素朴なあたたかさを大切にしながら、明るい部分が真っ白になりすぎず、肌の色や白いご飯の質感もそのまま残るように調整しています。薪窯のある暮らしのように、飾らない日常の光景をやさしく写し取りたい人におすすめです。作り込んだ「映え」ではなく、日々見ている景色が、見ているままの温度で残る感覚があります。
※本イメージングレシピは2026年内に公開予定。
Q5. お気に入りの作例について教えてください。
一枚目は、キャンプでみんなで作ったカレーを食べているときの写真です。次女が自分で切った食材を、うれしそうに食べている姿に惹かれました。日頃の無邪気な姿を収められたところが気に入っています。いつもはファインダーを覗いて撮っていましたが、Z5IICはファインダーがないぶん、直接顔を見ながら撮影できる。これは被写体にとっても緊張感が減って、素を出しやすくなると感じました。
二枚目は、次女が公園でブランコをしているときの写真です。楽しいようでずっと大声を出して笑い続けていたので、妻がこれは残したいとシャッターをきりました。幸せそうな顔が撮れたところが気に入っています。日頃使っている、手動でピントを合わせるレンズではまず撮れない写真です。ピント合わせの性能に驚きました。
三枚目は、畑のスイカを収穫したシーンです。長男の大好物であるスイカを収穫して、うれしそうな表情に惹かれてシャッターをきりました。いますぐ食べるのを楽しみにしていて、笑顔が溢れているところが気に入っています。収穫のときは3歳の次女もいたのですが、Z5IICだと気軽に撮影できるので、次女の子守りをしながらでも簡単に撮影できました。
Q6. 最後にこれからZ5IICを手にする人へメッセージをお願いします。
僕もスマートフォンだけの頃がありましたし、いまもスマートフォンで撮ることはあります。でも、カメラで撮り出してしまうと、大切な思い出はカメラで残したいと思うようになりました。将来、思い出を振り返るとき、ひと手間かけた写真のほうが僕は幸せだろうなと感じるからです。
Z5IICをおすすめしたいのは、小さい子どもがいるお母さんです。僕自身、母親と同じくらい子どもの傍にいると思っているのですが、日常のなかには本当にたくさん、残したいと思う子どもの瞬間があります。でも、いい写真を残したいと思っても、特に子どもとの外出の際は荷物が増えるので、フルサイズを持ち運ぶことはどうしても難しい。Z5IICであれば、コンパクトかつ片手で構えて、簡単にひと手間かけた写真が撮れてしまいます。子育て中って本当に大変ですよね。そんななかでも、今しかない大切な思い出を残してくれるカメラだと実感しています。
ニコンのカメラは「質実剛健」で、本当に安心して使えるカメラです。僕はフィルムのような、懐かしく温かみのある写真が好きなのですが、ニコンには昔ながらの名レンズがたくさんあるので、レンズを付け替えてそうした写真が撮りやすいことも大きな魅力に感じています。これは歴史あるメーカーだからこそですね。Z5IICは初めてカメラを持つ人から、経験を積んだ人まで、ニコンの無限大の表現力と機動力で満足させてくれる、長く付き合えるカメラなのではないでしょうか。