Nikon Imaging | Japan
ニコンイメージング会員の方は、5,000円(税込)以上のご購入で送料当社負担

第24回(2022年度)三木淳賞受賞作家新作展
宛 超凡
河はすべて知っている―黄浦江

会期

2025年10月7日(火)~2025年10月20日(月) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

風景は、その土地の政治・経済・社会の状態を映し出すものなのか。政治は、風景を静かに変えつつあるのか。川は、こうした変化をどのように黙って見つめているのか。私は、それを知りたい。だから私は、川辺を歩くことにした。
本作品は、「河はすべてを知っている」シリーズの第二部であり、上海の黄浦江を撮影したものである。
黄浦江は西から東へと、都市の中心を貫いて流れている。川沿いを歩いていると、空間の典型的な変化が見えてくる。農村から町、そして都市中心部へと、その姿は次第に変わっていく。制度や資本の力は、異なる場所に似たような景色を生み出し、風景の均質化を進めている。
上海は巨大な有機体のように、今なお外へと繁殖し、膨張し、再開発と建設を繰り返している。黄浦江は重要な水路として、貨物船やフェリー、クルーズ船がひっきりなしに行き交い、活気に満ちている。だからこそ、黄浦江の河岸風景には人間の気配が濃く、情報量も多い。
川は、社会の変遷や気候・自然環境の変化などを知りながらも、何も語らない。ただ流れる。ただ流れる。

(宛 超凡)

プロフィール

宛 超凡(えん ちょうはん)

1991年 中国河北省固安県生まれ
2013年西南大学卒業。2017年明治大学大学院政治経済学研究科修士課程修了。2021年東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。TOTEM POLE PHOTO GALLERYメンバー。
写真集に『水辺にて』(2016、STAIRS PRESS)、『河はすべて知っている——荒川』(2022、STAIRS PRESS)、『河はすべて知っている——黄浦江』(2025、STAIRS PRESS)などがある。
主な受賞歴:第44回写真新世紀・優秀賞(2021)、第24回三木淳賞(2023)、2023年さがみはら写真新人奨励賞。
「人と風景」の関係を見つめ、河川や都市に長期的に向き合う作品を制作している。