R3D NE WORKFLOW

R3D NE素材を
DaVinci Resolveで
グレーディングする

ここではDaVinci Resolve Studioを使って、視聴できるノーマルな階調にするだけでなくREDらしい色味を加える仕上げを紹介します。DaVinci Resolveの場合、いくつかのやり方がありますが、最もシンプルでわかりやすい方法をまずは試してみると良いでしょう。後半で、カラースペース変換を利用してLog to Log形式のLUTを使った方法を解説します。

Log3G10を通常の視聴環境で見た状態
Log3G10を通常の視聴環境で見た状態
REDらしい色味にする
REDらしい色味にする

STEP1 カラーマネージメントの設定

撮影した素材によって最適な編集時のカラースペースと最終的に出力するカラースペースを設定します。

カラーマネージメントの設定

R3D NE(Log3G10)で撮影した場合
●カラーサイエンス:DaVinci YRGB
●タイムラインカラースペース:REDWideGamutRGB / Log3G10
●出力カラースペース:Rec.709 Gamma 2.4

STEP2 LUTの準備

Log映像を適切に“見える色”へ変換し、REDらしいルックを加えるためにLUTを使用します。

REDのクリエイティブLUTをダウンロード

ダウンロードリンクにアクセス
このページに、REDのLUTをダウンロードするためのリンクがあります。 「RED Creative LUT Kit」をダウンロードします(FilmBiasなどの見た目を良くするLUTが含まれています)。Logの浅い色味をRec.709やRec.2020に変換するだけの場合は「IPP2 Output Presets」をダウンロードします。

RED Creative LUT Kitへのログイン

ログインとダウンロード
REDのWebサイトにログインしてダウンロードを実行します。初めてアクセスする場合はアカウントを作成する必要があります。

STEP3 DaVinci ResolveへのLUTインストール

DaVinci ResolveへのLUTインストール

1. プロジェクト設定→「カラーマネージメント」→「LUT」を開きます
2. 「LUTフォルダーを開く」を選択
3. 先ほどのLUTフォルダ一式をここへコピー

STEP4 REDのLUTを適用する

REDのLUTを適用1

1. エディットページで素材を並べたらカラーページへ移動します

REDのLUTを適用2

2. 左上の LUTボタンを押して一覧を表示

REDのLUTを適用3

3. 「RED_IPP2_Creative_combined_with_REC709_BT1886_Output_Transform」フォルダ内のLUTを選択

REDのLUTを適用4

4. 選択したクリエイティブLUT をノード01にドラッグして適用します

Log3G10を通常の視聴環境で見た状態
REDのクリエイティブLUT適用後

STEP5 露出とコントラストを調整する

露出とコントラストを調整する1

1. ノード01を右クリック→「ノードを追加」
→ 「シリアルノードを前に追加」
LUTを当てたノードの前にノードを追加し、そのノードで露出やコントラストを調整します

露出とコントラストを調整する2-1 露出とコントラストを調整する2-2

2. 「プライマリー - カラーホイール」や「カーブ - カスタム」を使用し、ベースとなる露出・黒レベル・コントラストを整えます

STEP6 ホワイトバランスを調整する

ホワイトバランスを調整する

1. さらにノードを追加します(シリアルノード)
2. プライマリーパネルの 色温 と ティント を使ってホワイトバランスを調整します

LUT適用直後:Logの浅い見た目からREDのルックが加わります
露出・WB調整後:作品としての仕上がりに近づきます

この手順で、Log3G10の素材をDaVinci Resolveで適切に変換し、REDのクリエイティブルックを活かした映像に仕上げられます。
LUTは“完成形ではなく出発点”なので、露出・ホワイトバランス・コントラストの細かな調整が最終的なクオリティを左右します。

Point

Log3G10からカラースペース変換する他の方法

Log3G10で撮影した映像はそのままでは視聴することができないので、前項ではLUTでカラースペースを変換しました。カラースペースの難しい用語を知らなくても作業できるやり方ですが、DaVinci Resolveでは他の方法でもカラースペースを変換することができますのでここで紹介します。

