「〈おぼつかぬ足〉は土管の配置がバランスよく、作品全体に安定感があります。人物の一部を切り取って周辺の明るさをやや落として仕上げることで、円と足のフォルムのおもしろさが際立っていますね。光の具合もよく、人物の足元に入るエッジライトによって無機物と有機物の対比みたいなものが巧みに表現できているように感じました」(秋山)
「〈粛然な一時〉は、シチュエーションがおもしろいですね。掃除をするおばあさんと不気味なタコの滑り台が組み合わさることで、強い異物感と不思議な魅力が生み出されています。ボケを生かした奥行き表現も効果的でした。一方で、足元がやや詰まり気味な印象が。地面をもう少し入れると全体のバランスがより整うでしょう」(熊切)
「〈孵化〉は、人物を包み込む草の配置によって、巣や殻に閉じこもるような内省的イメージが立ち上がる点に惹かれました。コントラストを高めたことで肌の質感が浮かび上がり、縦位置構図に斜めに入る草が奥行きを生み出しています。俯瞰でありながら立体感もあり、とてもいいアングルから被写体を狙うことができています」(秋山)