もっとフォトライフを楽しんでいただくために、ニコン製品のカメラやレンズのご紹介から、皆さまの作品のご紹介など、SNS公式アカウントから発信しています!
ニコンイメージングジャパンが開催するイベント情報をご覧いただけます。カメラ好きが集まる撮影会から、初心者に優しい撮影体験などたくさんのイベントをご案内します。
「ニッコールクラブ」は、ニコンカメラをご愛用いただいている方の相互交流のための団体です。その活動内容やイベントなどをご紹介しています。
「TopEye」は全国の中学校・高等学校の写真活動を応援する写真マガジンです。「TopEyeフォトコンテスト」は人気コーナーで、入賞作品もご覧いただけます。
深夜のニュータウンを巡る撮影は、オープンワールド型ネットゲームの世界に没入する感覚に近い。ゲームにログインする代わりに、撮影機材を肩にかけてドアを開け、現実のフィールドマップへと探索に出るのだ。
小型スクーターで走り慣れた丘陵地帯を巡り、ポイントとなる交差点に三脚を設置する。中国製シネマレンズを装着したミラーレスカメラを道路対岸の歩道に向け、ただ静かに人影を待つ。やがて誰かが現れ、赤信号で立ち止まる。その顔はスマートフォンの青白い光に照らされているが、遠く、輪郭は曖昧だ。
シャッターボタンを押すと、超高感度ノイズに覆われたランドスケープ画像が赤色LEDの点滅とともに記録されていく。イメージは高度なAIノイズ除去処理を経て、写真的リアリティが失われるが、その対価として仮想的リアリティを獲得する。写真の中の交差点は、現実と仮想の境界がゆっくり溶け出す場所となる。
(坂口 トモユキ)
1969年 香川県生まれ
東京都多摩市在住。
2008年 写真の会賞 受賞。主な写真展に「HOME」(ガーディアン・ガーデン, 2006)、「痛車Z」(pixiv Zingaro, 2012)、「Midnight Logistics」(Sony Imaging Gallery, 2021)などがある。
写真集として「GOING HOME」(蒼穹舎、2025)、「HOME」(蒼穹舎、2007)、「痛車Z」(エンターブレイン, 2012)があり、同人誌としての写真冊子を不定期に頒布。写真集HOMEは、マーチン・パーが選ぶ「Martin Parr’s Best Books of the Decade」( PhotoIreland 2011)に選出。現在、東京造形大学、武蔵野美術大学、日本写真芸術専門学校で非常勤講師を勤める。