カメラRAWパネルで変換する

カメラRAWパネルで変換する

カラーページの左下でカメラRAWを選択します。デコードに使用を「クリップ」にすると、カラースペース、ガンマカーブを変更できるように。カラースペースをRec.709、ガンマカーブをBT.1886にすると通常のモニターで見られる色とガンマになります。

エフェクトパネルの「カラースペース変換」を利用する

エフェクトパネルの「カラースペース変換」を利用する1

右カラムにあるエフェクトパネルから「カラースペース変換」を選んで、ノードにドラッグ&ドロップします。設定で右のようにすると、通常のモニターで適正に見られる色とガンマに変換されます。

エフェクトパネルの「カラースペース変換」を利用する2

・ 入力カラースペース:REDWideGamutRGB
・ 入力ガンマ: Log3G10
・ 出力カラースペース:Rec.709
・ 出力ガンマ:Rec.709

最初のノードで作業用の色域に広げます
最後のノードでRec.709に変換します

いきなりRec.709に変換するのではなく、最初のノードでDaVinci Resolveでの作業用のカラースペースとガンマに変換した後で、微妙な色調整を施していき、最後のノードで作業用の色域から最終の視聴環境であるRec.709に変換するという方法もあります。

LUT使用時の重要な注意点

解説◉大畑一樹

LUTを使う上で注意しておかなければならない点があります。LUTには従来型とLog to Log形式の2種類があり、それぞれ使い分けが必要になります。
従来型のLUTとは、Logのコントラストの薄い映像に適用すると彩度・コントラストが濃くなるもの。これは、ルックに癖をつける要素とともに、色域・ガンマ(色空間)を変換する要素が含まれているためです。
一方、DaVinci Resolveのワークフローで最近主流となっているのが、「Color Space Transform」(カラースペース変換)というエフェクトを使った方法です。この方法は、入力色空間、出力色空間をそれぞれ設定し、DaVinci Resolveの広い色空間の中で処理をすることで、撮影素材のもつ階調を最大限活かした色調整ができるため、ここ数年その普及が進んでいます。
しかし、このフローの中で従来型のLUTを当ててしまうと、LUTとColor Space Transformの両方で色空間の変換をすることになるため、階調が破綻してしまいます。
そこで必要になるのが、色空間を変換する要素を抜き、色の癖だけを残した新方式のLog to Log形式のLUTです。この新方式のLUTであれば、Color Space Transformを使ったフローの中でも問題なく使用できるため、より上質な色調整が可能となり、SDR/ HDRなど出力色空間を問わず、さまざまな場面で活用できます。

従来型とLog to Log形式の見分け方

従来型とLog to Log形式の見分け方

RED Creative LUT Kitに収録されているLUTを見てみると、「REC709_BT1886」と書かれたものが、BT.1886用に設計された従来型のLUTだと分かります。従来型には「709」もしくは「1886」の表記があり、その表記がないものがLog to Log形式となっています。

3D LUTを使ったノード構成例

従来型のLUTを適用する場合
従来型のLUTを適用する場合

「Primaries」(プライマリー)のノードでベースの基本調整をし、従来型のLUTを当てるといったシンプルなノード構成となります。

Log to Log形式のLUTを適用する場合
Log to Log形式のLUTを適用する場合

CST INというラベルのノードで、REDの色空間をDaVinci Resolveの作業用の色空間に変換したあとに、CST OUTのノードで、一般的なRec.709の色空間に変換することで、ニュートラルなルックを作っています。その流れの中で、Log to Log形式のLUTを当てることで「癖」をつけるといったノード構成となります。

グレーディング前からLUT適用までの流れ

Log to Log形式のLUTを使用すれば、コントラストを上げることなく、色の癖だけをつけることができます。

NG!
LUT適用のNG例

LUT(BT.1886)を適用
カラースペース変換をするワークフローで従来型であるBT.1886のLUTを適用すると、二重で色空間を変換してしまうことになり、コントラストが強くなってしまいます。