深大寺の初夏を歩く。Kimura Hinamiさんが切り取る、光と緑のスナップ散歩

お寺、参道、植物園――東京の深大寺エリアには、カメラを持って歩きたくなる場所がぎゅっと詰まっています。

今回、このエリアを一緒に歩いてくれたのは、フォトグラファーのKimura Hinamiさん。日常の中にある光や影、お花や草木の何気ない美しさを切り取るスナップ写真が魅力で、Instagramに並ぶ写真にはどこか懐かしくてあたたかい空気が漂います。

Hinamiさんと一緒に深大寺エリアでスナップ撮影を楽しみながら、撮ることの楽しさやスナップのコツをたっぷり聞きました。

スナップ散歩のスタート

10:00 まずは「深大寺」でお参り

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

スナップ撮影を始める前に、まずはお参りから。深大寺は奈良時代の733年創建と伝えられ、東京では浅草寺に次ぐ古いお寺といわれています。お寺を撮ることはあまりないというHinamiさんですが、境内を歩き始めると、すぐに気になるものがたくさん見つかったようです。

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Hinami:鉢植えのお花も飾ってあったり、意外とお花があるんだなって嬉しくなりました。この、なんじゃもんじゃの花もかわいかったです。私はアップで撮ることが多いので、ボケ感を入れながら奥行きも意識して撮りました。晴れの日は光と影を意識して撮ることが多いですが、境内にいた時は曇りで影が出にくく、光も強くありませんでした。ただ、逆に光が柔らかくなるので、深大寺での撮影では、この柔らかさが合っていたのかもしれません。

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

深大寺

東京都調布市深大寺元町5-15-1
https://www.jindaiji.or.jp/
https://www.instagram.com/jindaiji_temple_official
注意点:撮影をする際は周囲の迷惑にならないよう注意しましょう。

 

10:30 懐かしい物や景色にあふれる参道エリアへ

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

境内をひと通り歩いたあとは、蕎麦屋や土産物店が並ぶ参道エリアへ。懐かしい雰囲気の漂う参道で、Hinamiさんのシャッターはいっそう楽しそうに動いていました。お気に入りとして選んでくれたのは、ひょうたんにだるまが描かれた飾り物に光が当たった1枚です。

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Hinami:すだれの隙間から入る光がだるまに当たってかわいかったし、いっぱい並んでいるのでボケ感で奥行きも出しやすかったです。私はレトロな雰囲気が好きなので、コマや昔のおもちゃ、たぬきの置物、お団子などが特に目が止まりました。フィルムが好きなのも、昔の空気感が好きだからだと思います。

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Zf、AI NIKKOR 50mm f/1.8S

 

Hinami:スナップを撮る時、自分の手を入れたり何か身近なものを添えて撮ってみるのもオススメです。見ている人が自分ごとに感じられるような工夫をするのが好きなんです。

 

Zf、AI NIKKOR 50mm f/1.8S

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

11:30 オリジナル陶器を作る絵付け体験へ

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Hinamiさん自身も楽しみにしていた絵付け体験へ。参道にあるむさし野深大寺窯では、様々な陶芸体験ができます。今回体験したのは本格陶器の絵付けコースです。100種類以上の素焼きから好きなものを選び、絵付けをして焼き上げます。Hinamiさんはペンギンの素焼きに絵付けをしていました。

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Hinami:お皿などもあったのですが、ペンギンのフォルムがかわいくて一目惚れしました(笑)。ペンギンだけの写真も撮ったのですが、みんなでワイワイ話しながら絵付けをしたのが楽しかったので集合写真を選びました。

 

むさし野深大寺窯
東京都調布市深大寺元町5-13-6
https://jindaijigama.com/
https://www.instagram.com/jindaijigama/
注意点:撮影の際はお店の方の許可を得てから、周囲の迷惑にならないよう注意しましょう。撮影のみの利用はご遠慮ください。

 

12:30 昼食は深大寺の名物の蕎麦を

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

深大寺は、お蕎麦でも有名な場所です。参拝客に昔から愛されてきた深大寺のお蕎麦、せっかくなら立ち寄ってみてはいかがでしょう。

 

Hinami:晴れると緑が一気に輝きますよね。春の新緑具合も好きですし、すだれからの木漏れ日もきれいだなと思って撮った1枚です。

 

13:30 四季折々の花が楽しめる神代植物公園へ

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

お蕎麦を食べて深大寺に隣接する神代植物公園へ。神代植物公園では、約4,800種類・10万本もの植物が30のエリアに分かれて植えられていて、バラやツツジ、ウメなど四季折々の花が楽しめます。撮影した時期は、ツツジが見頃を迎えていました。

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Hinami:個人的にすごく好きなエリアでした。普段のようにお花だけにフォーカスしたり、植物園の雰囲気を出すために引きも撮ったり。また、太陽も出ていたので光と影を意識して撮っていました。お花に当たる光だけじゃなく、それによってできる影や木漏れ日、そういうものに目を向けると面白い写真が撮れます。一番好きなモッコウバラは、引きで撮ってもモコモコしていてかわいいですし、寄りで撮っても小さなバラでかわいい。見つけるとテンションが上がるお花です。

 

Zf、AI NIKKOR 50mm f/1.8S

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

神代植物公園

東京都調布市深大寺元町5-31-10
https://www.tokyo-park.or.jp/park/jindai/index.html
注意点:撮影をする際は周囲の迷惑にならないよう注意しましょう。神代植物公園では混雑箇所での三脚の使用はできません。レフ版を使っての撮影はできません。

