推奨環境
ブラウザ
- Windows
- Microsoft Edge
- Windows Firefox 最新版
- Windows Google chrome 最新版
- Mac
- Mac Safari 最新版
- Mac Firefox 最新版
- Mac Google chrome 最新版
モニター
1024px × 768px以上の解像度
- Android
- Android OS 10.0以降
- iPhone
- iOS 16 以降
正常に表示されない場合は、Cookie及びキャッシュ削除をお試しください。
野口 健司
1980年長野県生まれ シネマトグラファー
日本大学芸術学部映画学科を卒業後、撮影助手として様々な作品に携わり、映画では柳島克己氏、CM/MVでは宮原夢画氏のチーフを経て2015年に独立。2021年には『由宇子の天秤』にて第65回三浦賞を受賞。2025年よりアングルピクチャーズに所属。
近年の撮影担当作品として、映画『君の顔では泣けない』『逆火』、ドラマ『シリウスの反証』『MADDER その事件、ワタシが犯人です』などがある。
ドラマ『月夜行路 ー答えは名作の中にー』での撮影現場にて、2台の RED V-RAPTOR[X] をメインに、サブカメラとしてZRが使用されました。撮影を担当された野口健司さんは、ZRをどう活用しようと考えたのでしょうか?
聞き手:VIDEO SALON
まずは予算です。それ以外に解像度などのスペックもあるのですが、今のシネマカメラはどのカメラを使ってもある程度のところまで追い込めてしまうので、自分にとって使いやすいかどうかで決めることが多いですね。個人的に自分はREDのカメラを昔から使ってきて、現在はV-RAPTOR[X]とKOMODO-Xを所有しているので、REDを使うことが多いです。
解像度とフォーマットを細かく簡単に選べるところです。たとえば現状のV-RAPTOR[X]ですと、MAXで8K、そして7K、Super35にはなりますが6Kを選択できます。解像度を変えると撮像面積が変わるので、レンズが豊富に揃えられないけれどその間の画角が欲しいというときに、擬似的にワイドを作れたり、テレコンを入れたような効果が簡単に得られます。それが現場では意外と便利なんですよね。6K収録を基準にして、より被写界深度を浅くしたいところは8Kにして撮像面積を広げて浅くするといった使い方もできます。たとえば今回のドラマでは6KのSuper35サイズを基本にして、7K、8Kを使っています。
個人的にはジンバルよりもステディカムを使用することもあって、これまではそこまで必要性を感じることはありませんでした。ところが小型のシネマカメラとジンバルの性能が上がって普及したことで、ドラマのなかでも走りの「ひっぱり」のカットだったり、走っている足元のカットなどを撮ってほしいとディレクターから気軽にオーダーされることが結構増えてきたんです。しかも乗り物などが使えないような狭いところで、ステディカムを使って走る人と同じ速度でカメラを持って後ろ向きに走るというのは至難の業です。そんなこともあって、ジンバルに載せて走れるくらいのカメラで、REDと同じカラーサイエンスのRAW収録ができるZRを導入することにしました。
実は個人的にZRを購入していまして、これまではロケハンで写真を撮ったりしていたのですが、ムービーのカメラとして使うのは今回の現場が初めてでした。
ドラマの場合は最初に脚本がすべて揃っているわけではないので、具体的にZRの使い所を想定していたわけではありませんが、急な走りに対応するところでは使おうかなと思っていました。実際に撮影が始まってみると、意外にもそれ以外に効果的に使えるところがありました。
ズームレンズのNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sとパンケーキタイプの単焦点レンズNIKKOR Z 26mm f/2.8です。目線のカットはNIKKOR Z 26mm f/2.8を使用しています。ちょっとしたカットであればこの2本で対応できると思いました。フォーカスはAFです。目線のカットなどは液晶パネルのタッチ操作で対応することができました。
TILTAのケージを利用しました。タイムコードを同期させるためにTentacle Sync Eを上に装着しているだけというシンプルな構成です。ZRのコンパクトさを活かしたかったのでモニター出しはしていません。したがってHDMIがType Dであるということは気になりませんでした。むしろHDMIを挿していると液晶モニターが使いにくくなることのほうが気になります。このモニターの大きさは現場ではすごくよかったです。これより小さいと外部モニターを使おうという判断になると思うので。
バッテリーのもちは想像以上によかったです。かつての小型シネマカメラはバッテリーがもたないイメージがあったのですが、バッテリーを3つ持って行っただけで当日の撮影は充分足りて、外部電源などは使わなくてすみました。
テスト撮影してから本番の撮影にのぞんでいますが、まったく問題を感じませんでした。単純に色温度のズレはありますが、それもグレーディングの段階で少し調整すればすぐ合わせられました。これだけ解像度も出ていれば、ちょっとしたカットでは問題なく使えるという印象です。レンズにしても今回、ブラックプロミストのフィルターを入れているのですが、使用したZレンズの描写で気になる部分はありませんでした。
今回のドラマのルックは、波瑠さんと麻生久美子さんのおふたりの女優さんの肌を綺麗に表現することが狙いでしたので、暗部を作るようないわゆる映画的なルックというより、ドラマっぽいルックになっているのですが、ZRはそれにしっかり応えられるカメラでした。
私は以前からREDのシネマカメラを使ってきてアップデートプログラムで買い替えてきているのですが、最近のIPP2パイプラインの世代のREDはハードウェア的にも安定しているということを知らない人は案外多いですね。新しいカメラが出ても信頼性を重視して冒険しないことが多いので。今のV-RAPTOR[X]やKOMODO-Xは安定していますし、冷却ファンの音が気になるということもありません。何よりRAW収録でも記録データ容量が抑えられるので、メディアを借りる量も少なくてすみます。
映画やドラマ撮影の現場ではどうしてもZRはサブカメラ的な使い方になるとは思いますが、これくらいの大きさのカメラじゃないと撮れないカットというのが絶対にあるので、それをどういうふうに発見して、実際に撮っていくかということをいろいろ考えていこうかなと思っています。ZRだったらこういうカットが撮れるということを発見したいですね。長い期間をかけて撮影していると、そういったシーンがどうしても出てくるので、そこでうまく使っていければいいなと思っています。
1024px × 768px以上の解像度
正常に表示されない場合は、Cookie及びキャッシュ削除をお試しください。