「〈働く〉は、モノクロ写真で男性の服のシワや血管まで浮かび上がってくるようです。力仕事に従事して逞しく生きている姿をうまく抽出できています。アングルも見事で、雑多な背景の中でも人物がよく引き立っていますね。気になったのは各写真の露出差。意識して調整すると4枚のまとまりがより出るはずです」(秋山)
「〈ライフ・ロード〉は、グレートーンの雪景色から冬の厳しさが感じられて、世界観を露出でうまく作り出せているなと思いました。どこを見せたいのかをもう少しきちんと分かるように撮影をするとよかったですね。そうすると、より臨場感のある組写真になったのではと思います」(秋山)
「〈night〉は、自分の心の内を写真で表すような捉え方で、心の中の広がりを感じました。見る人の想像力を働かせる表現で、青いトーンで統一したというところにも作品性が受け取れます。美しいグラデーションに対して鉄塔がややノイジーになってしまっていたところが惜しかったです」(熊切)