Nikon Imaging | Japan
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<ニコンサロン>
坂口 トモユキ
Going Home

会期

2026年1月6日(火)~2026年1月19日(月) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

深夜のニュータウンを巡る撮影は、オープンワールド型ネットゲームの世界に没入する感覚に近い。ゲームにログインする代わりに、撮影機材を肩にかけてドアを開け、現実のフィールドマップへと探索に出るのだ。

小型スクーターで走り慣れた丘陵地帯を巡り、ポイントとなる交差点に三脚を設置する。中国製シネマレンズを装着したミラーレスカメラを道路対岸の歩道に向け、ただ静かに人影を待つ。やがて誰かが現れ、赤信号で立ち止まる。その顔はスマートフォンの青白い光に照らされているが、遠く、輪郭は曖昧だ。

シャッターボタンを押すと、超高感度ノイズに覆われたランドスケープ画像が赤色LEDの点滅とともに記録されていく。イメージは高度なAIノイズ除去処理を経て、写真的リアリティが失われるが、その対価として仮想的リアリティを獲得する。写真の中の交差点は、現実と仮想の境界がゆっくり溶け出す場所となる。

(坂口 トモユキ)

プロフィール

坂口 トモユキ(さかぐち ともゆき)

1969年 香川県生まれ
東京都多摩市在住。
2008年 写真の会賞 受賞。主な写真展に「HOME」(ガーディアン・ガーデン, 2006)、「痛車Z」(pixiv Zingaro, 2012)、「Midnight Logistics」(Sony Imaging Gallery, 2021)などがある。
写真集として「GOING HOME」(蒼穹舎、2025)、「HOME」(蒼穹舎、2007)、「痛車Z」(エンターブレイン, 2012)があり、同人誌としての写真冊子を不定期に頒布。写真集HOMEは、マーチン・パーが選ぶ「Martin Parr’s Best Books of the Decade」( PhotoIreland 2011)に選出。現在、東京造形大学、武蔵野美術大学、日本写真芸術専門学校で非常勤講師を勤める。