Q1. 普段の暮らしと、写真を撮るようになったきっかけを教えてください。
普段は在宅で仕事をしているので、家で過ごす時間が多いです。仕事が終わったあとは、愛猫のチャコと過ごしたり、撮った写真を整理したりしながらのんびりしています。休日は散歩や買い物で出かけることも多く、そんなときはカメラも一緒です。写真は趣味であると同時に、気分を切り替える時間にもなっています。
始めたきっかけは、当時運営していたブログに載せる写真を、もっときれいに撮りたいと思ったことでした。その後は一度カメラから離れ、「スマートフォンで十分」と思っていた時期が長く続きます。ただ、次第にスマートフォンの何もかもがくっきりと「映りすぎる」描写に物足りなさを感じるようになり、もう一度カメラで撮ってみたいと思うようになりました。
以前は特別な場所やきれいな風景を撮ることが多かったのですが、改めてカメラを始めてからは、普段ならそのまま通り過ぎてしまうような、ありふれた日常のなかにある瞬間に惹かれるようになりました。
家ではチャコを撮ることが多いですね。遊んでいる姿はもちろん、窓辺で外を眺めていたり、気持ちよさそうにゴロゴロしていたりする、何気ない姿もよく撮っています。猫は「いいな」と思った一瞬がすぐに過ぎてしまうので、考えるよりも先に体を動かし、反射的にシャッターをきるようにしています。
撮るときに大切にしていることは、光や色、その場の空気感。きれいな構図をつくることよりも、そのとき自分が感じたものに素直に反応して残すことを意識しています。被写体との距離感も大事です。こちらから踏み込みすぎたり、何かを作り込んだりするのではなく、その場にあるものや自然に起きたことに反応して撮るようにしています。
Q2. Z5IICの使い心地やよかった点について教えてください。
スマートフォンは全体が均一にはっきり写る印象がありますが、Z5IICではピントを合わせた被写体と背景のボケが自然につながり、見せたいところとそうでないところを無理なく分けられる感覚がありました。チャコを撮ったときは、毛の一本一本の細かさや柔らかさ、立体感までしっかり感じられ、NIKKOR Z 40mm f/2では背景が自然に溶けることで、チャコがふっと浮かび上がるような描写が印象的でした。また、窓を背にした室内の明暗差の大きい場面でも、明るい部分と暗い部分のどちらかが不自然に崩れることがありません。写しすぎないことで奥行きや立体感が生まれ、その場の空気まで写し取れるようなところに、スマートフォンとの違いを感じました。
自宅でチャコを撮るときに頼もしかった機能が、動物を自動で見つけてくれる被写体検出と、ピント合わせの速さです。急に動いたときでも素早く合わせてくれるので、撮り逃しが少なくなりました。1秒間に約14コマの連写もできるので、一瞬の動きも残しやすいです。あとから見返すと、チャコがおもちゃをつかみ損ねている瞬間が意外と多いと気づくことも。猫特有の、流動体のようにくるくると変わる動きを残せるところに面白さを感じました。チャコが比較的ゆっくり過ごしている場面では、シーンモード[ペット]がいい写真を撮るのを助けてくれました。
花を撮るときにはシーンモードの[クローズアップ]を使いました。普段は明るさやボケ具合を自分で細かく設定していますが、シーンモードなら細かな設定を気にせず、被写体を見ることに集中できます。ギリギリまで近づいてもしっかりピントが合い、背景もほどよくボケるので、花びらの繊細な質感まで印象的に残せました。
フィルムグレインも、大きさや強度によって印象が大きく変わるのが面白かったです。グレインを加えるとクリアな描写が少し和らぎ、温度感や懐かしさが生まれます。フィルムらしく見せるためのものというより、写真の雰囲気をつくる表現のひとつだと感じました。
[小]はさりげなく繊細、[中]はほどよく粒状感が加わり、光を感じるような場面によく合いました。[大]はざらっとした質感が強くなり、存在感のある仕上がりになります。花や静物では[小]、日中のスナップでは[中]、夜や影の多い場面では[大]という使い分けが気に入りました。なかでも好きなのは夕暮れどきに[中]で撮った写真です。やわらかな光にほどよい粒状感が加わることで、その時間帯の空気や温度まで残せるような感覚がありました。
Q3. asamiさんのイメージングレシピ「Yoin」について教えてください。
普段から、目の前の色をそのまま鮮やかに残すというよりも、写真を見返したときに、その場の空気や自分が感じたことまでふっと思い出せるような色づくりを意識しています。今回のレシピ「Yoin」では、色の鮮やかさを少し抑えて全体を落ち着かせながら、暗い部分は適度に締め、明るい部分はやわらかく残しました。日常の何気ない場面にも、どこか余韻を感じられるような色を目指しています。
普段は撮影後に色を整えることが多いのですが、最初から自分のイメージに近い色で見られると、「この色ならここを撮りたい」と思う場面も出てきます。色そのものが撮影のきっかけになる感覚ですね。撮ることと色をつくることが別々ではなく、ひとつながりになったように感じました。
※本イメージングレシピは2026年内に公開予定。
Q4. お気に入りの作例について教えてください。
一枚目は、爪とぎの向こうから、おもちゃをじっと見つめて顔を覗かせているチャコです。夢中になっている表情がかわいくて、すぐにカメラを向けました。こちらを意識していない、普段どおりの自然な姿を残せたところが気に入っています。
二枚目は、カーテンをくぐりながら、チャコが気持ちよさそうに伸びをした瞬間です。猫のこうした仕草はほんの一瞬なので、「いいな」と思ってすぐにカメラを向けました。カーテン越しのやわらかな雰囲気と、のびのびとした姿を一緒に残せたところが気に入っています。チャコの何気ない仕草は、少し迷っている間に終わってしまいます。Z5IICは手に取りやすく、起動してから撮影までがスムーズなので、「撮りたい」と思ってすぐにカメラを向けられました。
三枚目は、夕方、逆光のなかに咲いていた花です。花そのものというより、傾いた光に照らされた輪郭や、その場の空気に惹かれてシャッターをきりました。暗い部分をしっかり残しながら、光の温かさや少し曖昧な雰囲気まで写せたところが気に入っています。
Q5. 最後にこれからZ5IICを手にする人へメッセージをお願いします。
スマートフォンに近い感覚で気軽にカメラを始められるところが、大きな魅力だと思います。持ち出す負担が少なく、画面モニターを見ながら撮影できるので、スマートフォンに慣れている人でも馴染みやすいはずです。シーンモードを使えば細かな設定を覚えなくても撮影を楽しめますし、イメージングレシピで自分の好きな色を選ぶ楽しさもあります。それでいて、フルサイズならではの自然なボケや立体感のある描写を味わえます。
初めて本格的なカメラを使う人はもちろん、すでにカメラを使っていて、日常用に気軽に持ち歩ける一台を探している人にもおすすめしたいですね。撮影を目的に出かけるというより、日常のなかで「撮りたい」と思った瞬間にすぐカメラを向けたい人に、特に合うカメラだと思います。
特別なものを撮りに行かなくても、いつもの日常のなかには「撮りたい」と思う瞬間がたくさんあります。まずは「いいな」と感じた気持ちのままカメラを向けてみてほしいです。スマートフォンとはまた違う、カメラで日常を残す楽しさを味わってもらえたらと思います。