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ある日、神社で一枚の集合写真を見つけた。
そこに並ぶ人々は、すでにこの世にいない。けれど、彼らは像となって、今なおこちらを見つめている。
かつてここにいた。けれど今は、どこにもいない。
写真は“消えゆくもの”を写し取ろうとしてきた。けれど、記録の力さえも揺らぎはじめたこの時代に、なお像は──誰かの痕跡として、幽明のあわいにひっそりととどまる。
祖父が集めた石。母が捨てようとした人形。名も知らぬ人々の写真。
それらは時間を超え、変わらぬ気配としてそこにある。
変わっていくのは、いまを生きる私たちのほうだ。
私は、不在を呼び起こすために、“何者でもない何か”として写ることを選んだ。
人間でも人形でもない存在を演じ、無意識のうちに“変わらないもの”になろうとする。
その演技は、写真という舞台に、どこか幽玄な気配を立ちのぼらせる。
本展は、二冊のA2判写真集──『いのちは赤色、あの海は青色』『化石を見つけた日の夢』──をもとに再構成した。
記憶たちが静かに空間を満たし、かつて“誰かが生きていた”という、取り返しのつかない事実が、ふと立ち現れることを願っている。
(西浦 和彦)
1983年、三重県生まれ。
2024年、京都芸術大学 通信教育部 美術科写真コース卒業。
現在、京都芸術大学大学院 通信教育部 写真・映像領域に在籍中。
「消えゆくものをどのように残せるのか」という問いを軸に、
記憶や痕跡、時間の流れをテーマに制作と研究を続けている。
受賞歴
2024年 京都芸術大学 同窓会特別賞(卒業制作『いのちは赤色、あの海は青色』)
2024年 FUJIFILM AWARD(KYOTOGRAPHIE International Portfolio Review 2024)
主な展示歴
〈個展〉
2024年7月 「いのちは赤色、あの海は青色」
会場:かまどの下の灰まで gallery(和歌山)
〈グループ展〉
2024年3月 「2023年度 京都芸術大学 通信教育課程 卒業・終了制作展」
会場:京都芸術大学(京都)
2025年2月 西浦和彦・サンダアヤネ 二人展「消えゆくものが残すもの」
会場:LOOMROOM(三重)
主なイベント
2024年5月 「西浦和彦さんの写真集『いのちは赤色、あの海は青色』を囲んで」
会場:PURPLE(京都)
2024年11月 「写真集を紐解く、綴じ返す ― 西浦和彦さんの写真集を囲んで Part2」
会場:PURPLE(京都)