
野口 花梨Karin Noguchi
NIKKOR Z24-70mm f/2.8 S II

「ズームレンズの
新たな可能性を感じる」
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIを手にしてまず感動したのは、大三元レンズの概念が変わりそうな軽さとコンパクトさ。しかしながら、描写はさすが大三元といった上品さと重厚感がある。AFはNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sよりもスピーディーかつ正確で、瞬間の動きを捉えたいシーンに対応。最短撮影距離は短く、寄り引きの自由度がとても高い。ポートレート撮影には欠かせない逆光シーンもお手のもので、つぶれやすい繊細な髪の毛の立体感も見事だ。本格派でありながら軽やか。このような「こうあってほしいな」がたっぷり詰まった素晴らしいレンズだ。

・カメラ:Z6III ・シャッタースピード:1/4000秒 ・焦点距離:44mm ・絞り:f/2.8 ・ISO感度:400
緑が生い茂る庭から被写体を捉えた夏らしい1枚。絞り開放f/2.8で得られる葉の前ボケは滑らかで、ハイライトからシャドーまでしっかりとした階調表現だ。ワンピースはディテールに至るまで繊細に描写され、きちんと生地の素材感を写し出している。
最短撮影距離は望遠端でなんと0.33mを実現。ズームレンズの常識を覆す優れたクローズアップ性能は、撮影の自由度をグンと高めてくれる。中望遠単焦点レンズのような滑らかな写りと柔らかさのあるボケで、肌の質感や空気感をリアルに映し出している。

・カメラ:Z6III ・シャッタースピード:1/125秒 ・焦点距離:70mm ・絞り:f/2.8 ・ISO感度:320

・カメラ:Z6III ・シャッタースピード:1/1000秒 ・焦点距離:27mm ・絞り:f/2.8 ・ISO感度:100
広角の絞り開放f/2.8で撮影。画面中央のピント部分だけでなく、周辺部まで像が流れることなく鮮明に描写されている。望遠側から広角側へ急に画角を切り替えても、AFは迷うことなく作動。素早くピントを合わせてくれるので、レンズ1本でリズム良く多様な作画が楽しめる。
夕暮れ時の1枚。強い逆光でもフレアやゴーストは出ず、顔の輪郭部分にフリンジも現れないため、写りはとてもクリアだ。ハイライトからシャドーのグラデーションも滑らか。髪の毛の細部まできちんと再現され、被写体の立体感も際立っている。

・カメラ:Z6III ・シャッタースピード:1/640秒 ・焦点距離:70mm ・絞り:f/2.8 ・ISO感度:640

・カメラ:Z6III ・シャッタースピード:1/2000秒 ・焦点距離:52mm ・絞り:f/2.8 ・ISO感度:100
迫り来る波から逃げるようにお互い動きながら撮影。高精度かつ高速化されたAF機能によって正確に瞳を捉え、走っていても難なくピントを合わせられる。絞り開放f/2.8のボケが心地良い奥行きを生み出している。
モデルとなってくれた女優・山口まゆさんお手製の朝ごはん。コップの前ボケと後ボケが自然で、画面中央の料理が引き立っている。黄身のツヤも美しく立体的に表現されている。撮影最短距離が短いので、テーブルフォトにも最適だ。

・カメラ:Z6III ・シャッタースピード:1/200秒 ・焦点距離:64mm ・絞り:f/4.5 ・ISO感度:200

・カメラ:Z6III ・シャッタースピード:1/100秒 ・焦点距離:54mm ・絞り:f/4 ・ISO感度:200
AFが迷いやすい窓越しのポートレートだが、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIは的確に瞳を捉えてくれた。映り込みは少しの位置調整で印象が大きく変わるが、構図調整の細かい動きにも素早く高精度なAFが反応する。描写力もさすがで奥行きがしっかりと表現できている。
夕日のスポットライトを活かした撮影。ハイライトとシャドーがはっきりと分かれるシチュエーションでも、髪の毛がつぶれたりすることはなく、肌の描写もリアルでなだらか。自然でありながらも適度にコントラストがついているため、ドラマチックな印象に仕上がった。

・カメラ:Z6III ・シャッタースピード:1/160秒 ・焦点距離:47mm ・絞り:f/3.2 ・ISO感度:800

Behind The Scenes
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIは、まるで単焦点レンズのような滑らかで柔らかいボケを実現し、ポートレートやスナップで重宝するレンズ。広角から中望遠まで1本でこなせる利便性のほか、軽さによる機動力も併せ持っている。そして見逃せないポイントはNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S比で約5倍高速化されたAF性能※注。激しく動くシーンでも正確に被写体を捉え続けるレスポンスの良さも大きな魅力だ。この動画はNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIによるポートレート撮影の対応力が分かる内容になっている。
※注 画像処理エンジン EXPEED 7搭載のカメラボディ装着時。

写真家
野口 花梨(のぐち かりん)
1999年生まれ、大阪府出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。俳優やモデルの撮影を精力的に行い、自然な表情を捉えたポートレートを得意とする。上白石萌歌「かぜとわたしはうつろう」など多くの写真展に参加。