 

「INTERVIEW:「偶然の出会いがスナップの楽しさ」——カメラを持って撮りながら歩く日常

 

――深大寺エリアを訪れるのは初めてだそうですね?
美容院で美容師さんと桜の話をしていて深大寺をすすめていただきました。写真を見せてもらったら桜の時期じゃなくてもすごく良かったので、行きたいなってずっと思っていた場所でした。

 

――深大寺エリアを撮影してみていかがでしたか?
スナップ撮影だったのである程度自由に撮っていたのですが、記事になることを考えると雰囲気の伝わる引きの写真も必要でした。お寺で引きばかりだと固い印象になるので、自分らしい花の寄りのカットや色のあるもの、レトロなものも入れながらバランスを取りました。

 

――よくお花を撮られていますが、以前から花を撮ることが好きでしたか?
スナップを撮るようになってから、お花に目が向くようになったんです。画面いっぱいにぎゅっと詰め込むのが好きで。花が集合してモコモコしている感じに惹かれるんです。

 

――スナップを撮るようになったきっかけは何ですか?
上京したのが4年くらい前で、それまでは関西にいて被写体になってくれる友達が多かったのでポートレートをメインに撮っていました。でも上京してから撮れる友達がいなくなって、じゃあ何を撮ろうってなった時に、とりあえず身近な植物を撮ってみようと。そこでスナップの良さに気づいてはまっていきました。

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

――スナップ撮影の楽しさとは何だと思いますか?
いつもと違う道を歩いたら、たまたまいい景色に出会うことってありますよね。そんな偶然の出会いがスナップの楽しさだと思っています。次の日同じ場所に行っても同じ写真は撮れないから、その偶然と奇跡みたいなところがいいんですよね。スナップを撮るようになってから、日常の中で普段見ていなかった景色が見えるようになりました。お花とか何気ないものにも目が向くようになったのも、そこからなんです。

 

――カメラはいつも持ち歩いていますか?
晴れの日は持ち歩いています。撮るものを決めて出かける時もありますが、基本的にはあまり目的を決めずに、とりあえずカメラを持って撮りながら歩いています。

 

――スナップを楽しむためのHinamiさん的ポイントを教えてください。
まず、こだわりを持ちすぎないことだと思います。映えとかを気にすると、意識しすぎてかえって気づけない部分が出てくる気がしています。自分の「撮りたい」という純粋な気持ちだけで撮るといいと思います。構図や光の角度に正解はないので、逆光でも順光でも、引きでも寄りでも、とりあえず撮って後から選ぶのがいいと思います。

 

――カメラの設定は普段どうしていますか?
普段はマニュアル露出で、ISO、F値、シャッタースピードを自分で決めています。F値は開放が好きなので基本は開放にして、明るさはシャッタースピードで調整することが多いです。今回は絞り優先のAモードで撮りました。明るすぎず暗すぎず、カメラがちょうどよく調整してくれるので、「なんで普段使っていなかったんだろう」と思いました(笑)。

 

――ご自身のイメージングレシピは使いましたか?
今回はすべてに「Yuragi」を使いました。「Yuragi」は少し明るくて暖色系で、シャドウに青みを入れているのでどこか懐かしさを感じるノスタルジックな仕上がりになります。植物の色もはっきり出るので、お花の多い今回の撮影にはぴったりでした。レタッチは明るさの微調整とトリミングくらいで、ほぼ撮って出しです。

Zf、NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

 

――昨年Zfを購入されましたが選ばれた理由は何ですか?
カメラを選ぶ上でかわいさと操作性はすごく大事にしていて、一番は「かわいくて持っていきたくなるかどうか」なんです。Zfのシルバーは、持っているフィルムカメラのFM2に似ていて、すごくしっくりきました。フルサイズのカメラを持っていなかったので使ってみると、ファインダーを覗いた時のきれいさからもう違って、ボケ感もよりナチュラルで柔らかく、撮った時の感動がすごかったです。

 

――今回メインで使われたNIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1 VRはいかがでしたか?
NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1 VRは、友人の甘夏蜜柑ちゃんが使っているのを見て気になっていました。蜜柑ちゃんが「広角でも撮影できるし、マクロくらい寄れるよ」って言っていたので実際に寄ってみたら本当にギリギリまで寄れて。すごく伸びるから重たそうと思っていましたが、持ってみるととても軽くてびっくりしました。オールドレンズのAI NIKKOR 50mm f/1.8Sも持参していたのですが、24-105mmが使いやすくてこればかり使っていました。

 

――最後に今後の目標について教えてください。
大学生の頃に友人の影響でカメラを始め、理学療法士としての仕事や写真館での勤務を経て、2025年に独立しました。今まではSNSの中だけで完結していることが多かったのですが、今年はトークイベントやフォトウォークを自分で企画し、オフラインで皆さんと一緒に写真を楽しむ場を作りたいなと思っています。スナップの良さをもっとたくさんの人に広めていきたいですね。

Z f

Z f

製品ページ ニコンダイレクト

NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1

製品ページ ニコンダイレクト
Kimura Hinami

Kimura Hinami

1996年生まれ、兵庫県出身。大学の頃に一眼レフカメラを購入し、撮ることの楽しさを覚える。普段は過ぎ去ってしまうような日常に潜む美しい景色を写し、その魅力をSNSで発信。2025年には写真集『In Light, I Live』を発売。