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2021年6月8日(火)~2021年6月21日(月) 日曜休館
長崎の8月は賑やかだ。
9日の原爆祭では、かつてキリスト教信仰の中心だった爆心地の浦上地区を訪れ、祈りを捧げる。個人の悲しみと街中に隠された戦争の爪痕には、それらを慰めるかのように花が手向けられている。
15日の精霊流しの日は街中に見物客が溢れている。故人の魂を乗せて次の場所へと旅立つため、長崎では初盆を迎える家族や友人のために精霊船を作る。花火と爆竹の煙に包まれ、掛け声と流した汗と涙の中、滲む提灯の光は夏の夜に眩しく輝いていた。
原子爆弾が落とされ、数日後の精霊流しで自分の船を流してくれるのかと案じて亡くなった人がたくさんいたという。ぶつかり合ってきた東西の歴史と文化を紡いだ街の日常と1945年8月9日の夏の日と共に、長崎は重層している。
光の列は果てしなく永いさよならを告げながら、生と死の間を縫うように飲み屋街の細い路地をくぐり抜けた。もし長崎で死ねたのならば、誰か派手な精霊船を作って流して欲しいと、ひっそり思った。
(陳 翔)
1992年台湾・台北市生まれ。台湾大学文学部卒業後、2016年に東京綜合写真専門学校に入学。2019年から通信社で写真記者として働く。