2025/6/18

クリアーなポートレートを気軽に楽しめる。
透明感あふれるCrystal Clear

透明感がありつつ、クリアーな描写になるように作成したレシピ。特に自然光の下でのポートレート撮影との相性がよく、人肌の透明感まで表現できます。ぜひ色々な場所で試してみてください。

色は作品や被写体の魅力を体現する要素

私にとって色は、自分のアイデンティティーとなるものです。自分の色で表現できれば、「この人の作品だ」と見てくれる人に認知してもらうことができます。自分の個性や作品に対する想いを伝えるために欠かせない要素だと考えています。

そして色は写真の表現に欠かせない、モデルさんが醸し出す雰囲気を再現する上でも重要です。ただし、色にこだわるだけではいい作品にはなりません。顔や体の角度に至るまで細かく検証して、一番キレイに写る角度を探したり、私自身もモデルさんと一緒に撮影を楽しむことで、モデルさんの自然な笑顔を引き出したりします。被写体の魅力を最大限活かすために、色をはじめあらゆる点にこだわっています。

左:オート、右:Crystal Clear
左:オート、右:Crystal Clear

寒色系の色が織りなす透明感

今回作ったCrystal Clearは、いつも私が作品づくりで意識している「透明感」や「クリアーな雰囲気」が伝わるレシピにしたい、そしてみなさんが私の色を手軽に再現できるようなものにしたいと思い作成しました。

より自分の作品のイメージに近づけるために、カラーグレーディングには特にこだわりました。クリアーな描写にするためにシャドウとハイライトの塩梅には細心の注意を払っています。そして、透明感を出すためにハイライトにブルー、シャドウにシアン、中間調にほんのりグリーンを足すことで、全体的に寒色寄りのトーンにしています。

作成する上で、色のバランスの調整が難しかったです。予想以上に青が強く出過ぎたり、逆に特定のシーンだと全く色が乗らなかったりと苦戦しました。さまざまなシチュエーションを想定してテストカットを繰り返すうちに、ちょうど良い色味を見つけることができて、最終的に色々なシーンで使えるレシピに仕上がったと思います。

たくさんの表現を見ると理想の色へ近づける

Crystal Clearはある程度シーンを選ばずに使える汎用的なレシピではありますが、特に自然光下でのポートレート撮影で使っていただくのがおすすめです。一番演色性の高い光である自然光下で使うことで、このレシピの特徴である透明感を一番実感できると思います。

イメージングレシピの魅力は、撮って出しから自分の理想の色を出せる点です。撮影現場で写真をチェックする際に仕上がりのイメージを見せられるので、モデルさんにビジュアルの方向性を伝えるのにも役立ちます。撮って出しから理想の仕上がりになっているので、編集時間を短縮できる点も魅力です。

自分ならではの色表現を見つけるには、たくさんの写真を見て自分がどんな色が好きなのかを自己分析するのがおすすめです。写真はインプットの時間が特に大事です。その過程でCrystal Clearも使っていただけると嬉しいですし、私のレシピがみなさんの好きな色や表現を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

ピクチャーコントロール:Crystal Clear

記事で紹介した
イメージングレシピ

Crystal Clear

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Eisuke Ishibashi写真家・フォトグラファー

1988年東京生まれ。2015年からポートレート撮影を始め、光と独特な色味を用いた幻想的な世界観で写真を表現している。 2017年よりウェディングフォトグラファーとして活動を開始。新郎新婦の生み出す空気感や自然な表情を意識して撮影している。

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